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イメージワン Research Memo(4):アライアンス戦略の積極活用により、事業領域の拡大が続く(2)
2021/6/9 15:24
FISCO
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*15:24JST イメージワン Research Memo(4):アライアンス戦略の積極活用により、事業領域の拡大が続く(2) ■事業内容 3. 成長余地が大きい「onti」と「アイヒス」 「onti」は、核医学検査(放射線薬剤を体内に投与し、疾患の診断及び治療を行う医療分野)の線量管理が可能となる国内唯一の医療情報システムであり、RYUKYU ISGが製造元でイメージ ワン<
2667
>が独占販売権を獲得している。「onti」はCT等による核医学検査の「医療被ばく線量」と医療画像の「画質」を最適化する医療被ばく線量管理システムで、1)個人体格を考慮した医療被ばく線量指標を瞬時に計算、2)簡単な操作による画像解析や数値のグラフ化を通じ最適な薬剤投与量のコントロールと効率的な管理が可能、3)核医学業務に関わる情報を電子化できるため手書き作業や紙による管理からの革新が可能、4)医療被ばく管理の国際的な標準利用方法に基づき開発されているため、既存の病院ネットワークに接続すれば速やかに利用が開始できる、といった特長を持つ。2020年4月施行の医療法改正において、放射線診療を受ける者の医療被ばくの線量管理及び線量記録を医療機関に義務付けられたことは、「onti」への需要を喚起する追い風要因になると弊社は考えている。 クラウド型オーダリング電子カルテである「アイヒス」は、単に紙のカルテを電子化するだけでなく、従来、紙に書いていたオーダリング(検査伝票、処方箋、食事箋等にかかる情報伝達業務)を電子的にやり取りすることで、病院の業務効率を向上させ、サービス提供までの時間短縮や病院内の働き方改革、経費削減に貢献するシステムである。また、完全クラウド対応により、ユーザーは1)オンプレミス型(サーバの自前保有)に比べ低い導入コスト、2)自社管理に比べ総合的に見ればランニングコストの抑制が可能、3)良好なメンテナンス性、4)安全・安心なセキュリティー、といったメリットも享受できる。 電子カルテシステムの国内病院における導入率は30%台半ばと、同社の主力製品であるPACS(医療画像保管・配信・表示システム)の80%超を大きく下回っている。電子カルテシステムの導入率が低い理由は、主流であるオンプレミスでのシステム導入だと初期負担が重いためだが、「アイヒス」の場合、7年契約であれば初期負担5,000万円、合計保守料3,000万円(月額課金)で導入が可能であり、大きな成長余地が残されていると考えてよいだろう。また「アイヒス」は、総販売代理店契約に基づきアックスエンジニアリングから調達するプロダクトであり、中長期的にはPACS製品に比べて高い収益性が確保できる見込みである。 4. バランスシートを積極活用する「地球環境ソリューション事業」 「地球環境ソリューション事業」は、旧GEOソリューション事業と新規領域の再生可能エネルギー事業で構成され、今後、環境事業(バイオプラスチック事業や除染事業)も立ち上げていく予定である。太陽光発電事業の垂直立ち上げ実現により、2020年9月期の全社売上比は66.8%とコロナ禍の影響でヘルスケアソリューション事業と一時的に逆転したものの、2018年9月期の7%から急拡大している。 再生可能エネルギー事業において重要になるのが、2019年4月に行ったユニ・ロットとの業務提携である。ユニ・ロットは、太陽光発電システム開発において独立系としては国内トップクラスの規模を有する企業であり、地権者からの用地賃借にはじまり、経済産業省からの設備ID及び電力会社からの許認可(発電設備を系統に接続する権利)の取得、発電所の完成に至るプロセスを自前で進めるノウハウを持つ。加えて、ユニ・ロットが手掛ける物件は地盤調査やフェンス設置等も怠りなく、安全性に対する意識が高いという評価を得ているという。 同社が手掛けた再生可能エネルギー分野の物件(開示分)としては、メガソーラー開発1号(2019年7月に売却)や千葉県の太陽光発電所(2019年9月に売却)、埼玉県の太陽光発電所、鹿児島県の風力発電所、福岡県の太陽光発電所(2020年3月に売却)、宮城県の太陽光発電所があり、直近の開示では進行中の案件を数件保有している。 同社が展開するバランスシートを積極活用したビジネスモデルでは、財務の健全性を維持しつつ継続的な成長を実現するためには、投資におけるディシプリン(規律)の在り方が重要と考える。この点、再生可能エネルギー事業への積極投資により、地球環境ソリューション事業のセグメント資産/負債は2018年9月期末の14百万円/8百万円から2019年9月期末に1,083百万円/1,083百万円へとそれぞれ急拡大したが、2020年9月期末には433百万円/28百万円にまでともに圧縮された。これまでの開発・取得並びに運用・転売の実績から見て、1)過分な資金固定化につながりかねない大規模案件については、原則的に転売による早期の資金回収を目指す、2)稼働済発電所(セカンダリー)の取得においては、冷徹にハードルレートを設定することで自社運用による安定収入獲得と好条件での早期資金回収の両にらみ戦略を目指す、といった基本方針が読み取れる。 5. 旧GEOソリューション事業ではPix4D製ソフトウェアに注目 一連の事業構造改革を経て、旧GEOソリューション事業のメインプロダクトは、継続課金型事業モデルのPix4D製ソフトウェアと売り切りモデルながら高収益のMalvern Panalytical可視・近赤外分光放射計に絞り込まれている。 Pix4D製ソフトウェアは、特定のハードウェアに依存することなく、UAV(小型無人航空機、いわゆるドローンを含む)や地上で撮影した画像データから3次元形状の復元やオルソモザイク画像(写真に含まれるずれやひずみを修正した画像をモザイク状につなぎ合わせたもの)の生成、画像データに基づく各種計測(体積、面積、長さ)が直感的な操作により行えるものである。用途としては、航空写真測量や農業分野、環境監視・保全対策、被災状況の把握などに利用されているが、国土交通省が推進する「i-Construction (ICTの全面的な活用で建設生産システム全体の生産性向上を図り、魅力ある建設現場を目指す取り組み)」においてもUAVの活用が注目されており、同関連市場は有望視できるだろう。 Pix4D製ソフトウェアは、当該分野で世界シェア60%程度を押さえるNo.1プロダクトでありながら、日本におけるシェアは40%程度にとどまっているもようである。これに対し同社は、2017年12月に国内販売価格をグローバル販売価格に適合させる戦略的価格引下げを実施、全国で20拠点を超える新たな代理店網の組成も行うことでシェア拡大を図っている。こうした戦略推進に伴う販売価格低下は直近において一巡、販売数量は上向いている。さらに同社は、日本国内に2名しか存在しないPix4D社認定トレーナー(Pix4DcertifiedTrainer)資格保有者を抱える正規代理店として積み上げてきた経験値とサポート力を武器に成果物提供型の新たなサービスの開発にも取り組んでいる。 なお、同社は2012年8月にmicrodrones(ドイツ)とUAVの販売代理店契約を、同年11月にはPix4D(スイス)とUAV撮影画像処理ソフトウェアの販売代理店・ライセンス契約を締結している。日本でドローンへの関心が一気に高まったのは2014年後半から2015年前半であり、同社のシーズ/ニーズに対する感度の高さと迅速な経営判断力を示す好例と言えるだろう。 Malvern Panalytical可視・近赤外分光放射計(対象物の反射率、放射輝度、放射照度を計測)は、売上貢献こそ小さいものの、国内代理店契約に基づく高収益のオンリーワン・プロダクトである。NASA(米航空宇宙局)やUSGS(米地質調査所)の標準器として使用されるほど信頼性が高い製品がラインナップされており、日本では国公立の研究機関、大学等を中心に農業、環境調査、建設、土木、植生調査、海洋調査、資源探査、化学分析、原材料検査、品質・製品識別など様々な分野で利用されている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘) 《NB》
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2667 東証スタンダード
イメージワン
224
11/22 15:30
+8(%)
時価総額 2,420百万円
医療用画像管理システム、電子カルテ等の販売を行うヘルスケアソリューション事業が柱。各種画像処理・解析ソフトウェア等の販売も手掛ける。地熱発電及び水素事業から撤退。環境配慮型事業の創出などに取り組む。 記:2024/10/20
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