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ハマキョウ Research Memo(2):2021年3月期は減収なるも、利益は過去最高値を更新

2021/6/8 15:42 FISCO
*15:42JST ハマキョウ Research Memo(2):2021年3月期は減収なるも、利益は過去最高値を更新 ■業績動向 1. 2021年3月期連結決算 ハマキョウレックス<9037>の2021年3月期連結決算は、営業収益が前期比2.9%減の118,876百万円、営業利益が同3.7%増の10,563百万円、経常利益が同2.8%増の10,913百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.1%増の6,427百万円となった。減収ながらも増益を確保し、利益面では前期に続いて過去最高を更新した。 減収の背景にあるのは、貨物自動車運送事業が新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けたことが大きい。物流センター事業は、物流センターを11センター拡充したことにより好調を持続したものの、貨物自動車運送事業のマイナスをカバーしきれなかった。利益面では、物流センター事業が物流センター運営の充実、生産性の向上に取り組んだ結果が現われ、貨物自動車運送事業も幹線コストの削減、積載率の向上などにより大きなマイナスとはならず、全体としては過去最高の数値を確保することができた。 物流センター事業のセグメント利益は前期比6.6%増の8,243百万円と増益となった。同社の物流センター数は、前期末の117センターから2021年3月期末には128センターへ拡充した。そのスケールメリットを享受し、今後もさらなる伸びが見込まれている。一方、貨物自動車運送事業のセグメント利益は同5.5%減の2,314百万円と減益を余儀なくされた。長期化するコロナ禍の影響で、特別積み合わせ事業で物量が減少したことが主因となった。運賃の値上げや積載量の向上に努めたほか、下期に業績の回復傾向を示したが、トータルではマイナスとなった。 財務面では、有利子負債が前年の22,025百万円から22,800百万円と増加した。これは第4四半期にグループ入りした2企業の影響によるものである。また、前期に引き続き子会社の近物レックスの利益は借入れ返済に充当する方針だ。2021年3月期末時点の自己資本比率は51.1%と前期の49.9%から改善し、財務体質は良好と言える。 2. 2022年3月期業績予想 2022年3月通期連結の業績予想は、営業収益が125,000百万円(前期比5.2%増)、営業利益が11,000百万円(同4.1%増)、経常利益が11,500百万円(同5.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が6,750百万円(同5.0%増)と増収増益を見込む。前期に続いて過去最高益を更新する見通しだ。 物流センター事業については、2021年3月期には厳しかった旅行関係及び航空関係が回復に向かうと見られるほか、2021年に九州地区で初となる物流センターを宮崎県で操業開始する予定としている。同センターの業績が2022年3月期第2四半期から寄与することから、引き続き増収増益が見込まれる。貨物自動車運送事業については、コロナ禍の影響が懸念されるものの、下期に向けて一段と回復色を強めていくと見られる。 産業界全体を見ても、コロナ禍で影響が大きいのは“コトビジネス”である。逆に“モノビジネス”は巣ごもり需要などによって活発化しており、同社を含む物流ビジネスを取り巻く環境は極端に悪化した訳ではない。いずれにしても、コロナ禍が収束し経済活動が正常化に向かえば、同社を取り巻く環境は一段と良くなると言えるだろう。一方、懸念されるのは燃料費の上昇だ。原油価格の高騰に伴い軽油価格は上昇する恐れがあり、1円/リッターの上下で年間34百万円の利益変動要因となる。同社はこうした燃料費の影響についてある程度計画に織り込んでいるとしている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也) 《EY》
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独立系の物流会社。企業の物流業務を一括受託するサードパーティー・ロジスティクス(3PL)に強み。運送も。M&Aに前向き。新規受託物流センターや買収会社が貢献。運送の賃上げも利益に効く。人件費やコスト増吸収。 記:2024/07/31