マーケット
4/19 15:15
37,068.35
-1,011.35
37,986.40
+211.02
暗号資産
FISCO BTC Index
4/20 20:20:01
9,887,163
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

JIGーSAW Research Memo(2):「システムマネジメントサービス」は収穫逓増型で高収益

2021/5/10 15:02 FISCO
*15:02JST JIGーSAW Research Memo(2):「システムマネジメントサービス」は収穫逓増型で高収益 ■会社概要と強み JIG-SAW<3914>は、2001年11月創業で、2015年4月東京証券取引所マザーズ市場に新規上場したインターネットサービスのデータコントロール企業である。創業当初の事業目的は「セキュアOSの研究開発」であったが、2008年に「顧客のインターネットサービスのシステム監視、障害対応及びフルマネジメントからなる自動運用サービス」へと転換し、2017年に「再生医療分野への取り組み」が事業目的に加えられた。2019年には、同社独自のIoTエンジンである「NEQTO Engine」を核に据えたIoT領域でのワンストップ型サービスへの取り組みが始動し、IoT-OEMライセンスマネージサービスの立ち上げを受けて、2020年12月期より単一セグメントの呼称を、従来の「マネジメントサービス事業」から「データコントロール事業」へと変更している。 「データコントロール事業」は、「システムマネジメントサービス」及び「IoT向け各種サービス」で構成されている。「システムマネジメントサービス」は、インターネット上のサービスやインターネットとつながるすべてのモノが快適かつ安定稼働することをサーバやIoTデバイスの監視・運用等により支援するが、多種多様なシステムの自動監視をできるだけシンプルなサービスとして顧客に提供するために、1)Linux OSの研究技術基盤、2)IoTビッグデータの活用、3)ロボット型オートディレクションプラットフォーム「puzzle」のクラウド提供、4)IoTコネクティングサービス、5)マルチプラットフォームにおけるサポート、6)国内最大級の札幌コントロールセンター、札幌サテライト及び北米トロントコントロールセンターの3拠点によるデュアル&BCPマネジメント(2021年5月からは札幌新コントロールセンターが加わり、自動化の進化も含め数十倍のデータ処理とトリプル&BCPマネジメントを実現)といった武器を駆使している。なお、同社の「システムマネジメントサービス」の事業構造は、典型的な固定費ビジネスであり、顧客数の積み上がりが継続課金モデルとあいまって、累積的な売上増加と利益率向上、着実なキャッシュ・フロー創出を可能とする。詳細の開示はないものの、極めて高い契約継続率をベースとする顧客数拡大とアップセル(契約当たり単価の上昇)の両立が実現できており、IoTの進展に伴う今後のインターネットトラフィックの猛烈な拡大により、同社の収益規模が継続的に拡大する蓋然性は高いように見える。そして、「システムマネジメントサービス」が創出する確かなキャッシュ・フローが、同社の強みである積極的な事業投資の持続性を担保しているのである。 「IoT向け各種サービス」は、IoTに必要な機能をパッケージ化した包括的なIoTソリューション「NEQTO」(ブランディング名称)を提供するものであり、「IoT-OEMライセンスマネージ」と「IoTデータコントロール」に分類される。「IoT-OEMライセンスマネージ」は、同社独自の組み込みIoTエンジン「NEQTO Engine」のOEMライセンスをグローバルに提供する事業であり、デバイスへの組み込みや製品の販売は、顧客自身やパートナー企業が行うことになる。一方で「IoTデータコントロール」は、同社が開発したコアシステムである「NEQTO Console」等を活用し、エッジとクラウド間におけるデータの双方向通信(収集、生成、転送、認識、収納等)とIoTデバイスの制御・管理を行うサービスである。「IoT向け各種サービス」の料金体系は、同社が提供するライセンスとサポートに応じた完全継続課金モデル(売り切り型ではなくサブスクリプション型)である。一般論ではあるが、IoTデバイスは、製品単価が低い一方で稼働年数は長いとされている。つまり、この領域で収益性を高めるためには、売り切り型ではない事業モデルの構築が必須であっただけに、同社のサービス提供のあり方は高く評価できる。 同社の強みは、コアコンピタンスである「基盤コア技術」を応用し、中長期的な視点でビジネスデザインできる経営力にある。具体的には、1)ストック型・継続課金モデルの事業展開、2)独自の基盤技術をベースにしたオリジナルだからこその柔軟性・拡張性、3)M&Aを含むパートナー戦略、4)良好な収益性と財務体質を生かした事業投資戦略、などである。同社は、その強みを注ぎ込み、A&A及びE2Eというコンセプトの下、あらゆる種類の自動マネジメントサービスをクラウドサーバや物理サーバ、IoTデバイス及びネットワーク機器まで通信・ネットワークの全体(IoE市場)を対象に提供していくことを目指している。A&Aは、自動検知及び自動制御という意味であるが、A&Aコンセプトを追求することで、高品質かつリーズナブルなサービスをスケーラブルに顧客に提供することが可能となる。また、“端から端まで”という意味であるE2Eコンセプトの追求は、インターネットをはじめとするネットワーク上のすべて(IoE市場)をサービスの対象としようとするものであり、顧客から見れば、利便性の高いワンストップ無人オペレーションが提供されることになる。 同社の「システムマネジメントサービス」の主な対象であるサーバ・クラウドシステムは、言わばインターネットデータの格納先だった。一方、「IoT向け各種サービス」の事業対象であるIoTデバイスは、インターネットデータの発生源と言え、そこで生まれたインターネットデータは、これまでのインターネットに加えて遥かに大きな「マシンが生み出すデータ」であり、それが最終的にサーバ・クラウドシステムという格納先に流れ込むことになる。つまり、同社が取り組むIoT領域での本格展開は、既存ビジネス領域の拡大にもつながる一石二鳥の事業戦略と言える。指数関数的な爆発的成長を目指す同社は、既存のインターネットデータ及びマシンのインターネットデータの発生源と格納先を事業対象とする進化形の継続課金型ビジネスモデルの構築を実現したと考える。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘) 《YM》
関連銘柄 1件
3914 東証グロース
3,800
4/19 15:00
-50(%)
時価総額 25,654百万円
サーバなどを遠自動監視する独自システムが主力。IoTエンジン「NEQTO」をベースにしたサービス等も。SBIグループと合弁会社設立。NTT東日本と業務提携。月額課金売上は増加。23.12期通期は増収増益。 記:2024/03/31