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アウトソシング Research Memo(9):業界再編やグローバル人材流動化を見据え、M&Aなどに取り組む

2021/4/23 15:19 FISCO
*15:19JST アウトソシング Research Memo(9):業界再編やグローバル人材流動化を見据え、M&Aなどに取り組む ■アウトソーシング<2427>の主な活動実績 コロナ禍に伴う環境変化が進むなかで、新たな事業スキームである「派遣2.0」や「CSM」を活用したニューノーマルにおける提案力の強化や、業界淘汰を取り込むためのM&A、グローバルでの人材流動化を推進するための大型M&Aの実現など、今後に向けた活動面でも大きな成果が残すことができた。 1. エンジニアとテクノロジーを融合した「派遣2.0」の進捗 多くの先進国で技術者不足が深刻化するとともに、ロボットやAI活用による業務の効率化・省人化ニーズが拡大するなかで、RPAやAI等の先端テクノロジーとエンジニアをセットで供給し、業務の効率化を運用までサポートする「派遣2.0」モデルの本格的な提案活動を開始した。それによって、先端エンジニアの派遣による単価向上を目指すとともに、これまでの技術職派遣領域から、自動化傾向の高い一般派遣領域への進出により、事業拡大と収益性の向上を目指していく方針である※1。2020年12月期は302稼働※2の実績を上げ、2021年12月期までに668稼働を計画している。さらに5年後の2024年12月期には4,500稼働まで伸ばす計画である。 ※1 例えば、これまで10名の事務員派遣で成り立っていた業務に対して、同社グループによるロボット+エンジニアのセット派遣を併用することにより、事務員派遣は3名でこなすことが可能となり、結果として派遣先のトータルコストを引き下げることができるスキームとなっている。同社にとっても、新たな領域(一般派遣領域)へ進出するとともに、単価の高い先端エンジニアの効率的な活用を図ることができる。また、業務効率化によるコスト削減分を派遣先とシェアする収益モデルとなっているため、高い収益性が期待できる。 ※2 同社では、人材、ロボット、ソフトウェアすべての働きを「稼働」としてカウントしている。 2. 派遣先スタッフ調達管理システム「CSM」の展開 「CSM」とは、市販されているクラウドシステムを同社グループが協業してカスタマイズした独自の「派遣先スタッフ調達管理システム」である。複数社への派遣発注を含むメーカー側の様々な煩雑業務※を「CSM」が解消することにより、派遣先との関係を強化し、シェアの拡大や業界淘汰の取り込みを実現するところに狙いがある。また、派遣先にとっては、業務の効率化やコスト削減等に加え、適材適所での人材採用や評価制度の一元管理など、派遣スタッフ活用の精度やモチベーションを高めることができるほか、派遣スタッフの待遇改善や教育にも貢献することが期待されるため、社会的な意義も大きい。2020年10月以降に導入済み、または導入が決定したメーカー数は23社(ユーザー名1,777名)に上る(2021年1月18日現在)。同社が目指す「WBBプラットフォーム」(詳細は後述)の構築にもつながるものとして今後の進捗が注目される。 ※「CSM」導入に伴うメーカー側のメリットとして、1)業務効率化(勤怠管理と請求管理)、2)コスト削減(派遣管理窓口の簡素化)、3)定着率向上(生産性の向上)、4)環境負荷軽減(ペーパーレス化、資源活用)、5)BCP(情報のデジタル化、業務継続)、6)同一労働同一賃金対策(評価制度の一元管理)などがあげられる。 3. 国内M&Aの継続実施による業界再編への貢献 コロナ禍の下、業界淘汰や再編が加速する動きは、同社にとって人材獲得やシェア拡大のチャンスであるばかりでなく、価格競争から脱却した安定的な派遣市場を創出し、労働者にしわ寄せがいかない健全な業界の実現に向けて大きな変革期にあると捉えており、同社はM&Aや新たな事業スキームの提案を通じて積極的に貢献していく考えである。2020年12月期は、キャリアグループ(10月)、エコシティグループ(10月)、(株)アバンセホールディングス(11月)、(株)マークスファクトリー(12月)の合計4件の国内M&Aを実現した。また、2021年12月期に入ってからも、現時点で(株)エス・エス産業(2月)、(株)セレクトスタッフ(2月)、(株)アイテック(2月)、(株)新生産業(2月)のM&Aをすでに実施済みである。 4. 海外では大型M&Aを実現 2021年1月21日には、アイルランドのダブリンに本社を置くCPLに対する大型M&A手続きが完了した※。CPL社は、IT、製薬、ライフサイエンス、ヘルスケアセクター向けにスペシャリスト人材の派遣、紹介、請負等のサービスを展開しており、様々な分野のグローバル企業を中心とした優良な顧客基盤を構築している。同社グループが有するネットワークとの融合により、グローバルな顧客基盤の強化と同時に、技術系専門人材プラットフォームの構築を加速するところなどに狙いがある。 ※取得対価(議決権100%取得)は318百万ユーロ(約410億円/ユーロ=130円換算)。直近(2020年6月期)の決算は、売上高が569百万ユーロ、営業利益が24百万ユーロ。従業員数は約1万人にのぼる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《ST》
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製造業向け人材派遣・業務請負が柱。M&Aを活用して国内外で事業拡大。昨年12月に発表したMBOの一環として米投資ファンドのベインが1株1755円でTOB実施。今年3月にTOBが成立し、同社株は上場廃止へ。 記:2024/04/10