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シンバイオ製薬 Research Memo(8):2021年12月期は創業来初めて黒字化する見通し

2021/4/21 15:18 FISCO
*15:18JST シンバイオ製薬 Research Memo(8):2021年12月期は創業来初めて黒字化する見通し ■今後の見通し 1. 2021年12月期業績見通し シンバイオ製薬<4582>の2021年12月期の業績は、売上高で前期比206.4%増の9,151百万円、営業利益で1,361百万円(前期は4,506百万円の損失)、経常利益で1,350百万円(同4,615百万円の損失)、当期純利益で1,149百万円(同4,090百万円の損失)と創業来初の黒字化を達成する見通しだ。従前から黒字化の条件として挙げていた自社販売体制の構築、RTD製剤の販売開始、再発・難治性DLBCL向けの販売承認取得のすべてが達成されたことで、黒字化する蓋然性は高くなったと弊社では考えている。 売上高については2020年12月10日より自社販売を開始したことに加えて、2021年1月12日よりRTD製剤の販売を開始したこと、また、第2四半期からは新たに再発・難治性DLBCL向けの販売も開始されることで、大幅増収となる見通し。薬価ベースでは前期実績の81億円から113億円と約40%増を見込んでいる。113億円の内訳は、未治療の低悪性度NHLで41億円、その他の既適応症で46億円、再発・難治性DLBCL向けで26億円を見込んでいる。既適応症が前期の81億円から87億円に拡大するのは、前期がFD製剤の不良品問題により販売面で制限を受けたことに加え、RTD製剤への切り替えによってBR療法の浸透率がさらに上昇すると見ているためだ。 なお、RTD製剤の販売比率は第1四半期の約20%から加速的に上昇し、2021年12月時点で91%の水準を見込んでいる。再発・難治性DLBCLを対象とした販売承認申請も3月25日付で行っており、簡便的な審査により数ヶ月で承認が得られる見通しで、2021年後半には販売が可能になると見られる。2021年12月期におけるRTD製剤の販売比率は65~70%になると会社側では想定している。自社販売の開始に加えて、利益率の高いRTD製剤への切り替えが進むことによって、売上総利益率は前期実績の29.0%から76.0%に急上昇する見通しだ(為替レートは110円/ドル前提)。 販管費のうち、研究開発費については前期比10.9%減の2,019百万円を見込んでいる。前期はRTD製剤の承認取得に伴うマイルストーン約5億円が発生したが、2021年12月期はマイルストーンの予定がない。同要因を除けば実質増加するが、主な増加要因は「BCV」の臨床試験開始に伴う費用増となる。一方、その他販管費については前期比15.1%増の3,577百万円を見込む。自社販売の開始に伴い、営業費用(人件費含む)が前期の1,301百万円から1,961百万円に増加する見通しとなっている。 四半期ベースの業績見通しについては、利益率の高いRTD製剤への切り替え状況や再発・難治性DLBCL向けでの販売拡大ペースによるが、再発・難治性DLBCL向けの販売が開始される第2四半期以降に黒字化する可能性が高いと弊社では見ている。 そのほか2021年12月期における事業計画としては、第2四半期までにRI製剤の承認申請を行うほか、下半期には「BCV」の国際共同第2相臨床試験での被験者登録開始並びに国内でのPOC取得に向けた臨床試験開始、Symbio Pharma USAの稼働開始(1~2名の人材採用を計画)、「リゴセルチブ」の開発計画策定などを予定している。 2022年以降も「トレアキシン(R)」の売上拡大により営業利益は年率20%超の成長を見込む 2. 中期経営計画 同社が2021年2月に発表した3ヶ年の中期経営計画では、最終年度となる2023年12月期に売上高12,369百万円、営業利益2,099百万円、経常利益2,088百万円、当期純利益1,778百万円を業績数値目標として掲げ、2022年以降2ケタ増収増益を継続していく計画となっている。 売上高については再発・難治性DLBCL向けでの販売拡大が続くことに加えて、RI製剤が2022年後半に販売開始されることで、多剤併用療法を使用している医療機関においても「トレアキシン(R)」の利用が進み、売上拡大につながると見ている。薬価ベースで見ると、2020年12月期の81億円から、2023年12月期には153億円に拡大することが見込まれる。また、現在も複数の製薬企業が「トレアキシン(R)」を含めた多剤併用療法での臨床試験を進めている状況にあり、今後も「トレアキシン(R)」を用いた既存適応症や新適応症での治療法が増えることで、2024年以降も売上拡大が続く可能性は十分ある。国内では、RTD/RI製剤の特許有効期限となる2031年までは事実上の独占販売状態が続くと見られ、「トレアキシン(R)」が収益をけん引していくことになる。 売上総利益率については、2021年12月期の76.0%から2022年12月期は79%、2023年12月期は80%を見込んでいる。FD製剤からRTD/RI製剤への切り替えが進むことにより利益率の上昇を見込んでいる。2022年末におけるRTD/RI製剤の販売比率は95%程度を想定している。FD剤を今後も使い続ける医療機関が一部残ることを前提としているが、機能面の優位性を考えれば100%近い医療機関がRTD/RI製剤に切り替えるものと予想される。 販管費については2021年12月期の5,596百万円から2022年12月期は6,940百万円、2023年12月期は7,796百万円と増加傾向が続く見通しとなっている。このうち、研究開発費は2021年12月期の2,019百万円から2022年12月期は約31億円(うち、マイルストーン約5億円)、2023年12月期は約38億円(うち、マイルストーン約5億円)を計画している。マイルストーンを除いたベースで増加傾向が続くが、これは「BCV」の開発費用増加が主因だ。一方、その他販管費については2021年12月期の3,577百万円から2022年12月期は約37億円、2023年12月期は約39億円と若干増を計画している。「トレアキシン(R)」の営業費用については物流費の増加程度となり、人員体制については現状を維持する予定となっている。一方で、「BCV」のグローバル展開に向けた人件費の増加を見込んでいる。なお、同社はRTD/RI製剤の特許が切れる2032年以降も成長を継続していくための重要課題として、「BCV」に続く新規開発候補品の探索を進めているが、導入に関する一時金費用については今回の業績計画には織り込んでいない。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《ST》
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がん・血液領域やウイルス感染症領域の希少疾患薬を開発。他社から開発候補品を導入して製品化を狙う。24.12期は薬価改定の影響と抗がん剤の後発薬浸透を想定。アデノウイルス感染症向け注射剤候補は開発本格化へ。 記:2024/03/12