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フォーバル Research Memo(3):フォーバルビジネスグループでは「アイコンサービス」が成長の基盤

2021/4/6 15:13 FISCO
*15:13JST フォーバル Research Memo(3):フォーバルビジネスグループでは「アイコンサービス」が成長の基盤 ■フォーバル<8275>の事業概要 1. フォーバルビジネスグループ フォーバルビジネスグループでは、中小企業向けに、IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングのほか、総合コンサルティング、海外進出支援、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティングサービス、OA・ネットワーク機器の販売、サービスの取次ぎなどを手掛ける。主力事業は、コンサルティングサービスであるアイコンサービスのほか、創業以来手掛けているビジネスフォンの販売を始めとする情報通信機器やOA機器の販売だ。情報機器や通信サービスでの接点からアイコンサービス・よろず経営相談へ導き、さらに次世代経営コンサルティングでより深い解決策を提案するという一連の流れで、中小企業の多様なニーズに対応する体制が整備されている。同社のコンサルティングの特色は5分野(情報通信、海外、環境、人材・教育、起業・事業承継)と3手法(売上拡大、業務効率改善、リスク回避)に整理される。2021年3月期第3四半期の業績は、売上高で16,061百万円(前年同期比1.3%減)、セグメント利益で913百万円(同29.4%減)とコロナの影響で減収減益となった。ストック型ビジネスであるアイコンサービスは順調だったものの、コロナの影響でサーバーや事務機器などの関連商材の投資が冷え込んだことが要因と考えられる。 2. アイコンサービス:中小企業支援サブスクリプション型コンサルティングサービス 同社の最も注目すべき事業は、2008年に導入されたアイコンサービスだろう。アイコンのアイは、information(情報)、imagination(想像力)、idea(アイデア)、identity(独自性)、intelligence(知力)、innovation(革新)を起源とするコンサルティングサービスである。定期訪問と遠隔サポート・状態監視を組み合わせた効率的な支援が特徴である。 アイコンサービスの基本構成は、経営のよろず相談サービス、定期訪問や通信技術を使った遠隔サポート、パソコン・ネットワーク状態監視サービス、各種アプリケーションの問い合わせサービス、顧客専用サイトとなっている。メニューとして、経営コンサルティング系、個人情報管理系、パソコン・ネットワーク系、スマートフォン・パッド系、ホームページ系、電話系、コピー系の幅広いサービスを提供する。現在のアイコンサービスの平均客単価は、月額10,000円程度であり、他のサービスへの入り口と位置付けているため、設定金額は低めである。同サービスは、自社の“企業ドクター”が行うのが基本であったが、OEM展開(パートナーの販売会社によるサービス)が大きく伸びている。アイコンサービスの全顧客数35,440件(2020年9月末時点)のうちOEM経由の顧客が17,822社(同)であり、構成比で50.3%に達する。コロナ禍において中小企業の働き方改革が待ったなしとなる中、同社の一連のソリューション(コンサルティング、システム、空間作りなど)が中小企業の生産性向上に寄与している。アイコンサービスはそれ自体が粗利率の高いサービスであるが、端末(パソコン、タブレット、携帯電話、プリンター、コピー機など)やネットワークの状態監視から得られたビッグデータから様々な改善提案を行うことにより関連商材が拡販できるという副次的効果が大きい。最近、アイコンサービスの一環としてリリースされたサービスには、スマートフォンなどから簡便かつ安価に勤怠管理を行えるクラウド型勤怠管理システム「IEYASU」や業務フローの見直し・マニュアル化を行い、ペーパレス化・標準化で業務の効率性を高めるコンサルティングサービス「PPLS(ププルス)」などがある。 3. フォーバルテレコムビジネスグループ フォーバルテレコム<9445>を中心にVoIP(高速ブロードバンド回線を利用した電話やインターネット接続サービス)・FMC(サービス名「どこでもホン」)などのオリジナルな通信サービス、インターネット関連サービス、普通印刷及び保険サービスなどを提供する。また、一括請求する「ワンビリングサービス」を通じて企業のコスト削減や事業効率向上を支援している。直近では、光回線サービスやISPの拡大ペースが落ち着き、新電力サービスや保険サービスが伸びている。2021年3月期第3四半期の業績は、売上高で15,645百万円(前年同期比1.8%増)、セグメント利益で771百万円(同4.2%減)と堅調である。 4. 総合環境コンサルティングビジネスグループ アップルツリー(2013年12月に子会社化)がスマートグリッド設備機器の商社事業(太陽光システム、オール電化、蓄電池、HEMS)と太陽光発電システム(住宅用、産業用)の設計、施工、販売事業を主に行ってきた。太陽光発電システムに関しては、再生可能エネルギー特別措置法改正(FIT法改正、2017年4月)の影響を受け、販売は停滞期に入った。それを補うべくLED照明や蓄電池の拡販を積極化し、現在では事業構造の転換が成功している。LED事業については、国内生産で高品質なLEDを提供する工場を持つ。LEDは部屋を明るくするだけでなく、節電効果で経費削減にもつながるうえに10年保証も付くことから、導入のメリットは大きく、今後の拡大が期待される。近年は増収増益が続いてきたが、2021年3月期第3四半期はコロナの影響で訪問営業が制限され、減収減益を余儀なくされている。 5. その他の事業グループ(人材・教育分野) 人材・教育分野の強化のため、通信教育事業、書籍の出版・販売事業を手掛けるアイテック(2013年10月に子会社化)と、IT分野のエンジニア及び管理者の育成、東南アジアにおける現地幹部候補・留学生の人材紹介・派遣などの事業を行う(株)クリエーティブソリューションズが合併し、新会社としてアイテックが2018年4月に発足した。旧アイテックは情報処理技術者や個人情報保護士の養成を得意とし、eラーニングでのサービス提供ができる強みがあり、クリエーティブソリューションズは大手通信会社などを顧客に持ち、安定した需要が特長である。2020年6月には、システム企画・設計を得意とするカエルネットワークス(株)がフォーバルの完全子会社となった。コロナ禍においては集合研修サービスが打撃を受けているが、IT人材の派遣やシステム企画・開発は成長を続けている。 6. 海外事業 現在は、インドネシア、カンボジア、ベトナム、ミャンマーに拠点を置き、グローバルアイコンサービス、レンタル工場などを運営している。グローバルアイコンサービスでは、進出前の情報提供、海外進出FS支援、現地法人設立支援から、進出後の人材支援、バックオフィス業務支援、OA・ネットワーク・ITサポートまで全方位のサポートサービスを提供している。4ヶ国に海外従業員169名が従事している(2020年9月末現在)。 同社は、全国で数多くの金融機関及び税理士法人等とアライアンスを組み、海外進出のポテンシャルのある顧客企業を開拓している。自治体・官公庁、JICAとの連携にも力を入れており、2019年3月期にはビジネスマッチングや調査など20以上のプロジェクトを行っている。海外での人材採用・教育については、同社創設者であり現会長の大久保氏が理事長を務めている非営利で民間の教育支援団体である公益財団法人CIESF(シーセフ)との連携により、日系企業の社員研修の受託では延べ10,000名以上の教育実績がある。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) 《ST》
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中小企業向けにIP電話サービスを低価格で提供。ネット接続や電力小売なども。フォーバルの連結子会社。24.3期3Q累計は個人向けサービスが冴えず。だが電力小売の採算良化で利益復調。通期でも利益回復の見込み。 記:2024/03/06