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アクセル Research Memo(5):遊技機器向けG-LSIは新製品「AG6」と、メモリモジュール拡大で大幅増収に

2020/8/6 16:05 FISCO
*16:05JST アクセル Research Memo(5):遊技機器向けG-LSIは新製品「AG6」と、メモリモジュール拡大で大幅増収に ■アクセル<6730>の業績動向 2. 事業セグメント別の動向 (1) LSI開発販売関連事業 LSI開発販売関連事業の売上高は9,068百万円、セグメント利益は1,615百万円となった。前期の単独業績における該当製品(遊技機器向け及び組込み機器用LSI)の売上高との比較で見れば、売上高は84.3%増となった。収益柱となる遊技機器向けG-LSIの販売数量が前期の29万個から39万個と7期ぶりに回復に転じたこと、並びにメモリモジュールの販売数量が前期の24万個から80万個に急拡大したことが増収要因となった。メモリモジュールに関しては新製品の新規採用が増加し、また、採用機種の販売が好調だったことが増収要因となった。 弊社推計による遊技機器向けG-LSIの売上高は前期比21%増となり、その他(遊技機器向けLSI及び組込み機器用G-LSI)の売上高は同138%増となった。遊技機器向けG-LSIのうち、2020年3月期より本格販売を開始した新製品「AG6」の販売数量は約15%を占めた。「AG6」は「AG5」と比べてデータ圧縮率や描画性能、搭載メモリ量等で上回り、遊技機器メーカーにとってはディスプレイ上での多彩かつ高精細な映像表現が可能となり、魅力的な新機種の開発に寄与するものと期待されている。「AG5」と比較して「AG6」の単価は1割程度高くなるため、販売数量の伸びよりも増収率はさらに高くなるはずだが、製品形態としてモジュール基板売りの比率が前期の30%から15%に低下したことが平均単価の押し下げ要因となっている。同社の戦略として遊技機器1台当たりの売上高を拡大する戦略を推進しており、メモリモジュールやLEDドライバの販売に加えて、G-LSIについても周辺回路を含めたモジュール基板にして販売すべくここ数年注力してきた。「AG6」についてはまだ単品売りだったため、基板売りの比率が低下したものと見られる。 遊技機器の市場動向については、遊技人口の減少とともに遊技ホールが年々減少する傾向となっている。こうしたなかで、2018年2月に改正された「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則」によって、新たに開発する機種の射幸性が抑えられたこと※、また、遊技ホールでは旧規則機の撤廃期限が2021年1月末までと定められたことで、稼働率の高い旧規則機から新規則機への入れ替え需要が活発化せず、結果、同社推計による遊技機器の出荷台数は175万台と低迷が続いた。遊技機器の出荷台数の減少傾向が続くなかで、同社のG-LSIの販売が伸びたのは、「AG6」の採用が増加したことによる、リユース率の低下が主因と弊社では見ている。リユース品を含めた市場シェアは約50%で変化はなかったと見られる。 ※2018年2月以降に型式申請する機種については、最大出玉数の引下げ、出玉率上限の引下げとともに新たに下限値を設定するなど射幸性を抑えた基準に改正された。 (2) 新規事業関連 新規事業関連の売上高は196百万円、セグメント損失は641百万円となった。売上高のうち、同社で展開していたミドルウェア製品の開発等、新規事業に該当する売上高は1億円程度だったと見られ、残り半分がM&Aで取得したモーションポートレートやbitcraftの売上貢献によるもので、それぞれ同水準の売上貢献だったと見られる。利益面ではbitcraftが黒字だったものの、モーションポートレートは若干の損失計上となったようだ。 既存事業に関しては、ゲーミング市場向けのミドルウェアソフト「AXIP」シリーズが着実に伸びてはいるものの、当初の想定と比べると成長のスピードは緩やかになっているものと思われる。ブラウザゲームのソフト開発では採用が進んでいるが、ネイティブアプリの開発向けでは競合のCRI・ミドルウェア<3698>の牙城を崩せていないためだ。開発現場では、性能に多少の差があったとしても使い慣れたソフトを継続して使いたいというニーズによるものと思われる。 セグメント損失が大きくなっているのは、AI関連などまだ開発途上の事業が多いためだ。単独の営業利益が446百万円で、連結営業利益が393百万円であることから、連結子会社のaxやモーションコーポレートの損失額は大きくはなく、同社におけるAI関連など新規事業のコスト負担が大きくなっているものと思われる。例えば、NEDOの公募事業における自動運転用AIチップの開発費用などが含まれる。現在、数名でチームを組み、ティアフォー等と共同開発を進めている。なお、NEDOの公募事業に関しては営業外収益に助成金収入を計上しているが、セグメント損益は営業損益ベースとなっているため、セグメント損益上はマイナス要因となる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《ST》
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