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安田倉庫 Research Memo(1):強みのメディカルとIT機器キッティングが中期経営計画をけん引

2020/5/18 15:01 FISCO
*15:01JST 安田倉庫 Research Memo(1):強みのメディカルとIT機器キッティングが中期経営計画をけん引 ■要約 1. 2019年12月に創立100周年を迎えた総合物流企業 安田倉庫<9324>は、2019年12月に創立100周年を迎えた、旧安田財閥系の総合物流企業である。国内外で保管、流通加工、輸配送などの総合物流サービスを展開、オフィスビルの賃貸サービスなど不動産事業も行っている。物流拠点や所有不動産が東京や横浜を中心に好立地にあることが強みで、首都圏を中心に北海道や関西、九州、北陸、そして中国・ASEANまでのネットワークを有する。また、メディカルやIT機器キッティングなど顧客や商品特性に合わせカスタマイズしたソリューションサービスについても非常に特徴的で、強みとなっている。物流事業と不動産事業の2020年3月期における事業別営業収益構成比は、物流事業84.0%、不動産事業16.0%。物流事業は成長事業、不動産事業は安定収益事業という位置付けになっている。 2. 2022年3月期に営業利益40億円の達成を目指す 同社は次の100年へ向けて、コーポレートスローガン「Logistics, Progress, Borderless.」を制定、新たな技術や事業領域に対して果敢な挑戦を開始した。そのための事業体制の構築と更なる飛躍を目指す「長期ビジョン2030」を策定した。また、長期ビジョンを実現するための中間目標として、中期経営計画「YASDA Next 100」を策定し、3年後の最終年度2022年3月期には営業収益550億円、営業利益40億円の達成を目指している。物流事業においては国内外における物流施設の拡充など事業基盤を強化、不動産事業では既存施設の稼働率の維持・向上による収益基盤の強化を目指している。また、グループ基盤においてはグローバルな競争に打ち勝つことのできるグループ・インフラを確立する方針である。 3. メディカルとIT機器キッティングが中期成長をけん引 中期経営計画は順調に進捗している。メディカル物流サービスでは、2020年に東京都江東区の東雲及び辰巳で相次いで新物流施設を稼働させる予定である。好立地に加えメディカルに定評ある同社の物件だけに、既に強い引き合いがあるようだ。ITキッティングサービスでは、コンビニエンスストアATM事業、PCライフサイクル事業、展示会や学会など向けのレンタル事業といった従来の3本柱に加え、宅配ロッカーや決済端末、鉄道車両向け監視カメラのキッティング業務が稼働を開始した。近い将来、IT機器が様々なモノとつながるIoTの世界が拡がることが予測されているが、それに伴い同社の業務範囲もますます拡大していくことになるだろう。また、同社は2019年11月に北陸地盤の大西運輸(株)を、2020年1月にはオオニシ機工(株)を完全子会社化した。医薬品メーカーの多い北陸を拠点化できたことで、サービス拡大や配送の効率化といったシナジー効果が期待される。 4. 2020年3月期業績は物流事業・不動産事業とも増収、2021年3月期は新型コロナウイルス感染拡大の影響について 2020年3月期第3四半期の業績は、営業収益34,717百万円(前年同期比0.0%減)、営業利益2,649百万円(同3.3%増)となった。物流事業は米中貿易摩擦などの影響により国際貨物の取扱量が減少したものの、倉庫施設の拡張及び新設による保管料の増加、施設の稼働率向上、業務の合理化などにより、不動産事業は好立地を背景とした高稼働率の維持や大規模な施工工事の受託などにより、ともに増益を確保した。これは、中期経営計画達成へ向けて順調なスタートとなったと言える。 2020年3月期の業績は、物流事業・不動産事業とも増収となり、営業収益46,649百万円(前期比1.1%増)、営業利益3,470百万円(同2.4%減)となった。物流事業では、海上及び航空輸送における大型案件の減少などにより国際貨物取扱量が減少したものの、新規取引の開始や既存顧客の取引拡大などによる保有施設の稼働率向上及び倉庫・輸配送ネットワークの拡充により、保管料・陸運料などで増収となった。不動産事業では、既存施設にて高い稼働率を維持したことに加え、大規模な施工工事等の受託もあり、増収となった。 なお、2021年3月期の業績見通しについて同社は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、倉庫物流業界では国内貨物・輸出入貨物で荷動きの更なる鈍化が懸念され、また、不動産業界では賃料水準の下落傾向も予想され、より一層厳しい状況で推移するものと予測している。このため、新規施設の稼働や倉庫・輸配送ネットワークの拡充など事業基盤の強化により、営業収益は50,000百万円(前期比7.2%増)を見込む一方、物流施設の拡充に伴う営業費用の増加などにより、営業利益は2,500百万円(同28.0%減)を見込んでいる。 ■Key Points ・好立地に加え、メディカル・IT機器キッティングなどのソリューションサービスに強み ・2022年3月期に営業利益40億円を目指す中期経営計画は順調なスタート ・2020年3月期は物流事業・不動産事業とも増収 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《YM》
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1919年創立の総合物流企業。首都圏地盤。倉庫業、運送事業・利用運送事業、通関業・港湾運送事業等を展開。好立地にある物流拠点、所有不動産が強み。物流事業では倉庫・輸配送ネットワークの拡充などを図る。 記:2024/10/07