オプティム Research Memo(8):「OPTiM AI Camera」が好調。「OPTiM KOBE」を開設
2020/1/14 15:08
FISCO
*15:08JST オプティム Research Memo(8):「OPTiM AI Camera」が好調。「OPTiM KOBE」を開設
■オプティム<3694>の成長戦略・トピックス
1. 戦略商品「OPTiM AI Camera」が出足好調。「Mobile」など派生サービス群も増える
2019年3月期にリリースされた戦略商品「OPTiM AI Camera」及び派生サービスが好調だ。「AI・IoTを活用したいが、導入に当たってのデータ蓄積や機器一式の購入が大変」という声に応えて、既に学習を終えたAIを手軽に導入できるサブスクリプション型サービスだ。「OPTiM AI Camera」が現在対象とするのは11業種。小売、鉄道・交通機関、医療機関、飲食、空港、製造、オフィスビル、公共施設、銀行、学校、集合住宅・マンションと多様だ。「OPTiM AI Camera」は300種類を超える学習済モデル適用メニューを備えており、セキュリティ、マーケティング、業務効率などを効率的に行うことができるパッケージサービスである。従来の類似サービスでは、解析に当たって学習期間が必要となることから、顧客にとって時間とコストがかかる点が課題だった。2019年10月には、国内外のビデオ管理システム大手複数社と連携をし、拡販に向けた体制を進めている。具体的には、Genetec Security Center(世界No.1シェア)、Safie(国内クラウド録画サービスNo.1シェア)、ArgosView(国内ビデオ管理システム市場No.1シェア)と連携して活用できる。「AI使い放題パック」で、1カメラ当たり月額15,000円とリーズナブルな価格も特長である。
2019年10月には、より手軽に導入できる「OPTiM AI Camera Mobile」及び「OPTiM AI Camera Lite」「OPTiM AI Creator」が新規サービスとして発表された。なかでも注目されるのは、「OPTiM AI Camera Mobile」だ。スマートフォンやタブレット端末に専用アプリをインストールして設置するだけで、設置場所の映像を解析できる。端末のカメラで撮影して解析を行うため、監視カメラや解析用端末などの外部機器を一切必要としない点が画期的だ。小売店や飲食店などの顧客属性分析(年代・性別)、人数分析などが行え、1機能当たり月額1,980円という価格も魅力となる。「ネットを空気に変える」「世界一、AIを実用化させる企業になる」というビジョンを持つ同社だが、まさにAI・IoTを身近なものにしている。
2. 「OPTiM KOBE(神戸市)」を新たに開設
2019年11月、同社は兵庫県神戸市に新たな拠点「OPTiM KOBE」を開設した※。「OPTiM KOBE」は、オフィス機能だけでなく、同社が取り組むAI・IoT・Roboticsを活用した取り組みが実体験できるショールームが併設されており、サービスや取り組みについてより理解を深めることができる。「OPTiM KOBE」では、関西エリアでの活動拠点として「医療×IT」「ロボット×IT」「農業×IT」などを推進したい考えだ。
※「OPTiM KOBE」の所在地:兵庫県神戸市中央区小野柄通七丁目1-1 日本生命三宮駅前ビル11階
特に、医療ITソリューションの開発に関して業務提携しているシスメックスとの取り組みを推進する役割は大きい。2019年11月には、シスメックスと川崎重工業の合弁会社であるメディカロイドと次世代医療用ロボットのAI化に向けた業務提携を締結し、高度なAI・IoT技術を応用した次世代手術支援ロボットシステムの開発を共同で行う。
3. 農業×ITの進捗
同社のスマート農業への取り組みは日々進化している。2019年10月には、「スマート農業プロフェッショナルサービス」を開始した。この取り組みは、生産法人や大規模企業の課題に対し、スマート農業向けハードウェア、ソフトウェア、サービスと同社の農業領域のノウハウを生かしたコンサルティングサービスを合わせて、ワンストップで課題解決を目指すサービスである。他社のハードウェアやソフトウェアもベンダーフリーで提供するという点は、同社ならではのスタンスである。既に全国の3分の1の都道府県から参加があり、スマート農業への関心の高さがうかがえる。2019年11月には、ベトナムの国営企業とスマート農業で提携を行った。具体的には、ベトナム最大の通信キャリアの国営ベトナム郵政通信グループであるVNPT(Vietnam Posts and Telecommunications Group)と、ベトナムにおけるAIサービス及びスマート農業分野において業務提携をした。同社のスマート農業の技術は世界でも先進的であり、本プロジェクトは世界展開の足掛かりになる可能性を秘める。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
《YM》