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オプティム Research Memo(1):2020年3月期は「OPTiM AI Camera」等新規事業が好調(1)

2020/1/14 15:01 FISCO
*15:01JST オプティム Research Memo(1):2020年3月期は「OPTiM AI Camera」等新規事業が好調(1) ■要約 オプティム<3694>は、現代表取締役社長の菅谷俊二(すがやしゅんじ)氏らが2000年に佐賀県で起業したAI・IoT技術を得意とするベンチャー企業である。“ネットを空気に変える”がミッションであり、「OPTiM Cloud IoT OS」のデファクトスタンダード化を通じて、第4次産業革命の中心的役割を果たす企業を目指している。従業員数は229名(2019年4月)で、その約8割がエンジニアである。当初から世の中にないサービスを作り出すことを念頭に技術開発を行っており、関連の特許を数多く所有している。大手企業のパートナーは数多く、同社の技術力やポテンシャルは内外からも高く評価されている。2014年に東証マザーズ上場、2015年には東証1部に昇格した。 マルチデバイス対応の管理プラットフォーム「Optimal Biz」は、端末管理市場でのトップシェアを誇る。デバイス管理プラットフォームを進化させ、AI・IoTの新プラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」が完成した。2015年からはITを使って業界に変革を起こす「〇〇×IT(〇〇に業種が入る)」の取り組みが本格化した。最も成果が顕在化しているのは建設業界である。2017年にはコマツ<6301>を含む4社で建設生産プロセスの新プラットフォーム「LANDLOG」がスタートし、パートナー企業及び顧客が増え続けている。農林水産業では、2016年に農業分野でドローンを活用した害虫駆除の実証実験に成功した。2018年には同社が主導する“スマート農業アライアンス”が全国規模で行われ、米や大豆を始めとする作物が本格的に収穫された。学習済みのパッケージサービス「OPTiM AI Camera」は、手軽にAI・IoTを活用できる月額課金プロダクトであり、顧客の導入ハードルを下げることに成功したことにより、普及が進んでいる。 1. 事業内容 同社の事業は、「Optimal Biz」を主体とする既存事業と、「OPTiM Cloud IoT OS」を活用した事業や商品である新規事業に分けられる。それらの事業を行う中で、「知財戦略」「MDM分野国内市場シェアNo.1」「業界プラットフォーマーのためのOS」「ベンダーフリー」「ストック型ビジネスモデル」という5つの強みがあり、これらが同社を差別化し際立った存在にしている。5つの強みは相互に関連しながら顧客満足度を高め、企業価値やブランド価値を高め、大手パートナーとの連携を可能にし、高成長の原動力になっている。 同社の主力サービスである「Optimal Biz」は、企業向けのスマートフォン・タブレット・パソコン・IT機器などのセキュリティ対策や一括設定の分野で必要不可欠なサービスである。2018年度の国内MDM(Mobile Device Management)市場は、80億円から100億円と推定され、同社の「Optimal Biz」は出荷金額30%~40%のシェアで、No.1となっている。これまで同社は、市場の成長率を超える成長率を達成しており、デファクトスタンダードを獲得している。同事業はストック型ビジネスモデルであり、この安定収益が同社の開発投資を支えている。 同社の技術の集大成である「OPTiM Cloud IoT OS」は、ベンダーフリーが特長である。このOSは、日々進化するAIなどのソフトウェア、様々なIoTデバイスなどのハードウェアを選ばない。その結果として、顧客にとっては最適なシステムが、リーズナブルに入手できることになる。同社は、「OPTiM Cloud IoT OS」の中核機能を実現する技術の基本特許を保有している。そのひとつが、あらかじめ定めた条件に基づき、最適なAI(人工知能)やクラウドサービス(API)を自動選択する技術であり、同OSの決定的な差別化を可能にしている(特許第6404529号)。 「OPTiM Cloud IoT OS」発表から3年以上が経過し、様々な分野のパートナー企業との連携により、「OPTiM Cloud IoT OS」を活用したサービスが続々と誕生している。総称して「〇〇×IT」と呼ぶこの取り組みは、実証実験から始まり、特定の顧客企業向けの正式な事業やサービスとして一部提供開始されている段階だ。先行する業界は、「建設×IT」「農業×IT」「医療×IT」であり、既に事業として立ち上がっている。各業界で次世代のプラットフォーマー戦略を志向する企業・団体に対して、同社は「成功のカギとなるツール」を提供し、実現を請け負う役割を果たしていると言えるだろう。 2. 業績動向 2020年3月期第2四半期累計業績は、売上高が前年同期比25.2%増の2,935百万円、営業利益が18百万円(前年同期は437百万円の損失)、経常利益が11百万円(同427百万円の損失)、親会社に帰属する四半期純損失が32百万円(同311百万円の損失)と大幅な増収とともに営業黒字で折り返した。売上高は、連続となる上期過去最高売上を達成。売上の中心である「Optimal Biz」は、堅調にライセンス数を伸ばしており、各調査機関のレポートでも引き続き市場シェアNo.1を維持する。新規分野の「OPTiM Cloud IoT OS」関連では、農業、建設、医療など各業界で業界を代表する企業や団体との協力体制の構築が進み、製品発売やビジネスモデル構築などの成果が相次いでいる。これに伴い、「OPTiM Cloud IoT OS」を利用するためのカスタマイズ、環境構築等が発生し、同社のスポット的な売上につながっている。特筆すべきは、2019年3月期にリリースされたパッケージサービス「OPTiM AI Camera」である。同サービスは、AI画像解析技術で各業界特有の課題を解決し、手軽にAI、IoTを活用できるため、順調にライセンス数を伸ばす事が期待されている。各利益に関して、2020年3月期第2四半期から黒字転換した一方で、戦略的な研究開発投資を継続した。2020年3月期は「投資を継続しつつ拡販に向けた体制を確立する」と位置付けているが、公約どおり投資を行い、第2四半期累計では、ミニマムの利益計上となった。 3. 今後の見通し 2020年3月期通期の業績予想は、売上高で前期比20.0%増の6,563百万円と大幅増収を予想する。各利益に関しては、2019年3月期同様に予想に幅を設け、営業利益で1~1,313百万円、経常利益で1~1,313百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で0~814百万円を予想する。これらの数値は期初の予想値を据え置いている。売上高に関しては、創業来20期連続の過去最高売上高を目指す。通期予想に対する第2四半期累計売上高の進捗率は44.7%であり、2019年3月期第2四半期累計の42.9%を超えて順調である。同社のビジネスモデルが積み上げ型(サブスクリプション型)のライセンス課金が多いため、上期よりも下期が上回る傾向にあるが、パッケージサービス「OPTiM AI Camera」をはじめとした、新規事業やサービスの導入が進み、その業績分が積み上がることが予想される。2020年3月期は、同社の戦略上では「投資を継続しつつ拡販に向けた体制を確立する」年であり、利益は投資次第となる。通期の経常利益がマイナスにならない範囲内で、思い切った開発投資を行ったケースが予想の下限(経常利益1百万円)。一方で上限(営業利益1,313百万円)は、同社の巡航速度における収益であり、売上高比で20%程度の利益を見積もる。弊社では、2020年3月期も研究開発及び拡販体制確立への投資を行うため、利益水準は下限に近いものと予想する。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) 《YM》
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時価総額 4,008,206百万円
世界2位の総合建設機械メーカー。1921年設立。自動車産業向け大型プレスなど産業機械も。エンジンなどは国内で自社開発。海外売上比率は8割超。配当性向40%以上目安。坑内掘りハードロック事業の拡大図る。 記:2024/10/07