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ダイナムジャパンHD Research Memo(1):業界大再編時代の到来を目前に控え、準備が着実に進捗

2019/6/25 15:31 FISCO
*15:31JST ダイナムジャパンHD Research Memo(1):業界大再編時代の到来を目前に控え、準備が着実に進捗 ■要約 ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>は、店舗数で第1位の日本最大級のパチンコホール運営企業。チェーンストア理論に基づいて練り上げられてきたローコストオペレーションに強みと特長がある。また、顧客第一主義や情報開示、コンプライアンス経営の徹底など、質の高い経営を実践し、業界初の株式上場を果たしたパイオニア企業でもある。 1. 営業収入は減収ながら、機械費を始めとする経費削減で増益で着地 同社の2019年3月期決算は、営業収入146,371百万円(前期比3.8%減)、営業利益19,342百万円(同11.5%増)と減収ながら増益で着地した。厳しい事業環境が続くなか、同社は客数の確保を最優先として臨んだ。各店舗の立地や客層に合わせた地道な集客努力に加え、顧客への還元率が上昇した結果、客数は前期並みの水準を確保した。しかし、還元率上昇の裏返しで営業収入は減収となった。一方利益面では、機械費を中心に費用全般にわたって削減に努め、費用合計では前期比5.7%の削減を果たして営業増益へとつなげた。 2. 2020年3月期、2021年3月期の2期間は、目前の業界大再編時代に向けた“準備期間”という位置付けで臨む パチンコ業界では2018年2月にパチンコ機の出玉率についての新規則が施行された。これは現行のパチンコ機を新規則適合機種に総入れ替えすることを要求するもので、同社を始めとするパチンコホール事業者全体にとって、経営の継続・撤退の判断を迫られることになる。2021年1月末までは移行期間であるため、同社は2020年3月期と2021年3月期を、新規則対応を進めると同時に、業界大変動に備えを進める“準備期間”という位置付けで臨む方針だ。具体的には、経営体力を強化・維持することが最大の防衛策であり武器ともなるという考え方に立ち、1)客数の増加、2)出店加速への準備、3)コストコントロールの強化、の3つに注力し、業界環境や規制などの外部要因にかかわらずに持続的成長が可能となる企業体質づくりを目指す方針だ。 3. 航空機リース事業は2020年3月期から本格的にスタート。カジノ向け新遊技機も認可を獲得 新規事業への取り組みは着実に進行している。同社は1年前に航空機リース事業への参入計画を発表した。その後の進展としては、2018年12月にアイルランドに航空機リース事業を行う子会社を設立し、2020年3月期からの事業開始を目指して着々と準備が進んでいる。また、同社はカジノ向け遊技機の開発を進めており、今般、ビデオスロット機に関してマカオ政府機関へ認可申請中である。※1認可取得後はビデオスロット機をカジノオペレーター各社へ販売する予定であり、今後の展開が注目される。 ※1 同社とWEIKEは2019年5月3日付で最終的にマカオ政府機関から認可を取得した。 ■Key Points ・「店舗数の増大」と「既存店客数の拡大」の2つの軸で成長を目指す構図は不変 ・航空機リース事業とカジノ向け新型スロット機事業の2つの新規ビジネスが本格的に始動 ・遊技機の入れ替えにより2年間で200億円の負担増と試算。その後は利益水準を回復し、成長戦略が加速すると期待 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之) 《MH》