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中国周辺国の選挙リスク【フィスコ・コラム】
2023/12/17 9:00
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*09:00JST 中国周辺国の選挙リスク【フィスコ・コラム】 2024年前半は台湾や韓国、インドで重要な選挙が集中し、中国が神経を尖らせる場面が増えそうです。特に1月の台湾総統選は有事につながりかねず、世界的な注目を集める見通し。人民元は回復期待が高まる半面、外交・防衛が下押し要因となるかもしれません。 1月13日投開票の台湾総統選に向け、蔡英文総統率いる親米の民進党から頼清徳副総統、親中路線の国民党から候友宣新北市長、融和的な民衆党から柯文哲前台北市長がそれぞれ出馬。直近の世論調査では、頼氏を他の2氏が追う展開です。同時に行われる議会選もおおむねそれを反映した議席配分が見込まれます。国民党と民衆党は相容れない政策方針で野党共闘に失敗し、民進党優勢とみられます。 民進党政権は2016年の発足から2期8年が経過し、来年1月の選挙で勝利すれば3期目に突入するため、習政権は阻止したいところ。「1つの中国」を堅持する国民党の候氏が好ましい総統候補で、台湾の独立について攻撃を匂わせ民進党をけん制しています。先の米中首脳会談ではバイデン米大統領が習氏に対し、台湾の選挙への介入をやめるよう求めたものの、効果は期待できそうにありません。 4月には韓国でも総選挙が予定されています。尹錫悦大統領を支える少数与党「国民の力」と最大野党「共に民主党」の支持率は拮抗。尹氏は昨年3月に就任後、対米関係の強化に余念がなく、中韓関係は疎遠になったとみられます。日本を含め3カ国の首脳外交は2019年を最後に開催されておらず、反中の「共に民主党」が第1党を維持すれば、中国は東アジアで親米政権の国家に囲まれることになります。 さらに4月から5月にかけてのインド総選挙で、モディ首相率いるインド人民党(BJP)は圧勝が見込まれています。想定通りならモディ氏は3期目に入り、長期政権の習氏に肩を並べる存在になります。両国はBRICSでの中核国として利害は一致するものの、2020年には国境係争地付近で両国軍が衝突した経緯があります。それをきっかけに両国関係は冷え込み、こちらも首脳外交は微妙です。 習政権は2027年までの台湾侵攻を準備中とされますが、台湾の蔡総統は中国の指導部が自国経済の再建を優先するとの見方を示しています。実際、格付け会社ムーディーズは中国の成長率低下や不動産部門の低迷を問題視して格付け見通しを引き下げました。ただ、1兆元(約20兆円)規模の国債発行で、中国経済は目先緩やかに持ち直す見通し。ただ、地政学リスクが重石となる可能性もあります。 (吉池 威) ※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。 《TY》
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