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来週の相場で注目すべき3つのポイント:日銀金融政策決定会合、CPI、米GDP確定値
2023/12/16 18:11
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*18:11JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:日銀金融政策決定会合、CPI、米GDP確定値 ■株式相場見通し 予想レンジ:上限33500円-下限32400円 来週は、為替市場をにらんでの相場展開となりそうだ。今週末の米国市場は、NYダウ、ナスダック総合指数が上昇した一方、S&P500は反落とまちまちとなったほか、大証ナイトセッションは、大阪比260円安の32630円で取引を終えた。週初の東京市場は反落スタートとなりそうだが、その後は、18-19日の日銀金融政策決定会合に関心が向かい、様子見ムードが強まろう。7日の国会答弁において、植田総裁は「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」と発言。植田日銀総裁は、単なる一般的な見解に過ぎず、「チャレンジング」に深い意味合いはなく使用したと推測されているが、前日の氷見野副総裁の発言で、市場が12月の日銀会合に対する「金融政策の正常化」への期待感を高めた矢先だったことから、為替市場では、円が主要通貨に対して全面高の展開となった。 11日には、賃金の堅調な伸びがデータで確認されるまで、金融政策の正常化は見送られる可能性が高いとの報道を受けて、今回の会合での「金融政策の正常化」期待はいったん収束した。とはいえ、「チャレンジング」という表現は、日銀による意図的な「地ならし」という見方をする市場関係者は多い。市場コンセンサスは「現状の金融政策の維持」となっているが、19日の15時30分から実施される植田日銀総裁の記者会見において「金融政策の正常化」を見据えた発言が出る可能性は十分にある。 そうなった場合、円は主要通貨に対して全面高の反応を示すだろう。つまり、7日の為替市場に近い動きが入る可能性は十分想定しておきたい。足元の日本株は、2022年2月頃から続く為替市場の円安効果が非常に大きかったことで、円安効果が今後期待できないとなれば、大型株を中心に弱い動きとなるだろう。実際、米10年債利回りは、4.0%台を割り込んでおり、日米金利差縮小を材料にドル・円は円高に振れやすくなっている。米金利低下は、NYダウやSOX指数の史上最高値更新の原動力となっている一方、ドル・円の円高要因にもなる。まさに日本株にとっては諸刃の剣である。2023年最後のビッグイベントを控えた東京市場は、日銀会合後の為替を起点とした乱高下に警戒となろう。 日銀会合のビッグイベントを通過した後は、例年通りの中小型株を中心とした年末ラリーに期待したい。2024年から新しいNISA(小額投資非課税制度)制度がスタートすることもあり、現行NISA制度で残っている投資枠を使い切るために、配当利回りが高い大型株や優待銘柄などNISAで買われやすい銘柄に駆け込み需要が発生する可能性がある。また、話題性が豊富な生成AI(人工知能)銘柄や、訪日外国人の急回復が確認できていることに伴うインバウンド銘柄、小売関連や海外旅行関連などの円高メリット銘柄、「金融政策の正常化」に伴う銀行株や保険株など金利メリット銘柄など、2024年も引き続き物色の対象となりそうなテーマ株は関心を高めておきたい。年末にかけての上昇を意味する「掉尾の一振」を期待する投資家は多い。今年はNISAの資金が向かいやすい銘柄が、「掉尾の一振」の中心銘柄となろう。 ■為替市場見通し 来週のドル・円は下げ渋りか。米連邦準備制度理事会(FRB)は12月12-13日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決定した。同時に公表した当局者による金利見通しは9月時点よりも低下し、今後の利下げに現実味が増している。パウエルFRB議長はこれまでの利上げ効果によりインフレは鎮静化に向かっていると認め、政策金利はピークとの認識を示した。 一方、日本銀行は12月18-19日開催の金融政策決定会合で現行の緩和政策を維持する公算。植田日銀総裁は先の国会質疑で「年末から来年にかけてチャレンジング」と答弁し、緩和政策の修正に向けた地ならしが市場の一部で期待されているようだ。ただし、市場が注目するマイナス金利の解除については来年1月以降となる可能性が高い。そのため、リスク選好的なドル買い・円売りが一段と縮小する可能性は低いとみられる。また、欧米長期金利の低下傾向で世界的な株高が見込まれ、短期的にリスク選好的な為替取引が拡大するとの見方が出ている。ユーロ、英ポンド、豪ドルなどに対する円売りが増えた場合、ドル・円の取引でもドル買い・円売りがやや強まる可能性は残されている。 ■来週の注目スケジュール 12月18日(月):日銀政策委員会・金融政策決定会合(1日目)、独・IFO企業景況感指数(12月)、など 12月19日(火):日銀政策委員会・金融政策決定会合(2日目)、植田日銀総裁が会見、欧・ユーロ圏CPI(11月)、米・住宅着工件数(11月)、米・アトランタ連銀総裁が講演、など 12月20日(水):貿易収支(11月)、訪日外客数(11月)、米・中古住宅販売件数(11月)、米・消費者信頼感指数(12月)、米・20年債入札、など 12月21日(木):米・GDP確定値(7-9月)、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(12月)、米・景気先行指数(11月)、など 12月22日(金):消費者物価コア指数(CPI)(11月)、日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(10月30・31日分)、米・耐久財受注(11月)、米・個人消費支出(PCE)価格コア指数(11月)、米・ミシガン大学消費者マインド指数(12月)、など 《CN》
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