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新興市場見通し:景気後退懸念と円高進行のなか相対優位は継続

2022/12/3 17:08 FISCO
*17:08JST 新興市場見通し:景気後退懸念と円高進行のなか相対優位は継続   ■大型株崩れるなか新興株は堅調 今週の新興市場は4週ぶり小幅反落。中国でのゼロコロナ政策を巡る混乱や週末にかけての急速な為替の円高進行を背景に東証プライム市場の主力大型株が軒並み売られる中、景気や為替の動向に影響されにくい新興株は底堅く推移した。週前半にはセントルイス連銀・ブラード総裁やニューヨーク連銀・ウィリアムズ総裁などからタカ派発言もあったが、低調な米経済指標を受けて米長期金利が一段と低下するなか、新興株の逆風とはならなかった。なお、週間の騰落率は、日経平均が−1.79%であったのに対して、マザーズ指数は−0.08%、東証グロース市場指数は−0.08%だった。 時価総額上位銘柄では、ビジョナル<4194>が週間で+9.4%、プラスアルファ・コンサルティング<4071>が+6.4%と上昇したほか、外資証券による新規買い推奨が確認されたBuySell Technologies<7685>が+6.6%と買われた。ほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>傘下の三菱UFJ銀行と屋外タワーシェアリングの推進を目的とした業務提携契約を締結して週後半に急伸したJTOWER<4485>が+4.9%となった。一方、上場来高値圏にあったM&A総合研究所<9552>とサンウェルズ<9229>がそれぞれ−9.0%、−6.5%と下落。ほか、ANYCOLOR<5032>−4.8%、フリー<4478>が−4.0%となった。週間騰落率ランキングでは、11月22日に新規上場したばかりの東京農工大学発の創薬型バイオベンチャーのティムス<4891>が+41.6%と急伸し、週末にかけて上場来高値を更新した。 ■FOMC前も底堅さは継続、BBラッシュ 来週の新興市場はもみ合いか。今週末に発表された米11月雇用統計では非農業部門雇用者数と平均賃金の伸びが大きく市場予想を上回り、金融引き締め懸念を強める内容となった。ただ、景気後退懸念が強まる中、週末の米10年債利回りは3.49%と一段と低下し、10月下旬に一時付けた4.3%からの低下基調が鮮明になっている。翌週に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)で示される政策金利見通し(ドット・チャート)を受けてからは反発に転じる可能性も残されているが、雇用統計の大幅な上振れを受けてもむしろ低下しているところを見る限り、目先は金利の低下圧力が根強く残りそうだ。 また、米商品先物取引委員会(CFTC)が公表している投機筋の米10年債のポジションをみると、依然として大幅な売り越し状態が続いており、翌週のFOMC前に債券の買い戻しが入る場合には、さらなる金利低下要因になり得る。少なくとも来週いっぱいは米長期金利の大幅な上昇転換の可能性は低いと考えられ、新興株の支援材料となろう。 低調な米経済指標を受けて景気後退懸念が強まる中、急速に円高・ドル安も進行しており、東証プライム市場を構成する主力大型株、特に景気敏感株の手掛けづらさが強まっている。こうした背景も、景気・為替動向との連動性が低い新興株の相対優位性につながりそうだ。 一方で、マザーズ指数は今週末に800ptを僅かに割り込んでおり、心理的な節目の水準での上昇一服感が見られているほか、今月半ばからの新規株式公開(IPO)ラッシュを前にした換金売り圧力など逆風要素も見られる。しかし、先述した背景に加えてイベント前の幕間繋ぎの物色から、相対的には強含みの展開が予想されよう。 個別では、FOMCを前にした週となるため、イベント前の持ち高調整が起こる可能性を想定し、すでに高値圏にある銘柄よりは過熱感のない銘柄に買い需要が発生しやすいと考える。そこで、弊社スクリーニング機能を用いて、(1)今期予想を含む2期連続で営業増益率が20%以上、かつ、(2)昨年末からの株価下落率が10%以上、の銘柄を抽出してみた。該当銘柄の中でチャート形状も過度に悪くないものとして、タスキ<2987>、HENNGE<4475>、GMOフィナンシャルゲート<4051>、フリークアウトHD<6094>、ポート<7047>、スタメン<4019>を取り上げてみた。 なお、今月半ばからのIPOラッシュの序盤戦にあたる企業が今週からブックビルディング(BB)期間に入っている。来週もBB入りとなる企業が多数あり、注目したい。 《FA》
関連銘柄 16件
2987 東証グロース
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時価総額 19,704百万円
不動産サービス会社。東京23区で新築投資用IoTマンションを開発。不動産投資型クラウドファンディングや中小企業向け不動産融資サービスも手掛け、仕入情報管理のDX支援も展開。リファイニング好調で1Qは増収。 記:2024/02/06
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時価総額 7,054百万円
エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」、コミュニティ運営プラットフォーム「FANTS」の運営等を行う。TUNAGの利用企業数は880社超。TUNAGはエンタープライズ向けの営業強化などを図る。 記:2024/08/29
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11/22 15:30
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時価総額 58,373百万円
マルチ決済端末ソリューションや組込型決済ソリューション、決済センターソリューションなどを手掛ける。決済デバイスから決済センター、入金業務までワンストップで提供。端末レス決済サービスの強化などを図る。 記:2024/07/08
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時価総額 72,658百万円
タレントマネジメントシステム「タレントパレット」の提供等を行うHRソリューション部門が主力。「見える化エンジン」等のマーケティングソリューションも。タレントパレットは顧客単価が上昇傾向、低解約率を維持。 記:2024/08/29
4194 東証プライム
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時価総額 316,462百万円
会員制転職サイト「ビズリーチ」、採用管理や勤怠管理等の「ハーモス」を展開。国内最大級の求荷求車サービス「トラボックス」等も手掛ける。ビズリーチのスカウト可能会員数は258万人超。顧客基盤は順調に拡大。 記:2024/10/25
4475 東証グロース
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クラウドセキュリティサービス「HENNGE One」が主力。標的型攻撃メール訓練サービスやメール配信サービスも。HENNGE Oneは新規獲得順調。契約企業数は2700社超。契約ユーザー数は246万人超。 記:2024/06/25
4478 東証グロース
2,589
11/22 15:30
-92(%)
時価総額 151,741百万円
中小企業向けに統合型クラウド会計ソフト、人事労務ソフトの提供等を行う。クラウド会計ソフトで国内トップシェア。有料課金ユーザー企業数は53万件超。サブスク売上比率が高い。金融サービスの拡大等を図る。 記:2024/10/24
4485 東証グロース
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時価総額 92,474百万円
通信インフラシェアリング事業を展開。屋内インフラシェアリング、屋外タワーシェアリング、ローカル5Gサービス等を手掛ける。国内IBS事業などの拡大図る。米投資会社がTOB実施、成立なら同社株は上場廃止へ。 記:2024/10/11
4891 東証グロース
205
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時価総額 8,267百万円
東京農工大発の創薬ベンチャー。急性期脳梗塞治療薬候補「TMS-007」、急性腎障害等を対象とする「TMS-008」等がパイプライン。JIXING、RTWと資本業務提携。SMTP化合物関連特許が国内で成立。 記:2024/06/11
5032 東証プライム
2,146
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-14(%)
時価総額 133,741百万円
VTuberグループ「にじさんじ」の運営が主力。英語圏におけるVTuberビジネス「NIJISANJI EN」等も手掛ける。29歳以下のユーザーが多い。所属VTuber数は160人超。ID数は順調に増加。 記:2024/10/26
713
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モバイルマーケティングプラットフォーム「Red」等の提供を行う広告事業が主力。投資事業等も。UUUMなどを傘下に収める。広告事業ではプレミアム媒体対象の広告プラットフォーム「Scarlet」が順調。 記:2024/06/28
7047 東証グロース
1,767
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就活情報サイト「キャリアパーク!」、就活生向け企業口コミサイト「就活会議」の運営を行う。ユーザーと電力事業者のマッチングサイト「エネチョイス」等も。人材領域では新卒支援市場におけるシェア拡大に注力。 記:2024/08/06
4,560
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時価総額 66,658百万円
総合リユース買取サービス「バイセル」、総合買取サロン「TIMELESS」等を展開。着物やブランド品、時計等を出張訪問中心に買い取る。グループ店舗数は350店超。販売チャネルの拡大、最適化などに取り組む。 記:2024/10/25
1,825
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+19(%)
時価総額 24,239,641百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29
9229 東証プライム
998
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時価総額 35,150百万円
パーキンソン病専門介護施設「PDハウス」を運営。医療特化型住宅「太陽のプリズム」の運営、福祉用具のレンタル、加圧トレーニング事業等も。石川県金沢市に本社。PDハウスは新規エリアの展開加速などに注力。 記:2024/10/10
9552 東証プライム
2,144
11/22 15:30
+11(%)
時価総額 127,167百万円
独立系M&A仲介企業。完全成功報酬制の料金体系などで優位性。譲渡企業の業種は製造業、建設業、情報通信業が多い。年間問い合わせ件数は5000件超。M&Aアドバイザーの採用は順調。成約件数は順調に増加。 記:2024/06/17