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後場に注目すべき3つのポイント~「円安は買い」「ハイテク買い」の持続性は?

2022/3/22 12:26 FISCO
*12:26JST 後場に注目すべき3つのポイント~「円安は買い」「ハイテク買い」の持続性は? 22日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は大幅に6日続伸、「円安は買い」「ハイテク買い」の持続性は? ・ドル・円は一時120円台、節目付近に売り ・値上がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がファーストリテ<9983> ■日経平均は大幅に6日続伸、「円安は買い」「ハイテク買い」の持続性は? 日経平均は大幅に6日続伸。415.45円高の27242.88円(出来高概算7億6000万株)で前場の取引を終えている。 東京市場は21日、春分の日で休場だった。この間、米株式市場ではNYダウが18日に274ドル高、21日に201ドル安となった。18日は金融派生商品(デリバティブ)の清算が重なる「クアドルプル・ウィッチング」で、これに絡んだ買いが入る場面もあった。ただ、ウクライナ情勢を巡る警戒感がくすぶるうえ、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長がインフレ抑制のため大幅な利上げも辞さない姿勢を示し、金利上昇とともに売りが出た。一方、為替市場では日米の金利差拡大が意識されて円相場が下落。連休明けの日経平均は円安を支援材料に263円高からスタートした。さらに、朝方には2016年以来6年ぶりに1ドル=120円台まで円安が進む場面があり、日経平均もこれにつれて強含み、前場中ごろを過ぎると一時27284.47円(457.04円高)まで上昇した。 個別では、米金利上昇で三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>といった金融株が買われている。連休中にNY原油先物相場が3日続伸したことを受け、INPEX<1605>が9%を超える上昇となっているほか、三菱商事<8058>などの商社株も上昇が目立つ。その他売買代金上位ではソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、トヨタ自<7203>などが堅調で、川崎船<9107>は小じっかり。前期業績の修正や増配を発表したアダストリア<2685>は急伸し、アグレ都市D<3467>が東証1部上昇率トップとなっている。一方、郵船<9101>やレーザーテック<6920>はさえない。中小型株では前週末に急伸したレノバ<9519>が利益確定売り優勢。中古車価格の下落を受けてIDOM<7599>やネクステージ<3186>に売りが広がり、ギフティ<4449>などとともに東証1部下落率上位に顔を出している。 セクターでは、鉱業、保険業、卸売業などが上昇率上位で、その他も全般堅調。一方、空運業、海運業、金属製品の3業種が下落した。東証1部の値上がり銘柄、値下がり銘柄とも全体の48%となっている。 NYダウは18日、21日と合わせて70ドルあまりの上昇にとどまったが、連休明けの日経平均は大幅に6日続伸し、400円を超える上昇で前場を折り返した。27000円台を回復し、取引時間中としては2月17日以来の高値を付けている。日足チャートを見ると、先週後半に25日移動平均線を上抜けてからも騰勢は衰えず、27000円台半ばに位置する75日移動平均線に迫りつつある。 個別・業種別では金融株や市況関連株の上昇が目立つが、米金利上昇にも関わらず値がさグロース(成長)株もまずまずしっかりといった印象。しかし、中小型グロース株は軟調で、東証1部下落率上位に多くランクインしている。東証1部全体としては値上がり銘柄数と値下がり銘柄数が拮抗しており、主力大型株が株価指数を押し上げていることがわかる。前引けの日経平均が+1.55%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)は+1.24%。ここまでの東証1部売買代金は1兆6000億円超で、先週末18日と比べるとやや膨らんでいる。 新興市場ではマザーズ指数が-1.40%と4日ぶり反落。中小型グロース株安の流れから、メルカリ<4385>などの主力IT株が軟調だ。もっとも値動きの軽い小型株が買いを集め、エッジテクノロジ<4268>やサイエンスアーツ<4412>が大幅高。マザーズ指数も売り一巡後は下げ渋る場面が見られる。 さて、一時1ドル=120円台まで円安が進むとともに、日経平均やTOPIXは主力大型株主導で大きく上昇する格好となっている。パウエルFRB議長がインフレ抑制のため大幅な利上げも辞さない姿勢を示す一方、黒田東彦日銀総裁は18日の金融政策決定会合後の記者会見で「金融を引き締める必要もないし適切でもない」などと述べ、緩和を続ける方針を強調。金融政策の方向性の違いが改めて鮮明となり、円安に拍車がかかったのも頷けるだろう。 もっとも、18日に発表された2月の全国消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除く総合指数で前年同月比0.6%上昇と、日本でもインフレ圧力が強まってきている。原油価格も再び上昇してきており、「交易条件の悪化」懸念が広がるなかで「円安は買い」がいつまで続くだろうか。 また米株についても、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数が18日+2.05%、21日-0.40%と引き続き堅調に推移している点に目が行きがちだが、米金利の上昇基調が続いていることを見逃してはならない。21日の10年物国債利回りは2.29%(前週末比+0.14pt)に上昇し、一時2.32%と2年10カ月ぶりの高水準を付けた。金融政策の影響を受けやすい2年物も2.11%(同+0.17pt)に上昇した。 好環境とは言いづらいなかでハイテク株の騰勢がなかなか衰えないのは、積み上がっていた売り持ちの解消が続いているためとの見方が多い。米金融大手モルガン・スタンレーのストラテジストがこうした米株の反発を「たちの悪いあや戻し」などと述べ、売りを推奨していると海外メディアが報じているが、確かに金利上昇の逆風を考慮すれば騰勢一服後に警戒せざるを得ない。 日本株も「円安を好感」という以上に、「目先の売り圧力の低下」や「新年度に向けた資金流入」といった株式需給の改善が相場を押し上げている可能性があるというのは度々当欄で述べているとおりだ。投資家それぞれの投資スタンスや期間、リスク許容度に応じて取り組む必要があるということを再度強調しておきたい。 ■ドル・円は一時120円台、節目付近に売り 22日のアジア市場でドル・円は上昇基調に振れ、一時120円台に浮上した。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長による前日の講演で一段の引き締めに思惑が広がり、仲値にかけてのドル買いで120円07銭まで上昇。ただ、節目付近の売りが上昇を阻止した。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は119円44銭から120円07銭、ユーロ・円は131円59銭から131円94銭、ユーロ・ドルは1.0981ドルから1.1026ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・クシム<2345>、THECOO<4255>など、5銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がファーストリテ<9983> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・米・2月シカゴ連銀全米活動指数:0.51(予想0.54、1月:0.59←0.69) 【要人発言】 ・黒田日銀総裁 「物価目標に近づけばETF対応を議論も、出口戦略を述べるのは時期尚早」 「コストプッシュ型の物価上昇で、実質賃金が下押しされる可能性」 <国内> 特になし <海外> ・16:00 英・2月公共部門純借入額(銀行部門除く)(予想:+81億ポンド) ・国際決済銀行(BIS)イノベーションサミット(23日まで) 《CS》
関連銘柄 22件
1605 東証プライム
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国内最大の石油・天然ガス開発会社。旧社名は国際石油開発帝石。石油元売り大手などが主要取引先。イクシスLNGプロジェクトなど世界約20カ国でプロジェクト展開。再生可能エネルギーの安定収益化などに取り組む。 記:2024/07/29
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ブロックチェーン開発支援等を行うブロックチェーンサービス事業、システムエンジニアリング事業が柱。Zaif、チューリンガムなどを傘下に持つ。Zaifの経営改革は順調。新規パイプライン開拓等に取り組む。 記:2024/10/06
2685 東証プライム
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3186 東証プライム
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3467 東証スタンダード
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時価総額 9,109百万円
東京・神奈川中心に首都圏で戸建分譲住宅を手掛ける。アグレシオブランドを展開。自社一貫体制が強み。投資家向け収益マンションの建設・販売や宿泊事業等も。ハウジング事業では良質な事業用地の取得などに注力。 記:2024/06/07
4255 東証グロース
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4268 東証グロース
838
11/22 14:18
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4385 東証プライム
2,097.5
11/22 15:30
+29.5(%)
時価総額 344,051百万円
国内で断トツのフリマアプリ「メルカリ」を運営。スマホ決済「メルペイ」や米国開拓に注力。連結子会社に鹿島アントラーズ。メルカードの発行枚数は300万枚を突破。定額払い、メルカードが成長。米国事業も赤字縮小へ。 記:2024/06/09
4412 東証グロース
572
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デスクレスワーカーをつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」を手掛ける。利用企業は900社超。24年4月から楽天モバイルが同製品の取り扱いを開始。広告強化で認知度向上図る。 記:2024/06/07
4449 東証プライム
1,323
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6920 東証プライム
17,280
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±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
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自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7599 東証プライム
1,073
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時価総額 114,691百万円
中古車買取販売店「ガリバー」を展開。中古車の買取・小売のほか、中古車オークションでの卸売、自動車保険・車検・整備など付帯商品の販売等も。価格設定精度の向上、小売に伴う付帯収益の増加への取り組みに注力。 記:2024/08/06
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8058 東証プライム
2,646.5
11/22 15:30
+0.5(%)
時価総額 11,059,771百万円
大手総合商社。原料炭や銅、液化天然ガスなど資源分野で世界有数の優良権益を有す。非資源分野は食品卸売に強み。自動車・モビリティ、複合都市開発等も。総還元性向40%程度目処。LNG事業の拡張などを図る。 記:2024/07/07
1,825
11/22 15:30
+19(%)
時価総額 24,239,641百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29
3,663
11/22 15:30
+64(%)
時価総額 14,375,561百万円
三井住友銀行、SMBC信託銀行、三井住友ファイナンス&リース、SMBC日興証券、三井住友カードなどを傘下に収める持株会社。総資産は300兆円超。決済ビジネスを強化。政策保有株式の削減交渉は進捗順調。 記:2024/08/22
9101 東証プライム
4,975
11/22 15:30
-62(%)
時価総額 2,293,475百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
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2,155
11/22 15:30
-34(%)
時価総額 1,454,996百万円
海運国内3位。1919年設立。自動車船事業などの製品物流部門が主力。ドライバルク事業等も。持分法適用関連会社にコンテナ船事業を行うONE社。LNG船等は順調推移見込む。27.3期経常利益1600億円目標。 記:2024/06/17
9519 東証プライム
800
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 72,950百万円
再エネ発電所を開発・運営。太陽光を軸にバイオマス、洋上風力発電事業も。小規模分散型の太陽光発電所も順次運転を開始したことで、発電量は順調に増加。東京ガとの間で資本業務提携、第三者割当増資で資本増強。 記:2024/08/26
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17