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後場に注目すべき3つのポイント~一見好発進も「気になる点」

2022/1/4 12:18 FISCO
*12:18JST 後場に注目すべき3つのポイント~一見好発進も「気になる点」 1月1日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は3日ぶり大幅反発、一見好発進も「気になる点」 ・ドル・円は小じっかり、日本株高で円売り優勢 ・値上がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がアドバンテスト<6857> ■日経平均は3日ぶり大幅反発、一見好発進も「気になる点」 日経平均は3日ぶり大幅反発。396.45円高の29188.16円(出来高概算5億1000万株)で前場の取引を終えている。 東京市場が年末年始に休場だった間、米市場ではNYダウが12月30日に90ドル安、31日に59ドル安となったものの、年明け1月3日には246ドル高となり過去最高値を更新した。新型コロナウイルス変異株「オミクロン型」の感染拡大が続く一方、「流行は短期で収束する」との専門家の見解を受けて、景気回復への期待が相場を押し上げた。電気自動車のテスラが急騰したほか、半導体関連株も揃って堅調で、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は+1.20%と5日ぶりに反発。休場明けの東京市場でも米株高を受けて投資家心理が上向き、日経平均は306円高からスタートすると、その後も上げ幅を広げる展開となった。前場中ごろを過ぎると一時29253.78円(462.07円高)まで上昇し、取引時間中としては昨年11月26日以来の高値を付ける場面があった。 個別では、トヨタ自<7203>や東エレク<8035>に加え、郵船<9101>、川崎船<9107>、商船三井<9104>といった海運株が大きく上昇。トヨタ自は2025年をメドに独自の車載用基盤ソフトを実用化すると報じられている。東エレクは米半導体株高の流れを引き継ぎ、取引時間中の上場来高値を更新した。その他売買代金上位もソフトバンクG<9984>、ソニーG<6758>など全般堅調。また、一部証券会社の目標株価引き上げが観測されたラクーンHD<3031>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、売買代金トップのレーザーテック<6920>は利益確定売りが出て朝高後に反落。新型コロナ感染拡大が警戒されてOLC<4661>も軟調で、昨年末にかけて急落したレノバ<9519>は再び売りがかさんでいる。また、レノバとともに三井松島HD<1518>などが東証1部下落率上位に顔を出している。 セクターでは、海運業、輸送用機器、非鉄金属などが上昇率上位で、その他も全般堅調。下落したのはパルプ・紙のみだった。東証1部の値上がり銘柄は全体の64%、対して値下がり銘柄は32%となっている。 名実ともに新年相場入りした本日の日経平均は400円近い上昇で前場を折り返した。日足チャートを見ると、上昇する5日移動平均線が下値を支える形となり、昨年12月に上値抵抗線として意識されていた75日移動平均線を上抜け。値動き良化を受けて短期筋の買いが入っている可能性もありそうだ。売買代金上位を見ても、時価総額トップのトヨタ自や昨年の好パフォーマーである半導体関連株、海運株が大きく上昇しており、2022年相場の先行きに期待を持たせる動きとなっている。 もっとも、東証1部の値上がり銘柄数は6割強で、日経平均や東証株価指数(TOPIX、+1.27%)の上げ幅が大きい割にやや少ない印象を受ける。規模別指数を見ると大型株が特に堅調で、個人投資家の物色も半導体関連や海運といった主力大型株に向いている可能性がありそうだ。ここまでの東証1部売買代金は1兆3000億円あまり。さすがに昨年末より増えているが、さほど大きく膨らんでいるわけでもない。 新興市場ではマザーズ指数が-1.20%と続落。局所的に賑わっている銘柄も限られ、昨年12月に上場したばかりの直近IPO(新規株式公開)銘柄の一角は下げがきつい。こうしたマザーズの動向も「主力大型株先行」という見方を裏付けるものだろう。 このように、日経平均や主力大型株を見ると好調な出足という印象が強いが、マザーズを中心とした中小型株まで見渡すとまちまちといったところか。年末にかけて取引を手控えていた機関投資家の買いが入っている可能性がある一方、個人投資家は中小型株から主力大型株への物色シフトにとどまっている感がある。 やはり年明け好発進となった米株も、重要な経済指標の発表やイベントが相次ぐ本日からが本番かもしれない。特に注目されているのが5日公表される昨年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録。12月のFOMCでは資産購入の減額(テーパリング)を加速させることが決まったほか、2022年内に3回の利上げを行う見通しが示された。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ対応で急速に金融引き締め姿勢に傾くなか、FOMCでどのような議論がなされたのか注視する必要があるだろう。 また、4日には昨年12月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況指数や11月の米求人件数(JOLT)、5日には12月のADP社の全米雇用リポートが発表される。本日、中国メディア財新などが発表した12月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.9と前月比1.0pt上昇した。米国でも企業業績への期待が根強い一方、求人件数などの雇用関連統計には注意が必要かもしれない。10月のJOLT求人件数は過去2番目の高水準だったが、それが供給制約による労働需給ひっ迫を意識させ、インフレ観測を強めた経緯がある。もちろん、7日発表の米12月雇用統計もFOMC議事録と並んで注目度が高い。 これらの重要イベントを前に、3日の米債券市場では10年物国債利回りが1.63%(+0.12pt)となるなど、幅広い年限で金利が急上昇した。期待先行で始まった日米株式相場もイベントに対する反応が気になるところだ。 ■ドル・円は小じっかり、日本株高で円売り優勢 4日午前の東京市場でドル・円は小じっかりとなり、115円前半で小幅に値を上げた。日経平均株価は寄り付きから強含み、日本株高を好感した円売りが優勢に。また、本日発表された中国の経済指標が堅調となり、世界経済の回復期待も円売りを支援している。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は115円29銭から115円49銭、ユーロ・円は130円24銭から130円56銭、ユーロ・ドルは1.1294ドルから1.1309ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・アイサンテクノロジー<4667>、ステラファーマ<4888>など、6銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がアドバンテスト<6857> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・中・12月財新製造業PMI:50.9(予想:50.0、11月:49.9) 【要人発言】 ・食品医薬品局(FDA)「12−15歳にファイザーのコロナワクチン追加接種許可」 <国内> ・大発会 <海外> ・16:00 独・11月小売売上高(前月比予想:-0.5%、10月:+0.1%) ・16:30 スイス・12月消費者物価指数(前年比予想:+1.6%、11月:+1.5%) 《CS》
関連銘柄 15件
3,635
11/22 15:30
+120(%)
時価総額 47,488百万円
日本ストロー、明光商会などを傘下に収める持株会社。1913年創業。24.3期に祖業の石炭生産・販売事業から完全撤退。生活消費財、産業用製品の生活関連事業が柱に。環境対応素材ストローの拡大などに注力。 記:2024/08/10
686
11/22 15:30
-3(%)
時価総額 15,340百万円
アパレル・雑貨等の事業者専用卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」の運営等を行うEC事業が主力。企業間の後払い決済サービス、売掛保証サービス等も。引き続き顧客獲得ペース向上による事業規模の拡大図る。 記:2024/08/09
4661 東証プライム
3,382
11/22 15:30
-21(%)
時価総額 6,150,001百万円
東京ディズニーランド、東京ディズニーシーの運営等を行うテーマパーク事業が主力。ホテル事業や商業施設「イクスピアリ」の運営等も。テーマパーク事業は海外ゲストの回復などで順調。25.3期は2桁増収計画。 記:2024/07/02
4667 東証スタンダード
1,247
11/22 15:30
-7(%)
時価総額 6,920百万円
測量用ソフトウェアなどを手掛けるソフトウェア開発会社。愛知県名古屋市に本社。測量計測機器等の販売・保守、自動走行関連に係るシステム受託販売等も行う。新製品の点群CADシステム「ANIST」は好評。 記:2024/10/13
4888 東証グロース
494
11/22 15:30
-2(%)
時価総額 16,813百万円
がんの治療法であるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に用いるホウ素薬剤の開発、製造・販売等を行う。ステラケミファの持分法適用関連会社。27.3期売上高16.5億円目標。BNCTの認知度向上等に取り組む。 記:2024/08/06
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6857 東証プライム
9,447
11/22 15:30
+62(%)
時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
9101 東証プライム
4,975
11/22 15:30
-62(%)
時価総額 2,293,475百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9104 東証プライム
5,430
11/22 15:30
-9(%)
時価総額 1,968,668百万円
海運国内2位。1884年創業。三井グループ。ドライバルク事業、エネルギー事業、製品輸送事業が柱。LNG船の所有・管理・運航で世界シェアトップクラス。配当性向30%目安。非海運事業のアセット積み増し図る。 記:2024/07/29
9107 東証プライム
2,155
11/22 15:30
-34(%)
時価総額 1,454,996百万円
海運国内3位。1919年設立。自動車船事業などの製品物流部門が主力。ドライバルク事業等も。持分法適用関連会社にコンテナ船事業を行うONE社。LNG船等は順調推移見込む。27.3期経常利益1600億円目標。 記:2024/06/17
9519 東証プライム
800
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 72,950百万円
再エネ発電所を開発・運営。太陽光を軸にバイオマス、洋上風力発電事業も。小規模分散型の太陽光発電所も順次運転を開始したことで、発電量は順調に増加。東京ガとの間で資本業務提携、第三者割当増資で資本増強。 記:2024/08/26
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17