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後場に注目すべき3つのポイント~やはり「FRB人事はインフレ対応含み」?

2021/11/25 12:19 FISCO
*12:19JST 後場に注目すべき3つのポイント~やはり「FRB人事はインフレ対応含み」? 25日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は反発、やはり「FRB人事はインフレ対応含み」? ・ドル・円は底堅い、日本株高で円売り ・値上がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位がテルモ<4543> ■日経平均は反発、やはり「FRB人事はインフレ対応含み」? 日経平均は反発。197.91円高の29500.57円(出来高概算5億1000万株)で前場の取引を終えている。 24日の米株式市場でNYダウは3日ぶりに小幅反落し、9ドル安となった。週間の失業保険申請件数が52年ぶりの低水準となったほか、10月のPCE(個人消費支出)コアデフレーターが31年ぶりの大幅な伸びとなり、早期の利上げ観測が強まった。また、11月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で数人の参加者が量的緩和縮小ペースの加速を支持したことも明らかになり、軟調に推移する場面が多かった。ただ、引けにかけて感謝祭の祝日を前に買い戻しが入り、NYダウは下げ幅を縮小。金利上昇が一服し、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は上昇に転じた。本日の東京市場でもこうした流れを引き継いで値がさ株を中心に買いが先行し、日経平均は166円高からスタート。前場中ごろに一時29570.42円(267.76円高)まで上昇したが、その後はやや上値の重い展開だった。 個別では、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、ソニーG<6758>、ファーストリテ<9983>などがしっかり。塩野義<4507>は3%超上昇し、取引時間中の上場来高値を更新。レノバ<9519>が商いを伴って6%上昇するなど、再生可能エネルギー関連銘柄の一角が物色されている。11月既存店売上が増収に転じたしまむら<8227>も大きく上昇。また、東洋電<6505>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、レーザーテック<6920>やリクルートHD<6098>が軟調で、トヨタ自<7203>や郵船<9101>は小幅に下落。新株予約権付社債(転換社債)による資金調達を発表したANA<9202>が6%近い下落となり、JAL<9201>にも売りが波及しているようだ。ニトリHD<9843>は11月既存店売上が減収に転じ4%超の下落。また、アルコニックス<3036>などが東証1部下落率上位に顔を出している。 セクターでは、証券、鉱業、卸売業などが上昇率上位。一方、空運業、パルプ・紙、サービス業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の50%、対して値下がり銘柄は42%となっている。 米国では感謝祭の祝日を前に金利の上昇一服とともにハイテク株に買いが入り、本日の東京市場でも日経平均は値がさ株主導で反発する展開となっている。早々に29500円台を回復してきたことに意を強くする向きもあるかもしれないが、前日の下落分の半値戻し程度にとどまっているあたり、自律反発の域を出ないと言わざるを得ない。また、今晩の米国が祝日ということもあり、ここまでの東証1部売買代金は1兆1000億円あまりと低調。前日は日経平均先物に売りが多く出ていたため、本日は薄商いのなか先物の買い戻しでひとまず反発したといったところかもしれない。塩野義の高値更新が目を引くが、ディフェンシブ株へのシフトを示す動きということも想定しておく必要があるだろう。 新興市場ではマザーズ指数が+0.03%と小幅反発。こちらは朝方の買いが一巡すると早々に前日終値近辺まで押し返された。日経平均が先物の買い戻し主導で反発していることを思わせる。こうしたなかで強さを見せているのがIPO(新規株式公開)株で、本日新規上場したスローガン<9253>が公開価格の1.5倍で初値を付けたほか、上場2日目のサイエンスアーツ<4412>が公開価格の約2.7倍で初値を付けたのち、ストップ高水準まで急騰している。18日上場のGRCS<9250>が連日の大幅高となっており、個人投資家のIPO株への買い姿勢が強気に傾いてきた印象だ。もっとも需給主導の感も強く、株価バリュエーションを見ると過熱感があるのはやや気掛かり。 さて、米国では22日、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長の再任が発表され、金利の急上昇とともにハイテク株を中心に荒い値動きとなった。18日の当欄「インフレ不満からFRB人事が重み増しそう」で「次期議長人事はインフレ対応含みだろう」ということを強調したが、まさにそうした思惑が広がった格好だ。改めて確認すると、11月ミシガン大学消費者マインド指数の予想外の悪化、10月小売売上高の予想以上の増加といった強弱まちまちの経済指標は米国の経済的な分断を示している可能性がある。10月消費者物価指数(CPI)が大幅な伸びとなったことを受け、バイデン大統領がすかさず「物価抑制は最優先課題」などとアピールしたのを見ても、政権にとって来年の中間選挙に向けた最大のリスクは「インフレ」と考えられていることが窺える。 これを裏付けるかのように、11月のFOMCではインフレへの警戒感から量的緩和縮小ペースを加速すべきとの意見が複数上がったという。もともと米国では感謝祭を通過すると市場参加者が減るタイミングではあるが、12月14~15日の次回FOMCまで金融引き締めへの思惑から積極的に売買を手掛けづらくなったとみておいた方がいいだろう。 こうした外部環境に振らされる日本株だが、アジア市場では香港ハンセン指数や上海総合指数が小安く推移しており、為替市場では円安が一服。米休場を前に様子見ムードも強まりそうで、後場の日経平均は上値の重い展開になるとみておきたい。 ■ドル・円は底堅い、日本株高で円売り 25日午前の東京市場でドル・円は底堅く推移し、115円台前半の水準を維持。米10年債利回りは前日海外市場でいったん回復したが、その後は低下しややドル売り基調に振れている。一方、日経平均株価は堅調地合いとなり、円売りが主要通貨をサポートした。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は115円31銭から115円46銭、ユーロ・円は129円25銭から129円39銭、ユーロ・ドルは1.1198ドルから1.1212ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・マーケットエンタープライズ<3135>、東洋電機製造<6505>など、5銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位がテルモ<4543> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・NZ・10月貿易収支:-12.86億NZドル(9月:-22.06億NZドル←-21.71億NZドル) 【要人発言】 ・カナダ国際貿易相 「米国によるカナダ産針葉樹材への関税引き上げに失望」 <国内> ・14:00 9月景気動向指数・先行改定値(速報値:99.7) ・11月政府月例経済報告 <海外> ・16:00 独・7-9月期GDP改定値(前年比予想:+2.5%、速報値:+2.5%) ・米国休場(感謝祭) 《CS》
関連銘柄 21件
3036 東証プライム
1,439
11/22 15:30
+4(%)
時価総額 44,710百万円
商社機能とメーカー機能を持つ非鉄金属の総合企業。アルミ銅事業が主力。電子機能材事業、装置材料事業、金属加工事業も展開。27.3期売上2200億円以上目標。既存事業の収益力強化、低採算事業の構造改革図る。 記:2024/07/29
904
11/22 15:30
-22(%)
時価総額 4,825百万円
ネット型リユース事業が主力。総合買取サイト「高く売れるドットコム」等を通じて買い取った中古品をネットで販売。モバイル通信事業、メディア事業も手掛ける。農機具分野では新規顧客獲得など拡販施策を進める。 記:2024/10/03
4412 東証グロース
572
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 3,842百万円
デスクレスワーカーをつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」を手掛ける。利用企業は900社超。24年4月から楽天モバイルが同製品の取り扱いを開始。広告強化で認知度向上図る。 記:2024/06/07
4507 東証プライム
2,094.5
11/22 15:30
+35.5(%)
時価総額 1,863,334百万円
製薬会社大手。1878年創業。抗HIV薬、抗インフル薬など感染症分野に強み。自社創薬比率が高い。HIVフランチャイズなどロイヤリティー収入が収益源。国内における急性呼吸器感染症薬の販売拡大などを図る。 記:2024/08/06
4543 東証プライム
3,073
11/22 15:30
+35(%)
時価総額 4,580,912百万円
医療機器メーカー。北里柴三郎などが発起人となり1921年に設立。血管内治療関連デバイスなどの心臓血管部門が主力。電子体温計、血糖自己測定器等も手掛ける。コスト削減のほか、設備投資で生産能力の拡大図る。 記:2024/08/26
9,824
11/22 15:30
+288(%)
時価総額 16,208,048百万円
米国発の求人情報サイト「Indeed」等のHRテクノロジー事業、リクナビNEXTやSUUMO等のマッチング&ソリューション事業、人材派遣事業を展開。人材派遣事業は需要増により、日本の稼働人数が順調。 記:2024/06/28
6505 東証スタンダード
1,113
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 10,835百万円
鉄道車両用電機品メーカー。1918年設立。蓄積したモータ・インバータ関連技術等が強み。自動車用試験装置やICカード発行機等の駅務機器も。交通事業は民鉄向けなどで売上順調。26.5期売上高400億円目標。 記:2024/06/11
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8227 東証プライム
7,969
11/22 15:30
+308(%)
時価総額 588,327百万円
総合衣料品店「ファッションセンターしまむら」を運営。低価格の衣料に強み。若者向け業態「アベイル」、ベビー業態「バースデイ」等も展開。アベイルはアウター衣料の品揃えを拡充。27.2期営業利益660億円目標。 記:2024/10/24
9101 東証プライム
4,975
11/22 15:30
-62(%)
時価総額 2,293,475百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9201 東証プライム
2,413
11/22 15:30
+23(%)
時価総額 1,054,828百万円
大手航空会社。航空旅客事業や貨物郵便事業、マイル/金融・コマース事業などを展開。LCCのZIPAIR Tokyo、スプリング・ジャパンなどを傘下に持つ。スマホ決済「JAL Pay」のサービス拡充図る。 記:2024/08/30
9202 東証プライム
2,838
11/22 15:30
+0.5(%)
時価総額 1,374,426百万円
国内最大手の航空会社。全日本空輸(ANA)が中核。ピーチ、エアージャパンなども傘下に持つ。航空事業のほか、旅行事業、商社事業等も手掛ける。国際線、国内線ともに旅客需要増。貨物事業の拡大等に取り組む。 記:2024/08/02
9250 東証グロース
1,411
11/22 15:19
±0(%)
時価総額 1,947百万円
全社的リスクマネジメントERMなどのGRCセキュリティ事業が主力。GRCツールで国内トップ。フィナンシャルテクノロジー事業も。金融関連企業が主要顧客。ソリューション及びプロダクトの連携強化を図る。 記:2024/10/25
9253 東証グロース
620
11/22 14:52
+5(%)
時価総額 1,704百万円
就活プラットフォーム「Goodfind」、長期インターン紹介サービス「Intern Street」、ビジネスメディア等を手掛ける。キャリアサービス分野は社会人向けサービスが改善。学生向けサービスは順調。 記:2024/06/03
9519 東証プライム
800
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 72,950百万円
再エネ発電所を開発・運営。太陽光を軸にバイオマス、洋上風力発電事業も。小規模分散型の太陽光発電所も順次運転を開始したことで、発電量は順調に増加。東京ガとの間で資本業務提携、第三者割当増資で資本増強。 記:2024/08/26
9843 東証プライム
18,025
11/22 15:30
+710(%)
時価総額 2,062,835百万円
家具・インテリア国内最大手。企画、原材料調達、製造、物流、販売の一貫体制を構築。アイテム数は約1万点。8割超が自社開発商品。島忠を傘下に収める。Nポルダなどは売上順調。26.3期買上客数2億人以上目標。 記:2024/06/13
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17