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後場に注目すべき3つのポイント~米株急落で連れ安も過度な悲観は不要

2021/9/29 12:22 FISCO
*12:22JST 後場に注目すべき3つのポイント~米株急落で連れ安も過度な悲観は不要 29日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は大幅に3日続落、米株急落で連れ安も過度な悲観は不要 ・ドル・円は反落、アジア大幅株安で ・値下がり寄与トップは東京エレクトロン<8035>、同2位がダイキン工業<6367> ■日経平均は大幅に3日続落、米株急落で連れ安も過度な悲観は不要 日経平均は大幅に3日続落。741.82円安の29442.14円(出来高概算7億4613万株)で前場の取引を終えている。 28日の米国市場でのNYダウは569.38ドル安(-1.63%)と大幅反落。9月消費者信頼感指数が予想外に悪化したことに加え、イエレン財務長官が政府機関閉鎖などのリスクを警告したことで投資家心理が悪化。米長期金利が6月中旬以来となる水準まで上昇したこともあり、ハイテク株を中心に売られ、景気敏感株もエネルギーや金融以外は大きく売られた。急ピッチでの金利上昇が嫌気されたナスダック総合指数は2.82%安、米フィラデルフィア半導体(SOX指数)は3.80%安と特に下げがきつかった。 本日の日経平均は、ほぼ全面安となった米国市場の流れを引き継いだほか、9月末の配当権利落ちで180円程の下げも加わり、572.04円安の29611.92円とギャップダウンでスタート。寄り付き直後は29600円前後でのもみ合いが続いていたが、前場中頃からは下げ幅を拡げはじめ、前引け近くには一時825.70円安の29358.26円まで下げる場面があった。 個別では、米ハイテク株安の急落を背景に東エレク<8035>、アドバンテス<6857>などの半導体関連株のほか、ソニーG<6758>、ダイキン<6367>、キーエンス<6861>などの値がさ株を中心に急落しており、ソフトバンクG<9984>、任天堂<7974>、武田薬<4502>、日立<6501>、リクルートHD<6098>、村田製<6981>、ファナック<6954>など主力株も軒並み大幅に下落している。米長期金利が上昇している中ではあるが、三菱UFJ<8306>などの大手金融株も大幅安に。そのほか、政府が保有する株式の第3次売却を年内実施する方針と伝わった日本郵政<6178>、第1四半期が大幅減益決算となったハニーズHD<2792>などが大幅安となり、今期の成長鈍化見通しや減配計画が嫌気されたヒマラヤ<7514>は下落率2桁台の急落で、公募増資の実施を発表したヒューリック<3003>と共に値下がり率上位に並んだ。 一方、9月末での緊急事態宣言の全面解除が決まり、10月からの行動制限緩和の期待を背景に、エイチ・アイ・エス<9603>やエアトリ<6191>などの旅行関連が大幅高、ANA<9202>などの大手空運株も上昇し、JR東<9020>などの陸運大手、OLC<4661>などのレジャー関連も堅調。前日までの急落が目立っていた海運大手については、日本郵船<9101>が底堅く、川崎汽船<9107>は大幅な上昇となっている。 セクターでは精密機器、電気機器、保険業などが下落率上位となっている一方、空運業、海運業の2業種のみが上昇となっている。東証1部の値下がり銘柄は全体の87%、対して値上がり銘柄は9%となっている。 本日の日経平均は配当権利落ちに米株大幅安が加わり、急落している。午後からは自民党総裁選の投開票が控えていることもあり、様子見ムードが強く、積極的な押し目買いもみられない。 前日は、上院銀行委員会証言において、イエレン財務長官が、連邦債務が10月18日に上限に達する公算大だと指摘し、債務上限が引き上げられなければ金融危機やリセッションに直面する可能性を警告。加えて、米10年国債利回りが1.56%と6月中旬以来となる水準にまで上昇したこともあり、悪材料が重なった結果、ここ最近みられていた投資家心理の悪化に拍車がかかり、売りが膨らんだようだ。 そこに、配当権利落ちや明日に控える日経平均銘柄入れ替えに伴う売り需要という需給イベントへの警戒のほか、自民党総裁選の投開票という日本特有のイベントも重なり、本日の下落っぷりが演出されていると思われる。 ただ、過度な悲観は不要と考える。米連邦政府の債務上限引き上げ問題については、過去にも何度も表面化し、その度にマーケットに短期的な波乱をもたらしているが、政府機関のデフォルトなど国民を犠牲にするような最悪の事態を招くとは合理的には考えにくく、最終的には何らかの形で落ち着くことが想定される。長引くと更なる相場下押し圧力になりかねないが、中期的にはこの問題を要因にもたらされる下落は一過性のものにすぎないと思われる。 また、米長期金利の上昇については、上昇ペースが速いために警戒されるのは致し方ないが、水準としては3月に付けた1.78%にはまだ距離がある。 金利上昇の背景には、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利見通し引き上げなど、公表結果を受けた後の投資家の持ち高修正が続いているとの見方のほか、インフレ懸念の再燃が挙げられている。インフレ懸念については最近のイベントや要人発言によるところが大きい。米連邦準備制度理事会(FRB)は今までインフレは「一時的」としていたが、9月FOMCでは当局者のインフレ見通しが引き上げられたほか、28日の米上院議会証言では、パウエルFRB議長が「インフレは予想以上に大きく、長く続いている」と発言。さらに、様々な要因による需給ひっ迫からもたされた最近の欧州でのガス・電力価格の高騰や原油先物価格の高騰などが加わり、インフレ懸念が台頭しているという構図だ。 しかし、期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレーク・イーブン・インフレ率は、米長期金利が急ピッチで上昇している間ほぼ横ばいで、市場のインフレ懸念がここ数日で一段と強まったとは言えなさそうだ。また、米長期金利の上昇についても、中長期的には更なる上昇は避けられないだろうが、短期的にはそろそろ一巡感が出てくる可能性がある。 3月につけたピーク以降の金利低下の背景としては、日本国内の機関投資家による債券買いが寄与したところが大きかったようだが、今回も国内機関投資家による買いが金利上昇を抑制する可能性がある。東京証券取引所が発表する投資主体別売買動向によれば、年金基金などの機関投資家の動向を表すとされる信託銀行は、9月第2週(9月6~9月10日)に2100億円程、第3週(9月13~9月17日)に3700億円程それぞれ株式を現物で売り越している。政局流動化をきっかけに日経平均が急騰していたなか、リバランス売りを行っていたようだ。ここで、換金した余力分が、再び投資妙味を増してきた米国債に向かう可能性があり、そうなれば、金利上昇に一旦の歯止めがかかることが考えられる。 むろん、中国では不動産業の資金繰り問題や電力不足など問題が山積みだ。米国政治も短期的には更なる波乱もありうる。しかし、それでも、上述したように、米国の債務上限引き上げ問題や長期金利上昇を背景とした株価の急落が長く続くことは想定しにくい。 さて、午後の日経平均は自民党総裁選の投開票を控えて、引き続き本日の安値圏でのもみ合いとなりそうだ。決選投票になる可能性は高く、その場合は取引時間中に結果は確定しない。様子見ムードが強まるなか、仕掛け的な売りなども警戒されるが、慌てず対処していきたい。 ■ドル・円は反落、アジア大幅株安で 29日午前の東京市場でドル・円は反落。年初来高値を上抜け一時111円68銭まで値を上げたが、その後は失速。日経平均株価の前日比700円超安ほか、上海総合指数や香港ハンセン指数の下落を受け、リスク回避の円買いが優勢に。また、米金利は上げ渋り、ドル買いは仕掛けづらい。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は111円41銭から111円62銭、ユーロ・円は130円24銭から130円48銭、ユーロ・ドルは1.1678ドルから1.1688ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・WisdomTree アルミニウム上場投信<1692>、ニッチツ<7021>の、2銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップは東京エレクトロン<8035>、同2位がダイキン工業<6367> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・米・8月耐久財受注速報値:前月比+1.8%(予想:+0.7%、7月:-0.1%→+0.5%) ・米・8月耐久財受注(輸送用機器除く)速報値:前月比+0.2%(予想:+0.5%、7月:+0.8%) ・米・8月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)速報値:前月比+0.7%(7月:+0.9%) ・米・9月ダラス連銀製造業活動指数:4.6(予想:11.0、8月:9.0) 【要人発言】 ・イエレン米財務長官 「米国、10月18日に債務上限に達する公算大」 「債務上限を引き上げないこと以外で、準備通貨としてのドルの地位に障害を与えるものは少ない」 「インフレ急進が次第に衰えているいくつかの兆候が見られる」 <国内> ・自民党総裁選投開票 <海外> 特になし 《CS》
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不動産賃貸事業を中核とする不動産会社。東京23区中心に200件超の賃貸物件を保有。多数保有する好立地物件が強み。開発・建替事業、ホテル・旅館事業等も。物件の入れ替え、優良アセットの積み上げ等に取り組む。 記:2024/08/09
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時価総額 6,150,001百万円
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9,824
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米国発の求人情報サイト「Indeed」等のHRテクノロジー事業、リクナビNEXTやSUUMO等のマッチング&ソリューション事業、人材派遣事業を展開。人材派遣事業は需要増により、日本の稼働人数が順調。 記:2024/06/28
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11/22 15:30
-7(%)
時価総額 5,518,046百万円
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6191 東証プライム
1,130
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+27(%)
時価総額 25,302百万円
総合旅行プラットフォーム「エアトリ」を運営。Wi-Fiレンタル事業、地方創生事業、ITオフショア開発事業等も。メルマガのまぐまぐ等を傘下に持つ。M&Aによる成長投資を行う。エアトリ経済圏の構築・強化図る。 記:2024/10/09
6367 東証プライム
18,295
11/22 15:30
-90(%)
時価総額 5,362,521百万円
空調・冷凍機事業が主力。エアコン世界首位。フッ素化学製品等の化学事業、酸素濃縮装置の製造・販売等も。海外売上比率が高い。差別化新商品の投入、増産投資等に取り組む。26.3期営業利益5000億円目標。 記:2024/06/07
6501 東証プライム
3,821
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2,948
11/22 15:30
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時価総額 18,404,653百万円
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6857 東証プライム
9,447
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時価総額 7,237,734百万円
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6861 東証プライム
65,660
11/22 15:30
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時価総額 15,969,037百万円
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6954 東証プライム
4,114
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時価総額 4,095,154百万円
CNCシステムなどのFA事業、ロボット事業、ロボマシン事業を展開。富士通のNC部門が分離・独立して1972年に誕生。CNCで世界シェアトップクラス。海外売上高比率は8割超。配当性向は60%が基本方針。 記:2024/09/02
6981 東証プライム
2,562
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時価総額 5,099,951百万円
大手電子部品メーカー。コンデンサやインダクタ、EMI除去フィルタ等を手掛ける。チップ積層セラミックコンデンサ等で世界トップシェア。海外売上高比率が高い。コンデンサはモビリティ向けなどで販売増を見込む。 記:2024/06/04
7021 東証スタンダード
1,592
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7514 東証スタンダード
852
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-6(%)
時価総額 10,497百万円
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7974 東証プライム
8,166
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8035 東証プライム
22,250
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世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
1,825
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9020 東証プライム
2,780
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時価総額 3,153,665百万円
国内最大、世界でも最大級の鉄道会社。関東、甲信越、東北までの1都16県が営業エリア。流通・サービス事業、不動産・ホテル事業等も。ホテル、ショッピングセンターは売上順調。28.3期営業利益4100億円目標。 記:2024/06/04
9101 東証プライム
4,975
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時価総額 2,293,475百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9107 東証プライム
2,155
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-34(%)
時価総額 1,454,996百万円
海運国内3位。1919年設立。自動車船事業などの製品物流部門が主力。ドライバルク事業等も。持分法適用関連会社にコンテナ船事業を行うONE社。LNG船等は順調推移見込む。27.3期経常利益1600億円目標。 記:2024/06/17
9202 東証プライム
2,838
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+0.5(%)
時価総額 1,374,426百万円
国内最大手の航空会社。全日本空輸(ANA)が中核。ピーチ、エアージャパンなども傘下に持つ。航空事業のほか、旅行事業、商社事業等も手掛ける。国際線、国内線ともに旅客需要増。貨物事業の拡大等に取り組む。 記:2024/08/02
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1,838
11/22 15:30
-3(%)
時価総額 146,785百万円
旅行会社大手。海外旅行に強み。「変なホテル」等の運営を行うホテル事業も。九州産業交通HDなどを傘下に収める。ハウステンボスは22年に譲渡。26.10期売上4300億円目標。グローバルマーケットの強化図る。 記:2024/06/09
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8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17