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後場に注目すべき3つのポイント~日本電産の株価反応から考える投資戦略

2021/7/26 12:18 FISCO
*12:18JST 後場に注目すべき3つのポイント~日本電産の株価反応から考える投資戦略 26日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は大幅続伸、日本電産の株価反応から考える投資戦略 ・ドル・円は弱含み、買い一巡後は失速 ・値上がり寄与トップは、ファーストリテイリング<9983>、同2位が東京エレクトロン<8035> ■日経平均は大幅続伸、日本電産の株価反応から考える投資戦略 日経平均は大幅続伸。383.78円高の27931.78円(出来高概算5億0863万株)で前場の取引を終えている。 国内が祝日で連休の間、米株式市場では過度な警戒感が後退する動きが続いた。急低下していた米10年物国債利回りが1.28%まで反発したことで景気減速懸念が和らいだほか、企業の好決算が相次ぎ今後の業績期待も膨らんだ。NYダウ、ナスダック、S&P500の主要株価3指数は週末にかけて4日続伸し、揃って史上最高値を更新。週末にかけての3日間のダウの上昇率は1.6%、ナスダックは2.3%となった。こうした連休中の米株高を映して週明けの日経平均は442.47円高の27990.47円とギャップアップで始まると、直後には28036.47円まで上昇。しかし、28000円近辺では戻り待ちの売り圧力が強く、まもなく28000円を割り込むと、その後は27900円前後でのもみ合いが続いた。 個別では、第1四半期から好スタートで早々に業績予想を大幅に引き上げた東京製鐵<5423>が急伸、同じ鉄鋼セクターの日本製鉄<5401>やJFEホールディングス<5411>、神戸製鋼所<5406>なども大幅に上昇している。また、第1四半期の好業績が観測報道で伝わった東レ<3402>、中期経営計画で大幅な収益拡大を掲げた良品計画<7453>なども急伸。根強い需要増への期待にもとづく原油価格の上昇を背景にINPEX<1605>も大幅高。そのほか、ビットコイン価格の大幅反発を背景にマネックスG<8698>やセレス<3696>なども大きく上昇している。東証1部値上がり率上位では他にデクセリアルズ<4980>、Link-U<4446>、ダブル・スコープ<6619>、テスホールディングス<5074>、ジェイリース<7187>、オープンハウス<3288>などが入っている。 一方、注目度の高かった日本電産<6594>の第1四半期決算は、営業利益が前年同期比60.3%増の446億円と、前四半期比でも増益を確保。市場予想も30億円程度上振れた。しかし、精密小型モータのほか、注力している車載が前四半期比で減益となったほか、計画値が据え置きとなったことで、業績期待の高い銘柄としてはサプライズは限定的と捉えられたもよう。株価は朝高後には一転して売りに押されて下落している。そのほか、第1四半期営業利益は前年同期比9.3%増の127億円となったオービック<4684>は、先に同1割増の130億円弱になったとの観測報道が伝わっていたこともあり、出尽くし感から売りが先行。OBC<4733>も第1四半期営業利益は同26.3%増とほぼ市場予想と同水準で着地、年間配当も10円増額したが物足りなさから大幅に下落した。 セクターではほぼ全面高となっており、鉄鋼、繊維製品、鉱業などが上昇率上位に並んでいる。一方、電気・ガス業のみが下落している。東証1部の値上がり銘柄は全体の86%、対して値下がり銘柄は10%となっている。 連休明けの日経平均は依然上値の重い展開が継続。最高値更新を続ける欧米市場とは反対に上値切り下げを続ける日本株の独歩安の動きは今年2月下旬からのことで、週明けの戻りの鈍さはある程度想定していたが、28000円すらも維持できない動きを見て改めて弱さを感じる。 先日の安川電機<6506>の決算後の動きに続き、本日の日本電産の動きを見ても、当面日本株の上値は重いと想定しておいた方がよいだろう。日本電産の決算は完璧とはいえないものの、総じて良い内容だった。前四半期比で減収減益となった精密小型モータや車載向けも部材ひっ迫によるところが大きく、ネガティブ視する必要はなさそうなうえ、前回の本決算発表以降、株価は長らく調整していただけに、見直し買いが入ってもおかしくはなかった。前回決算発表時と同様、大きく積み上がったままの信用買い残が示す期待値の高さを超えることができなかったということか。 東京五輪が開幕され、今のところは感染者数が急増することもなく、大会は順調に進捗している。日本人のメダル獲得もすでに多く報告されており、明るいニュースも増えてきている。しかし、ワクチン接種のスピードが減速しているなかでの今後の新型コロナウイルスの感染動向など不透明要素は依然くすぶったままだ。 今週からは日本企業でも4-6月期決算発表がいよいよ本格化するが、製造業については、先んじて発表されている安川電機、日本電産の株価反応を見る限り、なかなか先回り買いは期待しづらいだろう。27日からは米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれることもあり、当面はこれまで通り、様子見ムードが継続しそうだ。 こうした中、投資家は決算を見極めたうえでの個別株物色に専念するしかないだろう。その際には、市場の期待値が高すぎないもの、それを示唆している信用残の動向なども参考に銘柄選びをするとよいかもしれない。また、本当に申し分ない良い決算を発表した銘柄は発表後のエントリーでも十分にリターンを取れるチャンスがある。地合いがそこまで良くないなか、無理に先回り買いをせず、決算内容を精査したうえで発表後にエントリーすることも一考に値しよう。また、その場合には、株価が急伸してはじまった寄り付き直後にまとめて買うよりは、引けまでの騰勢を確認しつつ分散して投資する戦略が奏功しやすいだろう。 ■ドル・円は弱含み、買い一巡後は失速 26日午前の東京市場でドル・円は弱含み、110円台半ばから前半に値を下げた。仲値にかけて国内勢によるドル買いが強まったが、買い一巡後は失速。また、米10年債利回りの低下で、ドルは主要通貨に対して下落している。ただ、日本株高で、円買いは抑制された。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は110円32銭から110円58銭、ユーロ・円は129円88銭から130円17銭、ユーロ・ドルは1.1763ドルから1.1775ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・元旦ビューティ工業<5935>、ゼット<8135>の、2銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップは、ファーストリテイリング<9983>、同2位が東京エレクトロン<8035> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・NZ・6月貿易収支:+2.61億NZドル(5月:+4.89億NZドル←+4.69億NZドル) 【要人発言】 ・イエレン米財務長官 「債務上限を巡り、財務省は特別な手段を始める」 「特別策は、議会休会終了後、すぐに失効する可能性も」 「連邦債務は8月2日まで上限に達する」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 23件
1605 東証プライム
2,005
11/22 15:30
+25(%)
時価総額 2,524,568百万円
国内最大の石油・天然ガス開発会社。旧社名は国際石油開発帝石。石油元売り大手などが主要取引先。イクシスLNGプロジェクトなど世界約20カ国でプロジェクト展開。再生可能エネルギーの安定収益化などに取り組む。 記:2024/07/29
3288 東証プライム
5,710
11/22 15:30
+34(%)
時価総額 688,980百万円
新築一戸建住宅等を手掛けるオープンハウスを中核とする持株会社。プレサンスコーポレーション、メルディア等も傘下に持つ。戸建分譲は首都圏等で年間実績トップ。アメリカ不動産事業では現地管理棟数が5000棟突破。 記:2024/10/05
3402 東証プライム
935
11/22 15:30
+13.1(%)
時価総額 1,525,435百万円
総合素材メーカー。1926年創業。繊維事業や機能化成品事業、炭素繊維複合材料事業、水処理事業、医薬事業等を展開。炭素繊維で世界トップシェア。繊維は産業用途が回復傾向。26.3期売上高2兆8000億円目標。 記:2024/06/18
3696 東証プライム
2,640
11/22 15:30
+311(%)
時価総額 31,904百万円
国内最大級のポイントサイト「モッピー」の運営等を行うモバイルサービス事業が主力。DX化支援、ブロックチェーン関連事業等も。モッピーの会員数は525万人超。ブロックチェーン関連はステーキングサービスが順調。 記:2024/06/15
4446 東証プライム
481
11/22 15:30
+3(%)
時価総額 6,817百万円
Link-U Technologies等を傘下に収める持株会社。マンガサービス事業が柱。マーケティング事業、制作事業も展開。中計では26.7期営業利益12億円目標。海外向けマンガサービスの強化などに注力。 記:2024/10/24
4684 東証プライム
4,825
11/22 15:30
-39(%)
時価総額 2,402,850百万円
独立系システムインテグレーター。統合業務ソフトウェア「OBIC7シリーズ」が主力。ERP市場で国内トップシェア。自社開発、直接販売に特徴。OBIC7シリーズのシステム構築売上は大手企業中心に順調。 記:2024/10/29
7,090
11/22 15:30
+110(%)
時価総額 534,614百万円
会計ソフト開発会社。財務会計や人事、給与等の会計パッケージソフト「奉行シリーズ」をクラウド中心に提供。中堅・中小企業がターゲット。クラウドなど成長分野への投資を継続。高付加価値サービスの提供に注力。 記:2024/10/21
4980 東証プライム
2,534
11/22 15:30
+110(%)
時価総額 457,825百万円
機能性材料メーカー。前身はソニーケミカル。ディスプレイ向け中心に、接合材料、光学材料、電子材料など製造、販売。ディスプレイ向け異方性誘導膜、光学弾性樹脂で世界トップシェア。異方性導電膜等が伸長。円安追い風。 記:2024/06/12
5074 東証プライム
278
11/22 15:30
-5(%)
時価総額 19,639百万円
エネルギープラント等の設計・調達・施工を行うエンジニアリング事業、再生可能エネルギー発電所の運営等を行うエネルギーサプライ事業を展開。蓄電システム関連事業などが注力領域。27.6期営業利益64億円目標。 記:2024/08/19
5401 東証プライム
3,125
11/22 15:30
+12(%)
時価総額 2,969,753百万円
国内最大、世界有数の製鉄会社。自動車用鋼板、電磁鋼板、高級シームレス鋼管で実績。日鉄エンジニアリングなどを傘下に収める。米鉄鋼大手USスチール買収へ。中国減速で需要や市況は伸び悩み。原材料高も響く。 記:2024/06/24
5406 東証プライム
1,626.5
11/22 15:30
+7(%)
時価総額 644,657百万円
1905年創業の鉄鋼大手。鋳鍛鋼製品等の素形材、製鉄プラント等のエンジニアリング、油圧ショベル等の建設機械、電力事業等も手掛ける。等方圧加圧装置で世界トップシェア。鉄鋼部門では引き続き価格転嫁を推進。 記:2024/06/18
5411 東証プライム
1,757
11/22 15:30
+7.5(%)
時価総額 1,123,493百万円
国内2位の鉄鋼メーカー。日本鋼管と川崎製鉄の経営統合により発足。鋼板を中心に多数の高付加価値製品を抱え、自動車用高級鋼板に強み。価格転嫁進める。高付加価値製品比率高まる。構造改革と海外拡大も進める。 記:2024/06/25
5423 東証プライム
1,470
11/22 15:30
+11(%)
時価総額 161,794百万円
国内最大手の電炉メーカー。1934年設立。主力製品のH形鋼は国内生産量トップ。電炉でコイル・厚板を生産できるのは同社のみ。無借金経営。引き続きコスト低減に取り組む。グリーン鋼材「ほぼゼロ」は好評。 記:2024/08/05
5935 東証スタンダード
2,075
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 8,005百万円
金属屋根製品の専門メーカー。住宅向けから大型建築物向けまで幅広く展開。自社品使用の屋根施工請負等も行う。神奈川県藤沢市に本社。フランチャイズ組織の始動により、一般住宅向け金属屋根製品の拡販を図る。 記:2024/10/25
6506 東証プライム
4,157
11/22 15:30
-70(%)
時価総額 1,108,630百万円
ACサーボモータ等のモーションコントロール、産業用ロボットが柱。1915年創業。鉄鋼用大型プラント設備、環境・エネルギー機器なども手掛ける。欧州地域のロボット生産体制を強化。販売力の強化にも取り組む。 記:2024/10/25
6594 東証プライム
2,858
11/22 15:30
-50(%)
時価総額 3,408,362百万円
総合モーターメーカー最大手。旧社名は日本電産。京都府京都市に本社。精密小型モーター、車載・産業用モーター、商業・産業用ロボットなどを手掛ける。電動パワステ用モーターなどに強み。車載向けは収益性最優先。 記:2024/10/14
6619 東証プライム
327
11/22 15:30
-2(%)
時価総額 18,031百万円
リチウムイオン二次電池用セパレータの製造、販売を行う。イオン交換膜事業等も手掛ける。売上構成比は車載向けが6割超。欧米、アジア地域のEV用電池メーカーなど新規顧客開拓図る。製品競争力の強化等にも注力。 記:2024/07/28
7187 東証プライム
1,272
11/22 15:30
-21(%)
時価総額 22,743百万円
家賃債務保証、医療費保証、養育費保証を手掛ける保証関連事業が主力。不動産仲介・管理業務等を行う不動産関連事業、IT関連事業も展開。店舗網などが強み。住居用賃料保証では販路拡大、営業強化に取り組む。 記:2024/08/20
7453 東証プライム
3,025
11/22 15:30
+25(%)
時価総額 849,360百万円
生活雑貨や衣服、食品等の販売を行う「無印良品」を国内展開。西友のプライベートブランドとして1980年に誕生。海外では「MUJI」を展開。店舗数は国内外で1300店舗超。国内では日用品好調。生産管理を効率化。 記:2024/10/20
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8135 東証スタンダード
345
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 6,935百万円
総合スポーツ商社。得意先は約4000社。野球用品などスポーツ用品の製造を行う製造部門、登山・アウトドア用品を扱う小売部門なども。在庫・物流改革に取り組む。海外チームのレプリカユニフォームなどが順調。 記:2024/07/01
8698 東証プライム
1,052
11/22 15:30
+28(%)
時価総額 271,360百万円
コインチェック、米TradeStationなどを傘下に収める持株会社。しずおかFGが筆頭株主。NTTドコモと資本業務提携。アセットマネジメント事業を強化。ロボアドバイザーサービスの運用残高は順調増。 記:2024/08/01
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25