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国内株式市場見通し:米雇用統計通過もこう着感、個別株物色中心

2021/7/3 17:56 FISCO
*17:56JST 国内株式市場見通し:米雇用統計通過もこう着感、個別株物色中心   ■米雇用統計前の様子見のなかじり安 今週の日経平均は軟調となった。週後半の米ISM製造業景況指数や週末の米雇用統計など、経済指標を前に様子見ムードが継続し、総じてこう着感の強い動きが続いた。週初はバイデン米大統領選が掲げるインフラ計画の法制化に向けた進展が支えとなったものの、日本独自の株高材料が見当たらないなか、29000円を明確に超えられない上値の重さが目立った。また、米インフラ計画の早期成立に対して懐疑的な見方が出ると、支援材料もなくなり、29日からは短期筋による先物主導の売りが見られるようになり、水準を切り下げる展開が続いた。30日も結局、月末最終営業日の株安アノマリーを完全には払拭できず3日続落。月替わりで7月に入ってからもムードはほとんど変わらなかった。オリンピック開催に向けての国内での新型コロナウイルス感染第5波なども懸念されるなか、海外勢の先物売りが続き、1日には28000円台半ば近くまで下げる場面も見られた。週末は、米雇用統計を直前に売り方の買い戻しが入り反発したが、朝方の買い一巡後はじり安となり、戻りは限定的となった。 ■独自の株高材料乏しく、ETF換金売りも重しに 来週の日経平均は上値の重い展開か。注目の6月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が85万人増え、市場予測(70万人程度)を上回ったほか前月(58万人)よりも拡大した。しかし、5月に発表された4月の米消費者物価指数(CPI)がもたらした、いわゆる“CPIショック”以降、各連銀総裁の量的緩和縮小(テーパリング)を許容する発言、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派姿勢へのシフトなど、これまでの多くの材料に神経質に反応してきた分、相場は大分耐性をつけてきた様子。実際、週末の米国市場では米長期金利が1.4%台前半に一段と低下したほか、株式市場もハイテクから景気敏感まで総じて上昇した。週初の東京市場も目先の安心感から堅調な出だしとなりそうだ。 一方、耐性がついてきたとはいえ、テーパリングの本格的な議論開始が予想されている8月のジャクソンホール会合や9月のFOMCまでは、警戒感が完全に払しょくされることはないだろう。また、日本独自の株高材料に乏しいなか、国内ではオリンピック開催前後における新型コロナウイルス感染第5波など特有の警戒要素もくすぶる。加えて、来週は上場投資信託(ETF)の分配金捻出のための換金売りが週末にかけて集中している。今年は全体で8000億円規模の売りが想定されており、需給面での重しが指数の上値を抑えそうだ。 ただ、明るい材料も散見される。先日発表された2021年4-6月期を対象とした日銀短観によれば、大企業の製造業および非製造業の設備投資計画(前年比)は、製造業で4倍超(3.2%から13.3%へ)、非製造業でも2.5倍超(2.9%から7.4%)へと大きく改善したうえ、市場予想もそれぞれ上回った。とりわけ、製造業の市場予想は9.2%だったため、上振れ度合いが大きい。 さらに、業況判断(DI)を業種別でみると、半導体製造装置などを含む生産用機械や、自動車において「先行き」の改善が確認された。半導体はスマホやPCといった家電から、ゲーム機、電気自動車(EV)、高速通信規格「5G」、データセンターなどまで広範囲での需要増大に加え、サプライチェーンの乱れから需給の逼迫が来年後半まで続くとの見方も一部にあるなか、好況が裏付けられた形だ。加えて、日本半導体製造装置協会(SEAJ)が7月1日に、2021年度の日本製の半導体製造装置の販売額が20年度比で22.5%増の2兆9200億円になるとの予測を発表している。1月時点の予測を4200億円上回り、2年連続で過去最高を更新する見込みだ。 自動車も、足元は半導体不足でDIが悪化したが、今後は半導体不足が徐々に解消されることが想定され、先行きは改善する見込み。また、ドル円相場も1ドル=111円台半ばにまで円安が進展しており、主力企業の2021年度の想定為替レートが1ドル=105円台にあることを踏まえれば、上振れ期待に繋がる。 ■小売決算続々、週末は安川電機 引き続き小売企業を中心に決算が多く予定されている。今週は、Jフロント<3086>やアダストリア<2685>が冴えない反応となった一方、しまむら<8227>、ニトリHD<9843>などが大幅高となった。また、ヒマラヤ<7514>は、直後は出尽くし感が先行して売られたものの、週末にかけては切り返した。このように、小売決算ではポジティブ視する動きも散見された。引き続きポジティブな反応とネガティブな反応、どちらが優勢となるか注目したい。 また、週後半には竹内製作所<6432>、SHIFT<3697>、安川電機<6506>など小売以外でも注目度の高い企業決算が予定されている。特に週末の安川電機の決算は内容が消化されるのは翌週となるが非常に注目だ。振り返ってみれば、前回の12-2月期決算では、好内容にもかかわらず市場予想に届かなかったことで安川電機の株価が急落。これを機にガイダンスリスクが意識され、その後の製造業決算に対する懸念が高まった。今回は、逆に懸念を振り払ってくれるような結果になるのか、それとも、前回の二の舞となってしまうのか、注目だ。 ■米6月ISM非製造業景況指数、6月景気ウォッチャー調査など なお、来週は6日に5月家計調査、5月毎月勤労統計調査、米6月ISM非製造業景況指数、7日に5月景気動向指数、8日に6月景気ウォッチャー調査、9日に7月限オプション取引特別清算指数算出(SQ)、中国6月生産者/消費者物価指数、G20財務相・中央銀行総裁会議などが予定されている。 《FA》
関連銘柄 8件
2685 東証プライム
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+85(%)
時価総額 170,068百万円
複数のアパレルブランドを展開する製造小売り。海外は中華圏を中心に東南アジア進出を狙う。新事業として飲食を育成。24.2期3Q累計は国内が堅調。海外は中国の回復に遅れも台湾が好調。通期最高業績・増配を計画。 記:2024/02/05
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4/23 15:00
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時価総額 401,385百万円
大手百貨店。傘下に大丸松坂屋百貨店やファッションビル大手のパルコ、博多大丸、ギンザシックスなど。百貨店事業は収益伸長。大丸心斎橋店、大丸京都店はインバウンド売上が堅調。24.2期3Q累計は2桁増収増益。 記:2024/01/27
3697 東証プライム
16,005
4/23 15:00
-590(%)
時価総額 285,065百万円
ソフトウェアの品質保証・テスト専門会社。企業向け基幹システムのソフトウェアテストやセキュリティなどを展開。エンタープライズ向けテストに強み。ロイヤルカスタマーの顧客単価が拡大し、1Qは増収・営業増益。 記:2024/01/28
6432 東証プライム
5,930
4/23 15:00
+180(%)
時価総額 290,564百万円
小型建設機械メーカー。世界で初めて油圧式ミニショベルやクローラローダを開発。ミニショベル「TB320」などを市場投入。日本は収益伸長。販売台数の増加や円安効果などが寄与。24.2期3Qは大幅増益。 記:2024/02/02
6506 東証プライム
6,220
4/23 15:00
+71(%)
時価総額 1,658,812百万円
メカトロニクス・ロボットメーカー。サーボモータとインバータは世界シェアトップ。産業用、半導体製造装置用ロボット等も。モーションコントロール部門は堅調。インバータ事業が牽引。24.2期3Q累計は増収。 記:2024/01/27
7514 東証スタンダード
915
4/23 15:00
±0(%)
時価総額 11,274百万円
スポーツ用品店大手。ゴルフ用品業態も。地盤の岐阜県から全国に展開。24.8期1Qはキャンプ用品やゴルフ用品のブーム需要が一巡。暖冬による秋冬衣料の値下げ販売増も利益押し下げ要因に。通期では増収増益を計画。 記:2024/02/07
8227 東証プライム
7,647
4/23 15:00
+218(%)
時価総額 564,555百万円
衣料量販店「ファッションセターしまむら」を運営。低価格の衣料に強み。若者向け業態「アベイル」やベビー業態「バースデイ」も展開。アプリ会員は500万人超。品揃え拡充や地域対応強化が奏功し3Q累計は増収増益。 記:2024/01/26
9843 東証プライム
21,295
4/23 15:00
-185(%)
時価総額 2,437,064百万円
家具・インテリア最大手。企画、製造、物流、販売の一貫体制を構築。商品の8割超を自社開発し、9割超を海外調達。富士通の配送最適化技術を活用した配送ルート作成の運用を開始。業容好調で3Q累計は増収・増益。 記:2024/02/09