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後場に注目すべき3つのポイント~警戒指標点灯に「株高が示す将来不安」

2021/3/4 12:27 FISCO
*12:27JST 後場に注目すべき3つのポイント~警戒指標点灯に「株高が示す将来不安」 4日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は反発、手掛かり材料難のなか米雇用関連指標を前に様子見ムード ・ドル・円は底堅い、米長期金利にらみ ・値下がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位がソフトバンクG<9984> ■日経平均は大幅反落、警戒指標点灯に「株高が示す将来不安」 日経平均は大幅反落。554.69円安の29004.41円(出来高概算6億2000万株)で前場の取引を終えている。 3日の米株式市場でNYダウは続落し、121ドル安となった。バイデン政権が5月末までに全国民に十分な量の新型コロナウイルスワクチンが確保できると発表し、従来の予定が前倒しされたことを好感して上昇する場面もあった。しかし、2月のADP雇用統計やサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況指数が市場予想を下回ったほか、長期金利の上昇が警戒されてハイテク株の売りに拍車がかかった。ナスダック総合指数は2.7%、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3.1%の下落となった。本日の日経平均はこうした流れを引き継いで360円安からスタートし、前引けにかけて一時28986.02円(573.08円安)まで下落した。 個別では、ソフトバンクG<9984>が売買代金トップで5%を超える下落となり、ファーストリテ<9983>、任天堂<7974>、ソニー<6758>、東エレク<8035>といった値がさグロース(成長)株の軟調ぶりが目立つ。また、ニッケル等の非鉄金属市況の下落に伴って住友鉱<5713>が急落。宮越HD<6620>、MDV<3902>などとともに東証1部下落率上位に顔を出している。一方、売買代金上位では日立造<7004>が逆行高。容量が世界最大級となる全固体電池を開発したと報じられ、ストップ高水準で前場を折り返している。一部証券会社の目標株価引き上げが観測されたJVCKW<6632>も東証1部上昇率上位に顔を出し、大規模な自社株買い実施を発表したリコー<7752>はストップ高水準での買い気配が続いている。 セクターでは、非鉄金属、情報・通信業、その他製品などが下落率上位で、その他も全般軟調。半面、海運業、不動産業、水産・農林業など4業種が上昇した。東証1部の値下がり銘柄は全体の79%、対して値上がり銘柄は17%となっている。 本日の日経平均は米株安の流れを引き継いでスタートし、その後も下げ幅を広げる展開となっている。前日の米国市場では長期金利が一時1.49%まで上昇。更なる金利急騰が警戒されてナスダック総合指数は2%を超える下落となり、週足ベースでもこれまでの上昇局面での下値支持線を明確に割り込んできた印象だ。「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)は26.67(+2.57)に上昇し、一部では米株の急落を予兆するシグナルである「ヒンデンブルグオーメン」が点灯したことも取りざたされている。 今週に入り、東証1部の1日の売買代金は2兆円台半ばとやや低調に推移していた。5日に予定される雇用統計など、2月の米経済指標の発表が相次ぐことから様子見ムードが強まっているのだろう。それだけに、上述したような警戒材料から売りが出れば、日経平均は大きく下に振らされやすいと考えられる。 これまでの上昇ピッチが急だっただけに、市場関係者の多くは新型コロナワクチン普及による景気持ち直しへの期待などから「一時的な調整」との見方を崩していないようだ。3月期末にかけて年金基金等が株高で上昇した株式保有比率を目標値まで落とすため、断続的に売りを出しているとみられる一方、期末前後には1兆円規模の配当再投資目的の買いが入るとの期待もある。 ただ、本日の日経平均の弱い動きを見ると、市場参加者はそうした強気な意見を額面どおり受け止めていないのかもしれない。ヒンデンブルグオーメンが前回点灯したのは昨年1月28日とされており、その後「コロナショック」が発生したのは周知のとおり。警戒感が高まるのもやむを得ないだろう。 また、米国のブレークイーブン・インフレ率(期待インフレ率の指標)は2.2%台で高止まり。「インフレ加速」への警戒感も依然拭えない。折しも日本ではファーストリテ傘下の「ユニクロ」「GU(ジーユー)」が実質値下げを発表。長くデフレにあえいでいた日本の物価は「我が道を行っている」と指摘する外資系証券もあるが、翻せば人々の将来不安と正解防衛意識が強いことの現れだろう。 「物価の上昇」は「マネーの減価」と表裏一体だ。米民主党政権は発足早々、新型コロナ対策として大規模な財政支出を実施、米連邦準備理事会(FRB)もかねてこれを催促していた手前、積極的に後押しするだろう。マネーが一段とだぶつくことになれば、その減価も改めて意識されやすい。 日本は生活物価の下押し圧力が強く、「マネーの減価」というのが理解しにくいところだが、「アベノミクス」以降の株高や不動産価格の上昇を見ると、「マネーの減価」はやはり着実に進行している感がある。問題はこれとともに名目賃金が伸びるか、実質所得を維持・向上できるかだ。良質・安価な商品の提供に努めるファーストリテの経済圏拡大を見るに、人々がそうした期待を持っているようには思えない。財政支出は「フリーランチ」ではないし、コロナ禍は雇用というものがいかにもろいかを示した。 人々の株式投資意欲が根強いのは「将来不安」への防衛意識が働いているからと考えると、株式相場が高値圏で大きく揺れるのにも納得感がある。 (小林大純) ■ドル・円は底堅い、米長期金利にらみ 4日午前の東京市場でドル・円は底堅く推移し、107円付近の水準を維持した。日経平均株価は大幅安となり、日本株安を嫌気した円買いが主要通貨を下押ししている。ただ、米10年債利回りは高水準を維持しドルは売りづらく、対円では小幅に値を上げた。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は106円97銭から107円10銭、ユーロ・円は128円98銭から129円14銭、ユーロ・ドルは1.2044ドルから1.2067ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・ビットワングループ<2338>、ナトコ<4627>など、5銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位がソフトバンクG<9984> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・豪・1月貿易収支:+101.42 億豪ドル(予想:+68.50億豪ドル、12月:+71.33億豪ドル←+67.85億豪ドル) 【要人発言】 ・メルケル独首相 「ロックダウンを段階的に解除する道筋を探る」 <国内> ・12:35 30年国債入札の結果発表予定 <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 13件
2338 東証スタンダード
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11/22 15:30
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時価総額 20,875百万円
AIソリューション事業を展開。AIエンタープライズソリューション事業、AIインフラ事業、AIゲーム事業を手掛ける。アイラッシュケア事業も。AI関連事業の展開を加速。アイラッシュケア事業は黒字転換目指す。 記:2024/10/22
442
11/22 15:30
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時価総額 17,692百万円
医療情報統合システムの製作・販売、医療データの分析・調査・コンサル等を行う。病院経営改善アプリケーション「MDV Act」などを手掛ける。SBIHDが筆頭株主。クラウド型健診システムの拡販を図る。 記:2024/08/29
4627 東証スタンダード
1,342
11/22 15:30
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時価総額 10,929百万円
金属用塗料、内外装建材用塗料の製造・販売等を行う塗料事業が主力。使用済み溶剤の回収・蒸留再生等を行う蒸留事業、ファインケミカル事業も手掛ける。景観資材向け意匠性・機能性塗料、屋根用遮熱塗料は採用増。 記:2024/08/26
5713 東証プライム
3,823
11/22 15:30
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時価総額 1,111,782百万円
総合非鉄素材メーカー。1590年創業。住友グループの源流。資源開発、銅など非鉄金属の製錬、機能性材料の製造・販売等を行う。材料事業では車載用電池材料の需要が底堅い。資源部門では菱刈鉱山が順調な操業継続。 記:2024/07/02
6620 東証プライム
1,874
11/22 15:30
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時価総額 74,988百万円
中国・深センで不動産の賃貸管理、開発事業を展開。深センでワールド・イノベーション・センタープロジェクトを進める。深セン市政府の委嘱を受けて企業誘致を行う。不動産賃貸管理事業の収益基盤強化などを図る。 記:2024/07/28
6632 東証プライム
1,478
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カーナビ等の車載機器、無線システム、音響機器等を手掛ける電機メーカー。日本ビクターとケンウッドの経営統合により誕生。中計では26.3期売上高3700億円以上目標。ゲーム・アニメ事業の強化等に取り組む。 記:2024/06/04
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
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時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
7004 東証プライム
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ごみ焼却発電施設、海水淡水化プラント等の建設を行う環境部門が主力。1881年創業。ごみ焼却発電施設で世界シェアトップクラス。精密機械、風力発電等も。25.3期は営業増益計画。環境事業の収益改善等を見込む。 記:2024/07/04
7752 東証プライム
1,647
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+35(%)
時価総額 966,771百万円
大手複合機メーカー。1936年創業。プリンターやオフィス機器消耗品、電子黒板、ITインフラ、ヘルスケア関連システム等も。海外売上高比率は6割超。25.3期はオフィスサービス事業の堅実な成長などを見込む。 記:2024/06/18
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,250
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時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
9983 東証プライム
49,020
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+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17