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後場に注目すべき3つのポイント~高値警戒感から寄り後は利益確定売りに押される

2020/11/30 13:05 FISCO
*13:05JST 後場に注目すべき3つのポイント~高値警戒感から寄り後は利益確定売りに押される 30日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は5日続伸、高値警戒感から寄り後は利益確定売りに押される ・ドル・円は軟調、ドル売りで104円割れ ・値下がり寄与トップはKDDI<9433>、同2位がアステラス製薬<4503> ■日経平均は5日続伸、高値警戒感から寄り後は利益確定売りに押される 日経平均は5日続伸。22.20円高の26666.91円(出来高概算5億9128万株)で前場の取引を終えている。 前週末27日の米国株式相場は上昇。ダウ平均は37.90ドル高の29910.37ドル、ナスダックは111.44ポイント高の12205.85ポイントで取引を終了した。新型コロナワクチンへの期待に加え、感謝祭当日の小売り各社オンライン売り上げが過去最高規模を記録したことや、政局不透明感の後退も手伝い概ね堅調に推移。ナスダック総合指数は史上最高値を更新して終了した。 米国株高を受けた今日の東京株式市場は買いが先行した。日本でもワクチン実用化や米政権のスムーズな移行への期待感が株価支援要因となった。また、3月決算企業の中間配当支払い時期を迎えており、配当の再投資による株価押上げ効果も指摘された。一方、日経平均は先週末までの4日間で1100円を超す上げとなっていることもあり、寄り後は利益確定売りに押される展開となった。 個別では、三井不<8801>が買収すると発表した東京ドーム<9681>がTOB価格1300円を上回る水準でストップ高買い気配となり、世界最速の錠剤検査装置を開発したと発表した池上通信機<6771>がストップ高まで買われた。また、台湾シリコンウエハーメーカーが独の同業買収で交渉中との報道が手掛かりとなったSUMCO<3436>、オンライン診療で関連法案を21年通常国会へ提出するとの報道を受けたMDV<3902>、エムスリー<2413>、奈良県立医科大学がお茶による新型コロナ不活化効果を確認したと発表したことを受けたティーライフ<3172>、伊藤園<2593>、今晩発表の米ズームの8-10月期決算への期待感も手掛かりとなったブイキューブ<3681>が上げた。また、公募増資と株式売出しを発表したANA<9202>は増資は織り込み済みとの見方から小幅高となった。 一方、11月度既存店売上高が4カ月連続前年割れとなったクスリのアオキHD<3549>、東京ドームに対するTOBを巡り資金負担の増加が懸念された三井不が下げた。 セクターでは、金属製品、海運業、情報・通信業、その他製品、電気機器などが値上がり率上位。一方、石油石炭製品、鉱業、ゴム製品、陸運業、銀行業などが値下がり率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の30%、対して値下がり銘柄は66%となっている。 引き続き、バリュー株かグロース株かの議論が続いている。新型コロナワクチン実用化へ向け前進すれば経済活動の本格的な再開期待からバリュー株優位となり、足元の感染拡大が意識される局面ではグロース株に関心が向く。この繰り返しだ。 ここでふと思う。バリュー株、グロース株とは何か。この夏、「米テスラの時価総額がトヨタ自動車<7203>を抜いた」というニュースが注目された。市場ではテスラはグロース株の代表企業のように語られ、トヨタはバリュー株として取り上げられることが多く、市場ではこのニュースはグロース株優位の典型的な事例としても取り上げられた。2社の時価総額逆転は、2つの自動車メーカーの時価総額順位が入れ替わっただけなのだが。 テスラはご存じのとおり、実業家イーロン・マスク氏が率いる米国の電気自動車(EV)メーカーだ。イーロン・マスク氏は、つい先日、日本人宇宙飛行士である野口聡一さんたち4人を宇宙船「クルードラゴン」で国際宇宙ステーションに運んだスペースX社のCEOでもあり、さらにその後、テスラがエアコンに進出すると伝えられ、株式市場でも手掛かり材料となった。常に話題の最前線にいて、先進的なイメージがある人物だ。 片やトヨタ。世界トップクラスの販売台数を誇り、ハイブリッド車などの先進市場を開拓してきた日本を代表する自動車メーカーだ。その技術力は間違いなく世界トップクラスだろう。社長兼CEOは豊田章男氏。豊田家直系ということもあり、世間では「伝統」とか「家系」というイメージで語られやすい。イーロン・マスク氏とは世間一般のイメージが対極にあるようにも思える。 このような両氏の「イメージ」によって両社株がバリュー株、グロース株に分類されているわけではないだろが、全く影響していないとも言えないかもしれない。バリュー株、グロース株の議論は活発だが、その定義はかなり曖昧なものに思える。この件についてはもう少し考えてみたいが、紙面の都合で次に回す。 さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。相場の先高観は強いものの、目先高値警戒感も強くなっており、上値追いには慎重なムードが強い。また、外為市場で1ドル=103円80銭台と朝方に比べ20銭ほど円高・ドル安に振れていることも株価の重しとなりそうだ。 ■ドル・円は軟調、ドル売りで104円割れ 30日午前の東京市場でドル・円は軟調。日本株高でリスク選好ムードが広がるなか仲値にかけてドル売りが強まり、104円を割り込んだ。ただ、日本株高を好感した円売りも観測されクロス円は下げづらく、ドル・円の一段の下げを抑制しているようだ。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は103円83銭から104円16銭、ユーロ・円は124円31銭から124円67銭、ユーロ・ドルは1.1962ドルから1.1974ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・不二精機<6400>、ニューラルポケット<4056>など、16銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップはKDDI<9433>、同2位がアステラス製薬<4503> ■経済指標・要人発言 【要人発言】 ・デギンドスECB副総裁 「年末時点でのマイナス成長は現実的だが、中期的見通しはより明るい」 【経済指標】 ・日・10月鉱工業生産速報値:前月比+3.8%(予想:+2.2%、9月:+3.9%) ・中・11月製造業PMI:52.1(予想:51.5、10月:51.4) ・中・11月非製造業PMI:56.4(予想:56.0、10月:56.2) <国内> 特になし <海外> 特になし 《HH》
関連銘柄 16件
2413 東証プライム
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時価総額 967,675百万円
医療従事者専門サイト「m3.com」を運営。製薬企業の薬剤プロモーション・マーケティング支援、薬剤師向け求人情報サイト「薬キャリ」の運営等も。メディカルプラットフォームでは医療現場のDX化支援が順調。 記:2024/07/29
2593 東証プライム
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時価総額 280,126百万円
清涼飲料メーカー。国内緑茶飲料市場でトップシェア。お~いお茶が主力。タリーズコーヒージャパンを傘下に収める。米国など海外展開も。中計では27.4期ROE10%以上目標。お~いお茶のグローバル化等に注力。 記:2024/06/04
3172 東証スタンダード
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3436 東証プライム
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+4.5(%)
時価総額 438,769百万円
半導体用シリコンウェーハの製造・販売を行う。TSMCなど半導体メーカーが主要取引先。日本、米国、台湾などに製造拠点。海外売上高比率が高い。AI活用による生産性改善などコスト競争力の強化に取り組む。 記:2024/08/30
3,303
11/22 15:30
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北陸最大手のドラッグストアチェーン。ドラッグストア「クスリのアオキ」を運営。1869年創業。石川県白山市に本社。グループ店舗数は950店舗超。調剤併設率の向上、生鮮食品の導入など品揃え強化を図る。 記:2024/10/20
3681 東証プライム
226
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汎用Web会議システムの販売等を行うエンタープライズDX事業、セミナー配信プロダクトの提供等を行うイベントDX事業が柱。防音個室ブース「テレキューブ」等も。イベントDX事業は生成AI活用等で製品力を強化。 記:2024/10/05
442
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時価総額 17,692百万円
医療情報統合システムの製作・販売、医療データの分析・調査・コンサル等を行う。病院経営改善アプリケーション「MDV Act」などを手掛ける。SBIHDが筆頭株主。クラウド型健診システムの拡販を図る。 記:2024/08/29
4056 東証グロース
847
11/22 15:30
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時価総額 12,993百万円
AIエンジニアリング事業を展開。駐車場満空把握「デジパーク」、ナンバープレート解析ソリューション「デジスルー」、在宅勤務支援ツール「リモデスク」等を手掛ける。ソニーと資本業務提携。原価率改善等に取り組む。 記:2024/10/08
4503 東証プライム
1,562
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時価総額 2,826,694百万円
国内大手製薬会社。前立腺がん治療剤「XTANDI」や急性骨髄性白血病治療剤「XOSPATA」などが主要製品。海外売上高比率が高い。25.3期は尿路上皮がん治療剤「PADCEV」の成長などを見込む。 記:2024/06/24
6400 東証スタンダード
242
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時価総額 2,191百万円
自動車部品用成形品を主力製品とする精密成形品その他事業、射出成形用精密金型及び成形システム事業を展開。ハイサイクル、多数個取りの金型技術が強み。精密金型事業では医療用品分野、食品容器分野の顧客開拓に注力。 記:2024/10/06
6771 東証スタンダード
639
11/22 15:30
+1(%)
時価総額 4,656百万円
放送用カメラシステム、放送用モニタ、映像制作・送出システム等を手掛ける放送機器メーカー。1946年創業。セキュリティ、メディカルなど事業領域拡大。4K/HDマルチパーパスカメラ「UHL-X40」を新開発。 記:2024/10/14
7203 東証プライム
2,664.5
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時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
8801 東証プライム
1,257
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時価総額 3,534,336百万円
大手総合デベロッパー。オフィスビル、商業施設等の賃貸が主力。連結子会社に三井不動産レジデンシャル、三井不動産リアルティ、東京ドームなど。データセンター事業の強化図る。27.3期純利益2700億円以上目標。 記:2024/08/30
9202 東証プライム
2,838
11/22 15:30
+0.5(%)
時価総額 1,374,426百万円
国内最大手の航空会社。全日本空輸(ANA)が中核。ピーチ、エアージャパンなども傘下に持つ。航空事業のほか、旅行事業、商社事業等も手掛ける。国際線、国内線ともに旅客需要増。貨物事業の拡大等に取り組む。 記:2024/08/02
9433 東証プライム
5,030
11/22 15:30
+35(%)
時価総額 11,024,985百万円
国内シェア2位の大手通信キャリア。auブランドの携帯電話が主力。沖縄セルラー電話、JCOMなどを傘下に持つ。ローソンへのTOBは成立。au PAYカードの会員数が944万人を突破するなど金融事業は順調。 記:2024/06/04
9681 東証1部
1,299
4/22 15:00
+1(%)
時価総額 124,518百万円
東京ドームシティの運営会社。東京ドームやスパ、アトラクション施設の運営が主力。コスメ店の運営、不動産賃貸等も行う。21.1期はコロナ禍によるスポーツやコンサート、イベント等の中止、延期、動員制限が響いた。 記:2021/03/22