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東京都知事選の争点は?【フィスコ・コラム】
2020/6/14 9:00
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*09:00JST 東京都知事選の争点は?【フィスコ・コラム】 7月5日投開票の東京都知事選まで1カ月を切り、6月18日の告示日に向け情報戦が繰り広げられています。今のところ立候補者や各党による思惑ばかりに注目が集まっていますが、今後の政策論戦で何が争点になっていくのでしょうか。 現職の小池百合子知事は、再選を目指し出馬を表明しました。選挙戦では新型コロナウイルスの感染防止対策や経済の立て直しなどを訴える方針です。都議会で小池氏と対立関係にある自民党は独自候補の擁立を見送り、現時点で優勢とされています。ただ、雑誌報道などをきっかけに学歴詐称疑惑が再浮上しており、さらには公約実現の信ぴょう性も問われそうです。 都知事選のこれまでの候補者をみると、作家やジャーナリスト、国会議員、元地方の首長、発明家、IT社長と、言ってみれば「異種格闘技戦での人気投票」の側面もあります。そこに主要政党の思惑が絡み合った政争の色合いが濃く、どちらかといえば政策は二の次になりがちです。最近では2014年に原発ゼロをめぐる是非が争点になったことぐらいしか思い浮かびません。 その時に舛添要一氏に敗れたものの、12年に続き次点となった元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏が無所属で立候補。3回目となる今回も、小池氏に次ぐ有力候補とみられています。同氏はコロナ対策として補償の徹底やPCR検査の拡充といった「緊急3課題」を公約に掲げています。また、学校給食の完全無償化なども打ち出し、小池氏との論戦に挑む方針です。 今回は都の財政がクローズアップされる可能性があります。税収や都債の発行による保有資金は9年ぶりに減少する見通しです。またコロナ支援の編成で、当初予定よりもさらに大きく資金の減少が見込まれているためです。この夏に予定されていたオリンピック・パラリンピックの延期で歳入減も避けられず、増税につながりかねないため都民からは厳しい目が向けられるでしょう。 足元ではオリンピック・パラリンピックの来年開催に疑念があり、今後の行方が注目されます。小池氏は、感染抑止の観点から大会の簡素化を目指す考えを示しています。それに対し、宇都宮氏は延期しても開催が困難なら、中止の早期決定を主張しており、その予算があれば生命を救えるとの持論を展開。中止なら都の財政にも響くため、関心の高いテーマになります。 これまでの都知事選の当選者をたどっていくと、東京の有権者は「保守」「知名度」を重視する傾向が鮮明で、小池氏再選のメーンシナリオは揺るがないでしょう。ただ、宇都宮氏や出馬を検討中の山本太郎れいわ新選組代表などを交えた激しい論戦で政策本位の選挙となれば、必ずしも小池氏圧勝とはならないかもしれません。選挙は候補者だけでなく、有権者の見識も問われています。 ※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。 (吉池 威) 《YN》
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