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後場に注目すべき3つのポイント~海外勢の「買い戻し余地」と「次の一手」を考察

2020/6/9 12:40 FISCO
*12:40JST 後場に注目すべき3つのポイント~海外勢の「買い戻し余地」と「次の一手」を考察 9日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は7日ぶり反落、海外勢の「買い戻し余地」と「次の一手」を考察 ・ドル・円は下げ渋り、日本株の下げ幅縮小で ・値下がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がアドバンテスト<6857> ■日経平均は7日ぶり反落、海外勢の「買い戻し余地」と「次の一手」を考察 日経平均は7日ぶり反落。147.33円安の23030.77円(出来高概算8億1000万株)で前場の取引を終えている。 週明け8日の米株式市場でNYダウは6日続伸し、461ドル高となった。前週末に発表された5月雇用統計が予想外に改善したうえ、全米経済への貢献度が高く、新型コロナウイルスの感染被害の大きかったニューヨーク市が8日から第1段階の活動を再開したため、景気回復への期待が高まった。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も続伸し、過去最高値を更新。S&P500指数は年初来でプラスとなった。ただ、米長期金利の低下とともに為替相場が1ドル=108円台と円高方向に振れ、本日の日経平均は42円安からスタート。前日に節目の23000円台を回復したことで、高値警戒感から朝方には22933.14円(244.96円安)まで下落する場面もあったが、売りが一巡すると下げ渋る展開となった。 個別では、三菱UFJ<8306>などのメガバンク株やトヨタ自<7203>などの自動車株、東エレク<8035>などの半導体関連株が軟調。トヨタ自は高級車ブランド「レクサス」の新型車発表を延期すると報じられている。アドバンテス<6857>や日産自<7201>は5%超の下落となった。ソニー<6758>は小安い。また、朝日放送HD<9405>などが東証1部下落率上位に顔を出した。一方、日経平均への寄与が大きいソフトバンクG<9984>とファーストリテ<9983>が揃って堅調。任天堂<7974>やキーエンス<6861>は小高い。LIXILビバ<3564>の買収報道が伝わったアークランド<9842>や5月の仲介契約件数が急回復したオープンハウス<3288>は大きく上昇し、ワイヤレスG<9419>はストップ高水準で前場を折り返した。 セクターでは、鉄鋼、海運業、非鉄金属などが下落率上位。半面、情報・通信業、電気・ガス業、食料品などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の66%、対して値上がり銘柄は30%となっている。 日経平均は前日、およそ3カ月半ぶりに節目の23000円を回復した。本日は為替相場の円安一服などをきっかけに利益確定売り優勢で、朝方には23000円を割り込む場面も見られた。ただ、日足チャートで22900円手前に位置する5日移動平均線を割り込むことはなく、前引けでは23000円台をキープ。前日までの6営業日でおよそ1300円上昇した後の反動としては、むしろ底堅い展開と言えるだろう。売買代金上位や業種別騰落率を見ると、経済再開期待や金利上昇を手掛かりに戻りを試していたシクリカルバリュー株(景気敏感系の割安株)を中心に反落。ここまでの東証1部売買代金は1兆2000億円あまりで、前日ほどには膨らんでいない。 新興市場ではマザーズ指数が3日続伸。前週3日の取引時間中に付けた高値(1022.39pt)には届いていないが、前週来の金利上昇局面でも押し目らしい押し目はなく、個人投資家の新興株物色意欲は根強いようだ。マザーズ指数は日柄調整しつつ、循環的な物色が続くとみられる。 前引けの東証株価指数(TOPIX)は0.44%の下落で、後場に日銀による上場投資信託(ETF)買い入れが実施されるかは見通せない。しかし、アジア株式市場では香港ハンセン指数などが堅調で、時間外取引のNYダウ先物も足元でプラス転換しているもよう。後場の日経平均は改めて下値を試すような動きとはならないだろう。 さて、前週末の当欄で一段の買い戻しの広がりと日経平均の23000円台回復について予測したが、米雇用の急回復を背景に週明け早々に達成した格好だ。23000円手前で日経平均の下落を見込んだ個人投資家による日経レバETF<1570>や日経ダブルイン<1357>の取引が見られたが、早くも修正を迫られたとみられる。 23000円といえばコロナショック前の2月下旬以前の水準であり、「ここまでくれば海外投資家の買い戻し余地はさすがに乏しくなる」との見方が投資家や各種メディアにあり、上げ一服の論拠となっているように見受けられる。しかし、重ねて指摘しているとおり海外投資家の買い戻し余地はなお残るとみておいた方がいいだろう。 週次の投資主体別売買動向で、日経平均の急落が始まった2月24日週から直近データが開示されている5月25日週までの外国人投資家の売買動向を見てみたい。TOPIX先物は合計で1兆2000億円程度の売り越し、日経平均先物は1兆7000億円超の売り越しとなっている。 さらに、(1)2月24日週から日経平均が安値を付けた3月16日週、(2)その後の戻り局面である3月23日週から5月11日週、(3)買い戻しが強まった5月18日週と5月25日週、の3期間に分けて見てみる。TOPIX先物については、1兆3000億円強の売り越し→4000億円強の売り越し→6000億円強の買い越しで推移。日経平均先物は1兆4000億円強の売り越し→4000億円強の売り越し→1000億円強の買い越しだ。「そろそろ買い戻し一服」論は(2)の期間に買い戻しが進んだとの認識が背景にあるように見受けられるが、実際に海外勢が本格的な買い戻しに動きだしたのはごく最近であることが分かる。なお、現物株は目立った買い越し局面なく、3期間合計で3兆5000億円以上の売り越しだ。 また、「二番底シナリオ」に賭けて敗れた機関投資家が次にどう動くのかも考えてみたい。買い戻すだけなら負けて終了だ。足元で「バブルでも乗らざるを得ない」との声が増えてきたことが証券各社のレポートや報道でも分かる。いたずらに「バブル」をあおりたくはないが、慎重派の投資家は思わぬ「一段の株高リスク」も念頭に置いておく必要があることを指摘しておきたい。 ■ドル・円は下げ渋り、日本株の下げ幅縮小で 9日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り。朝方の108円半ばから日経平均株価の軟調地合いを手がかりに円買いに振れ、ドルは一時107円90銭付近まで弱含んだ。ただ、その後日本株が下げ幅を縮小したことで円買いは抑制され、ドルは108円台に戻している。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は107円94銭から108円54銭、ユーロ・円は121円92銭から122円61銭、ユーロ・ドルは1.1289ドルから1.1315ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・ウイルコホールディングス<7831>、ワイヤレスゲート<9419>など、7銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がアドバンテスト<6857> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・日・4月毎月勤労統計・現金給与総額:前年比-0.6%(予想:-1.0%、3月:+0.1%) ・日・5月マネーストックM3:前年比+4.1%(予想:+3.1%、4月:+3.0%) <国内> 特になし <海外> ・14:45 スイス・5月失業率(予想:3.5%、4月:3.3%) ・15:00 独・4月貿易収支(予想:+116億ユーロ、3月:+174億ユーロ) ・EU財務相理事会(テレビ会議) ・米連邦公開市場委員会(FOMC)(10日まで) 《HH》
関連銘柄 16件
3288 東証プライム
5,710
11/22 15:30
+34(%)
時価総額 688,980百万円
新築一戸建住宅等を手掛けるオープンハウスを中核とする持株会社。プレサンスコーポレーション、メルディア等も傘下に持つ。戸建分譲は首都圏等で年間実績トップ。アメリカ不動産事業では現地管理棟数が5000棟突破。 記:2024/10/05
3564 東証1部
2,593
10/19 15:00
±0(%)
時価総額 115,959百万円
ホームセンターのビバホームを展開する小売企業。不動産賃貸も行う。プロ向けリフォーム用建築資材など品揃えは充実。アークランドサカモトによるTOBは成立。ホームセンター商材は増収。21.3期1Qは2桁増益。 記:2020/08/13
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6857 東証プライム
9,447
11/22 15:30
+62(%)
時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6861 東証プライム
65,660
11/22 15:30
-20(%)
時価総額 15,969,037百万円
センサや測定器、画像処理システム、制御・計測機器等を手掛けるFAの総合メーカー。製造は国内外の協力会社に委託。取引先は全世界に35万社超。グローバル直販体制が強み。販売力の強化などで海外事業の拡大図る。 記:2024/10/12
7201 東証プライム
406.3
11/22 15:30
-5.7(%)
時価総額 1,714,877百万円
大手自動車メーカー。1933年設立。仏ルノー、三菱自動車とアライアンス形成。プロパイロットなど自動運転化技術等に強み。日本は電動車のモデルミックス向上、中国では日産ブランド車のラインナップ刷新図る。 記:2024/10/07
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7831 東証スタンダード
121
11/22 15:30
-6(%)
時価総額 2,983百万円
商業印刷物、特殊ラベル・シールの製造・販売等を行うウイル・コーポレーションを中核とする持株会社。石川県白山市に本社。知育事業、通信販売事業も。ECサイト「プリントモール」の充実化、独自製品の受注拡大図る。 記:2024/10/08
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
1,825
11/22 15:30
+19(%)
時価総額 24,239,641百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29
609
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 25,476百万円
テレビ朝日系列の朝日放送テレビを中核とする持株会社。朝日放送ラジオ、CS放送のスカイAなども傘下に持つ。住宅展示場等のライフスタイル事業も展開。投資等により、コンテンツ関連事業の更なる拡充に注力。 記:2024/09/01
9419 東証スタンダード
228
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 2,494百万円
他社のWi-Fiスポットや通信網を用いて無線通信サービスを提供。販売は家電量販店、携帯電話販売店、自社ECサイト等を通じて行う。中計では26.12期営業利益5億円以上目標。販売チャネルの拡充などを図る。 記:2024/10/22
9842 東証プライム
1,698
11/22 15:30
+21(%)
時価総額 109,917百万円
新潟地盤のホームセンター。ムサシ、ビバホームを展開。とんかつ専門店「かつや」等の運営、不動産事業、フィットネス事業等も手掛ける。ホームセンター店舗数は140店舗超。日用消耗品、家庭用品は売上順調。 記:2024/10/29
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17