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金の価格はどのように決まるのか?~もっと知りたい商品先物取引

2020/3/17 13:17 FISCO
*13:17JST 金の価格はどのように決まるのか?~もっと知りたい商品先物取引 みなさんこんにちは!フィスコマーケットレポーターの高井ひろえです。今回は、金の価格がどのように決まるのかをお伝えします。金価格の変動要因は様々ですが、中でも大きな要因をご紹介します。 ■世界情勢に不安感が出たときに価格が上がりやすい 金には「安全資産」という呼び名がある通り、世界情勢に不安感が出てくると買われやすいという特徴があります。金は、経済不安によって発行体の信用が落ちると紙切れになるリスクがある紙幣や株式などと異なり、それ自体に「物」としての価値があります。そのため、危機的状況において資金の逃避先になりやすいのです。ちなみに、1万円札の原価は約20円だという話を聞いたことがあります。日本に対する信用により、約20円の原価のものが1万円として取引されているわけですが、金の場合は発行体などに価値を頼っているわけではないのです。 ■金融政策に影響を受ける 金は世界各国の金融政策、中でも特に経済への影響力が大きい米国の金融政策に影響を受けます。金は金利がつかないので、たとえば米国が利上げをしてドルの魅力が高くなった場合は、相対的に金の魅力が低くなるので金の価格が下がりやすくなります。他の例としては、金融緩和により世の中に流通するお金の価値が下がった時は、金の価格が上がりやすくなります。 ■中央銀行の金買い動向が大きく影響 各国の中央銀行は外貨準備の一部として金を保有しています。世の中に存在する金のうち、なんと約2割を保有しているとのこと(ワールド・ゴールド・カウンシル)。中央銀行の金買い動向次第で、価格が大きく動くことが想定できますね。特に、2009年のリーマンショックにおいて、金価格は一時急落するも、これを乗り越えて推移していったことを受けて、金の安全資産としての価値が見直され、各国の中央銀行は積極的に金買いをする傾向があります。 ■中国、インドは金需要のトップ2国 金需要が大きいトップ2国といえば中国とインドです。この2国で世界の金の総需要の半分を占めると言っても過言ではありません。中国人の金に対する選好性は、中華街にて金の装飾が多く見受けられることからも想像できると思います。インドでは、全人口の約6割を占めると言われる農村地域で、銀行の口座も持たない人々が、富の保管手段として金を身に着けているそうです。 金価格は基本的に24時間絶えず動いていますが、今回ご説明した要因について何かの動きがあった場合は、金価格も大きく動くのではないか?という意識で相場を見ていきましょう。 フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ (参考 TOCOM) 《FA》