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欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、地政学リスクの円買いが上昇抑制

2019/7/11 17:25 FISCO
*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、地政学リスクの円買いが上昇抑制 11日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りの鈍い展開を予想する。中東情勢の不安定化で地政学リスク懸念の円買いが先行する見通し。株高継続なら円売りも予想されるが、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測からドル・円の戻りは小幅にとどまろう。 注目されたパウエルFRB議長の議会証言は想定外にハト派的な内容となり、前日の欧米市場でドル売りを誘発した。パウエル議長は、6月18-19日の連邦公開市場委員会(FOMC)以降は世界的に製造業などの景況感悪化を指摘。また、賃金の鈍化についてインフレの押し上げ要因としては弱いとの見方を示している。そうした見解を受け、7月30-31日の会合での大幅利下げ観測が再燃。本日のアジア市場ではドル売りの流れを受け継ぎ、ドル・円は108円半ばから下落方向に振れた。また、イラン情勢の不安定化に伴う地政学リスクの円買いで、108円を割り込んだ。 この後の欧米市場でも、中東情勢と米金融政策が材料視される。報道によると、イラン革命防衛隊はホルムズ海峡周辺で英国タンカーの拿捕を試みたが失敗。一方、米軍によるシリアのイラン軍事施設への攻撃に観測も広がり、引き続き円買い方向に振れやすい。ただ、米国の利下げが確実視されたことで株価が世界的に上昇し、株高を好感した円売りでドル・円が戻る可能性もある。とはいえ、今晩21時半に発表される米6月消費者物価指数(CPI)は伸びが鈍化すると予想され、前日のパウエル議長証言を裏付ける内容となれば大幅利下げ観測がドル・円の戻りを抑えよう。(吉池 威) 【今日の欧米市場の予定】 ・18:30 英中銀金融安定報告 ・20:30 欧州中央銀行(ECB)議事要旨(6月5-6日開催分) ・21:30 米・6月消費者物価指数(前年比予想:+1.6%、5月:+1.8%) ・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:22.1万件、前回:22.1万件) ・23:00 パウエル米FRB議長が半期議会証言(上院銀行委員会) ・24:10 ウィリアムズNY連銀総裁講演(地域活性化) ・01:15 ボスティック米アトランタ連銀総裁講演(金融政策) ・01:30 バーキン米リッチモンド連銀総裁講演(ロッキーマウンテン経済サミット) ・02:00 米財務省30年債入札(160億ドル) ・02:30 クオールズ米FRB副議長講演(金融規制と金融政策) ・03:00 米・6月財政収支(予想:-79億ドル、18年6月:-748.58億ドル) ・06:00 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁質疑応答(タウンホールイベント) 《FA》