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来週の相場で注目すべき3つのポイント:パウエルFRB議長証言、米FOMC議事録、安川電決算

2019/7/6 18:56 FISCO
*18:56JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:パウエルFRB議長証言、米FOMC議事録、安川電決算 ■株式相場見通し 予想レンジ:上限22000-下限21500円 来週の日経平均は堅調さを維持するなか、ゴールデンウィーク後初となる22000円台回復に挑む可能性もある。米国の主要3指数は米中首脳会談後に史上最高値を更新し、東京市場でも過度な不安心理は後退している。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は3日、米中当局者が電話協議を1週間以内に行うとしており、米中貿易摩擦の問題はひとまず小康状態に入る見込みだ。こうしたなか、注目されていた米6月雇用統計は非農業部門雇用者数の伸びが大幅に回復と市場予想を大きく上回り、米国の利下げ期待にはブレーギが掛かった。ただし、これを受けたNYダウは43ドル安と比較的小幅な下げで、シカゴ日経225先物清算値は大阪比55円安にとどまっている。欧州市場で独10年物国債の利回りが過去最低を更新するなど、世界的に金利低下圧力の流れは継続している。10日のパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長による下院金融委員会での議会証言が注目されてこよう。また、米国利下げ期待が一時的に後退したことから為替の円高にブレーキが掛かって円安に振れたことは日経平均にとってプラス要因だ。 国内では15日の「海の日」による3連休を控え、来週後半は手控えムードが出やすいものの、参院選の期間中で目立った売り材料が見当たらないことも確かだ。そんななか、チャート上ではゴールデンウィーク明けの窓埋めとなる21875.11円がまず意識され、次に終値では4月26日以来となる22000円台回復が視野に入ってくる。仮に下落しても、21600円近辺に位置する200日移動平均線や一目均衡表の雲上限を割り込んでこない限り、過度な弱気は禁物となる。物色的には11日のファーストリテイリングの第3四半期(9-5月)決算と、安川電機<6506>の第1四半期(3-5月)決算発表が注目される。また、人工知能やロボティクス分野などで先行する新興企業向け投資ファンドを大和証券グループ本社<8601>と運営開始したソニー<6758>が5日にかけて5日続伸し、5月に付けていた年初来高値を更新した。主力株の一角にはこのソニーや任天堂<7974>など高値もち合いを上放れる銘柄が散見され始めている。この動きが他の主力株に広がるかも焦点だ。 主な国内経済関連スケジュールは、8日に5月国際収支、5月機械受注、6月景気ウォッチャー調査、7月の地域経済報告(さくらリポート)、日銀支店長会議、9日に5月毎月勤労統計調査、6月マネーストック、6月工作機械受注、10日に6月国内企業物価指数、11日に6月都心オフィス空室率、5月第三次産業活動指数がそれぞれ発表・開催される見込み。一方、米国など海外経済関連の主要スケジュールは、10日にパウエルFRB議長が米下院金融委員会で議会証言、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録要旨、中国6月消費者物価・生産者物価、12日に中国6月貿易収支、米6月生産者物価の発表が予定されている。 ■為替市場見通し 来週のドル・円はもみ合いか。6月米雇用統計はある程度改善したものの、7月利下げの可能性は依然として高い。しかしながら、欧州中央銀行(ECB)と日本銀行は金融緩和策を強化するとの思惑が広がっていること、豪準備銀行(中央銀行)による連続利下げなどを受けてリスク回避的なドル売りは縮小しつつある。そうしたなか、10-11日に行われるパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による半期に1度の議会証言が注目される。 6月18-19日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の誘導目標を2.25−2.50%のレンジに据え置くことが決定された。同時に、不確実性が高まっていることを理由に今後入手する情報を「注意深く見守る」との見解を示している。10日には6月会合の議事要旨が公表される。次回7月30-31日のFOMC会合では0.25ポイントの利下げが有力視されている。パウエル議長の見解が0.25ポイントの利下げ予想に沿った内容だった場合、リスク回避的なドル売りは抑制される見込み。ただし、金利引き下げに積極的であると市場が判断した場合、年内複数回の利下げ観測が広がり、ドル売りがやや強まる展開となりそうだ。 また、トランプ米大統領は「利下げは景気を押し上げる」などと発言し、金利引き下げを繰り返し要求している。米FRB理事に指名されているジュディ・シェルトン氏(2016年の大統領選で経済顧問を務める)は、「金融当局者は金融市場を支えている支援を打ち切るべきではない」との見解を表明し、利下げを支持している。政府側からの利下げ要求が一段と高まっていることはドル上昇を抑える一因となり得る。 ■来週の注目スケジュール 7月8日(月):日銀支店長会議・黒田総裁が挨拶、独貿易収支、ユーロ圏財務相会合など 7月9日(火):スイス失業率、欧財務相理事会、中国資金調達総額など 7月10日(水):米卸売在庫、パウエルFRB議長が下院金融委員会で半年に一度の議会証言、FOMC議事録公表など 7月11日(木):米財政収支、ECB議事要旨など 7月12日(金):米生産者物価コア指数、中貿易収支など 《SK》
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