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【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(2):◆スノーマゲドンの影響◆

2017/12/17 9:50 FISCO
*09:50JST 【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(2):◆スノーマゲドンの影響◆ 〇世界的寒波、相場を動かすか〇 今朝のソウルは-12.1度、比較的暖かい釜山でも-6.0度。朝鮮半島は 凍っているようで、政治的動きも止まっているように見える。11月 末にロシア・オイミャコンで記録した-60度の寒気団が降りてきてい るようだ。北半球各地で豪雪も観測され、米テキサス州やメキシコ 北部、英国、蘭、イタリアなどで報告され、メディアは「スノーマ ゲドン」(終末戦争のアルマゲドンと雪を組み合わせた造語)と伝 えている。中国では、大気汚染対策で止めていた石炭使用を発電や 暖房で容認する動きも見られる。 大寒波で真っ先に浮かぶのはヒーティングオイル需要。原油相場は WTIで58ドル台/バレルに急反発しているが、北海パイプライン修理 閉鎖やNYマンハッタンの爆発事件を材料視している程度で、未だ 深刻さは出ていない。ただ、今週はノルウェー中銀、米FOMC、英 中銀、ECB、スイス国立銀と、本年最後の政策決定会合が開催される。 短期的なインフレ観に影響する要素として、原油相場は無視できない ので、注視する必要がある。 中央銀行が気候要因まで議論するかどうか分からないが、一部では 「ミニ氷河期論」も潜在する。ポールシフト(極の移動)によるジ ェット気流の大蛇行、海流の蛇行(黒潮の異常蛇行が代表的)、世 界的規模での火山大噴火(バリ島、カムチャッカ半島、メキシコなど で噴煙は1万m級)による寒冷化、ラニーニャ現象など、論調は多岐。 天候不順の割には、穀物生産への影響が少なく、今までは全体として インフレ観に影響してこなかったが、中長期には波乱要因になり得る。 ブルームバーグはウォール街の二つの見方を伝えている。一つは「18 年は引き締めの年になる」。世界経済はリーマン・ショック後のリバ ウンドだった11年以来の高成長になるとし、先進国の平均金利は少な くとも1%に乗せる(強気のJPモルガンでは、今年末の0.68%から0.5 %上乗せの1.2%)との予想だ。18年後半から19年に引き締めリスクが 台頭するとの見方。 もう一つは「来年中の逆イールド発生」。調査対象11社中6社が、今後 2年以内に米国債2年物と10年物の利回り逆転が短期間発生すると予想。 うち4社は「18年中」との見解(2-10年債利回り差は年初の125bpから 10年ぶりとなる50bpまで縮小・・・6日に記録)。一般的に、逆イールド は景気後退のシグナルと受け止められる。 当然、膠着感のある為替相場にも金利動向は影響しよう。考慮され難い 気候変動要因が、こういった見方にどの程度影響するかも注目される。 以上 出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/12/12号) 《CS》