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日経平均は小幅に4日続伸、悲観修正一巡で決算の見極め重要度増す

2023/1/25 12:04 FISCO
*12:04JST 日経平均は小幅に4日続伸、悲観修正一巡で決算の見極め重要度増す  日経平均は小幅に4日続伸。30.17円高の27329.36円(出来高概算4億8300万株)で前場の取引を終えている。  24日の米株式市場でダウ平均は104.40ドル高(+0.31%)と3日続伸。米1月製造業購買担当者景気指数(PMI)が予想外に改善し、長期金利の上昇を警戒した売りが先行。一方、PMIは50割れと活動縮小域での推移が継続し、景気後退懸念がくすぶる中、金利はすぐに低下に転じた。また、重機メーカーのキャタピラーなどの株価上昇が支援し、ダウ平均は上昇に転換。一方、ハイテクは決算前に利食い売りなどが優勢で終日軟調に推移、ナスダック総合指数は−0.26%と3日ぶり反落。まちまちな米株式市場を受け、日経平均は売り先行で始まったが、為替が落ち着いてきていることや、決算シーズン開始に伴う様子見ムードの台頭などを背景に、その後は下げ渋ると前日終値を挟んだ推移が続いた。  個別では、前日に新株予約権付社債(CB)転換への警戒感から売りに押されていた日本製鉄<5401>が大きく反発し、JFE<5411>、冶金工<5480>、東京製鐵<5423>なども大幅に上昇。郵船<9101>、川崎汽船<9107>の海運のほか、東レ<3402>、IHI<7013>など景気敏感株が総じて堅調。米ヘッジファンドのエリオット・マネジメントによる大株主浮上を受け、大日本印刷<7912>が急伸。インド子会社の好決算を好感し、スズキ<7269>が大幅高。国内証券による新規買い推奨を材料にコーエーテクモ<3635>も高い。東証スタンダード市場では、三井化学<4183>との資本業務提携を発表したDNA研<2397>がストップ高買い気配となっている。  一方、減益決算や通期計画の下方修正が嫌気された日本電産<6594>が大幅安。ディスコ<6146>も決算で1−3月期見通しに対する警戒感が浮上し下落。先日の観測報道通りの堅調な実績に加えて増配も発表したオービック<4684>は買い先行も伸び悩み失速。THK<6481>は外資証券によるレーティング格下げが観測されている。  セクターでは鉄鋼、その他製品、電気・ガスが上昇率上位となった一方、銀行、卸売、保険が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の57%、対して値下がり銘柄は36%となっている。  日経平均は売り先行後は下げ渋り、前日終値を挟んだ推移となっている。前日の米株式市場で主要3指数がまちまちだったことや、為替の円安進行が一服していることもあり、これらを素直に反映した動きになっている。一方、75日、200日移動平均線が位置する水準までリバウンドしてきたことで、ここから先の方向感は主力企業の10−12月期決算を見極めてからとなろう。  前日の決算では、やはり日本電産の結果が目を引く。10−12月期営業利益は前年同期比36.8%減の280億円と大幅減益となり、市場予想を230億円ほども下回った。精密小型モーターでは、IT全般、特にデータセンター関連での急激な在庫調整が影響。注目の車載は中国ゼロコロナ政策や同政策緩和後の感染拡大による工場稼働率の低下が響いた。家電・商業・産業も家電分野を中心としたコロナ特需の剥落や欧州経済の落ち込みが影響した。通期営業利益計画は2100億円から1100億円へと下方修正されている。  むろん、いくつか差し引いて考慮すべき要因もある。まず、車載の下押し圧力となった中国ゼロコロナ政策はすでに大幅に緩和され、経済再開が急ピッチで進められていることや感染拡大も最悪期を過ぎたとみられることから、先行きは改善が見込まれる。また、通期計画の大幅下方修正のうち7割は構造改革費用として一過性要因である。  ただ、精密小型モーターの調整要因となったデータセンター分野などでの大幅な在庫調整は、今後の半導体企業の決算に対する警戒感を高める。アナリストの投資判断引き上げや市況に関する悪材料はすでに織り込み済みとの見方から、米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は前日時点で昨年末から15%も上昇している。しかし、これまでの急速リバウンドにより、過度な悲観の修正は一巡し、決算内容を受けて再び先行き警戒感が高まる可能性が出てきたともいえよう。  半導体分野では、前日はテキサス・インスツルメンツが決算を発表したが、10−12月期の売上高と一株当たり利益(EPS)が市場予想を上回った一方、1−3月期見通しについては、売上高とEPSともに予想を下回る低調な内容となった。最高経営責任者(CEO)は「自動車を除くあらゆる分野で需要が減少している」とコメントした。また、化学・素材メーカーのスリーエム(3M)が発表した10−12月期決算ではEPSが市場予想を下回ったほか、営業利益率が予想を大きく下振れ、今期の通期見通しも予想に届かず、株価は大幅に下落した。  景気敏感株以外では、GAFAMの一角であるマイクロソフトも決算を発表した。10−12月期EPSが市場予想を上回ったことで、株価は時間外取引で一時上昇したものの、売上高は前年同期比2%増と四半期ベースとしては2017年度以来の低い伸びにとどまった。また、成長を支えてきたクラウド事業の増収率も鈍化傾向が続き、説明会での今後の慎重な見通しも嫌気され、時間外取引の株価はその後上昇を帳消しにした。  日米の主力企業決算が総じて低調に終わった中でも、本日の日経平均や東証株価指数(TOPIX)がプラス圏で推移していることは意外感もあり、底堅さを感じさせてくれる。しかし、日本電産の決算に話は戻るが、説明会において永守CEOは「モーターは経済指標だ。我々の業績が落ちたらほかの企業も落ちてくる」などとコメント。今後の決算に対する警戒感はやはり拭えないだろう。  なお、本日の引け後にはサイバー<4751>や富士通ゼネラル<6755>の決算が予定されている。また、米国では電気自動車のテスラや航空機メーカーのボーイング、ITソリューションのIBM、半導体製造装置のラム・リサーチなどの決算が予定されている。(仲村幸浩) 《AK》
関連銘柄 19件
2397 東証スタンダード
1,053
4/24 15:00
+32(%)
時価総額 7,126百万円
遺伝子解析専門の受託開設会社。DNA/RNA抽出や次世代シーケンス解析等の受託解析サービスを提供する。がんや生殖関連の遺伝子検査も行う。今期3Q累計は6割超の増収と伸長した。利益も改善傾向となった。 記:2024/02/10
3402 東証プライム
720
4/24 15:00
+3.7(%)
時価総額 1,174,666百万円
合繊大手。世界トップの炭素繊維は航空機向けに強み。有機EL関連材料、水処理事業等も手掛ける。24.3期3Qは環境・エンジニアリング事業が堅調。水処理事業は米国、中国で出荷堅調。繊維事業はEV向けが拡大。 記:2024/02/11
1,472.5
4/24 15:00
+12.5(%)
時価総額 494,903百万円
大手ゲームソフト制作会社。コーエーとテクモが2009年経営統合。スマホや家庭用ゲーム、オンラインゲームを開発、販売する。海外展開を強化。今期3Q累計は既存タイトルが好調だった。オンラインゲームも伸長した。 記:2024/02/02
4183 東証プライム
4,400
4/24 15:00
+42(%)
時価総額 900,962百万円
大手総合化学メーカー。ライフ&ヘルスケア、モビリティ、ICTなど4事業を展開する。ケメガネレンズ材料やフォトマスク防塵カバーで世界シェアトップ。今期3Q累計は需要低迷が販売に影響した。子会社も売却した。 記:2024/04/14
4684 東証プライム
20,035
4/24 15:00
-1,635(%)
時価総額 1,995,486百万円
独立系システムインテグレーター。ERP市場でトップシェア。企業内システムの設計から導入、保守までの一貫体制構築。24.3期3Qは2桁増収増益。システムサポート事業は堅調。運用支援・保守サービス等が伸びる。 記:2024/02/02
4751 東証プライム
1,035
4/24 15:00
+13.5(%)
時価総額 523,631百万円
インターネット広告最大手。「アメブロ」などメディア事業やスマホ向けゲームで成長。インターネットTV「ABEMA」に注力。ゲームは継続的に新規タイトルをリリース予定。主力事業好調で、1Qは営業黒字転換。 記:2024/03/29
5401 東証プライム
3,491
4/24 15:00
-1(%)
時価総額 3,317,571百万円
国内最大、世界有数の製鉄会社。自動車用鋼板、電磁鋼板、高級シームレス鋼管で実績。日鉄エンジニアリングなどを傘下に収める。製鉄部門は増収。システムソリューション部門は堅調。24.3期3Qは2桁増収。 記:2024/02/25
5411 東証プライム
2,385
4/24 15:00
+5(%)
時価総額 1,465,435百万円
国内2位の鉄鋼メーカー。鋼板を中心に多数の高付加価値製品を抱え、自動車用高級鋼板に強み。鉄鋼事業は販売価格の改善やコスト削減等で増益確保。エンジニアリング事業は黒字転換。24.3期3Q累計は増益。 記:2024/02/25
5423 東証プライム
1,657
4/24 15:00
+4(%)
時価総額 256,941百万円
大手電炉メーカー。鉄スクラップをリサイクルし、鉄鋼製品を製造、販売。建設分野向けなどにH形鋼や電炉ホットコイル等を提供。その他地域は売上伸長。24.3期3Q累計は増収。収益面は販管費の増加等が重し。 記:2024/03/04
5480 東証プライム
4,615
4/24 15:00
+30(%)
時価総額 71,519百万円
ステンレス鋼で国内トップ。精錬から製造・加工までを一貫で行う。高機能材の拡販図る。高機能材は環境・エネルギー関連分野の需要が足踏み。販売数量の減少等が重しとなり、24.3期3Q累計は業績伸び悩む。 記:2024/04/07
6146 東証プライム
48,430
4/24 15:00
+2,030(%)
時価総額 5,245,792百万円
国内最大の半導体用組立装置メーカー。半導体をウェーハから切断するダイサやウェーハを薄く研削するグラインダを手掛け、ダイサーは世界シェア8割。純水リサイクル装置も展開。研究開発費増加し、3Q累計は一服。 記:2024/02/22
6481 東証プライム
3,423
4/24 15:00
+111(%)
時価総額 444,501百万円
機械部品メーカー。直動案内機器で世界シェアトップ。工作機械や産業用ロボット、半導体製造装置等の直動システムを製造、販売する。輸送機器や医療機器、免震装置向けに事業を拡大。23年12月期の産業機器が足踏み。 記:2024/03/08
6594 東証プライム
6,794
4/24 15:00
+49(%)
時価総額 4,051,153百万円
世界最大の総合モーターメーカー。HDDや車載、家電・産業向けモーターに加え、機器装置や電子・光学部品を展開。精密小型モータは売価改善等で増益。24.3期3Qは2桁増益。水冷モジュールの生産能力を拡大。 記:2024/04/16
6755 東証プライム
1,805
4/24 15:00
+7(%)
時価総額 197,359百万円
空調事業が主力の電機メーカー。ルームエアコン、ビル用マルチエアコン、ヒートポンプ式温水暖房システム等を展開。情報通信システムは増収。公共システムで商談案件数が増加。為替差益計上。24.3期3Qは経常増益。 記:2024/02/02
7013 東証プライム
3,625
4/24 15:00
-219(%)
時価総額 560,715百万円
陸上・航空宇宙・船舶海洋の総合重機製造。ターボチャージャーや航空エンジン、原子炉格納容器で実績。24.3期3Qは資源・エネルギー・環境部門が増収。東南アジアの大型発電所プロジェクトの進捗などが寄与。 記:2024/04/07
7269 東証プライム
1,815
4/24 15:00
+50(%)
時価総額 3,565,724百万円
大手自動車メーカー。軽自動車で国内首位級、オートバイでも世界的。四輪車はインドでトップシェア。四輪事業は堅調。日本やインド、欧州で販売が増加。二輪事業はインドで販売増。24.3期3Q累計は増収増益。 記:2024/04/14
7912 東証プライム
4,522
4/24 15:00
+38(%)
時価総額 1,434,559百万円
大手印刷会社。印刷や加工技術を基に、出版やイメージング、マーケティング、セキュリティ、パッケージ、高機能材などを展開。UBEと合弁会社設立し、材料分析分野での協業を推進。注力事業好調で3Q累計は増収増益。 記:2024/02/10
9101 東証プライム
4,172
4/24 15:00
+26(%)
時価総額 2,128,408百万円
海運最大手。コンテナ船等の定期船に加え、ドライバルクやエネルギー等の不定期専用船を展開。海洋資源開発等も。物流事業は足踏み。ターミナル関連部門は国内で取扱量が増加。24.3期3Qは不動産業が増益確保。 記:2024/02/23
9107 東証プライム
2,055
4/24 15:00
-2(%)
時価総額 1,468,766百万円
海運国内3位。持分法会社にコンテナ船のONE社。ドライバルク船や自動車船・内航海運に実績。倉庫管理や陸上輸送等も。LNG船や電力炭船、大型原油船等は順調に稼働。24.3期3Qはエネルギー資源部門が増収。 記:2024/02/10