マーケット
4/19 12:37
37,103.00
-976.70
37,775.38
+22.07
暗号資産
FISCO BTC Index
4/19 12:57:46
9,570,142
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

日経平均は小幅反落、「パウエル氏がもたらしたもの」を再確認

2021/8/31 12:10 FISCO
*12:10JST 日経平均は小幅反落、「パウエル氏がもたらしたもの」を再確認  日経平均は小幅反落。53.95円安の27735.34円(出来高概算4億4000万株)で前場の取引を終えている。  週明け30日の米株式市場でNYダウは反落し、55ドル安となった。7月の中古住宅販売成約指数や8月のダラス連銀製造業活動指数が市場予想を下回り、長期金利の低下とともに景気敏感株を中心に利益確定売りが出た。一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は0.9%の上昇となり、連日で過去最高値を更新。本日の日経平均はNYダウ下落を受けて98円安からスタートすると、朝方には一時27602.21円(187.08円安)まで下落した。米連邦準備理事会(FRB)の緩和姿勢が株式相場を下支えするとの期待も根強く、売り一巡後はプラス転換する場面があったものの、香港・上海株が軟調とあって一段の上値を追う動きは限られた。  個別では、ソフトバンクG<9984>が軟調で、トヨタ自<7203>、任天堂<7974>、ファーストリテ<9983>は小安い。JR東<9020>などの陸運株やANA<9202>などの空運株に売りが出て、特に私鉄株は軒並み大きく下落。ネクソン<3659>は中国のゲーム規制強化が嫌気され、名村造船<7014>などとともに東証1部下落率上位に顔を出している。一方、売買代金トップのレーザーテック<6920>が3%超上昇しているほか、郵船<9101>や商船三井<9104>といった海運株、JFE<5411>や日本製鉄<5401>といった鉄鋼株の上昇が目立つ。DyDo<2590>は決算を受けて大きく上昇。H2Oリテイル<8242>との経営統合を発表した関西スーパ<9919>は東証1部上昇率トップで、業績修正や増配を発表したダイコク電<6430>はストップ高水準での買い気配が続いている。  セクターでは、陸運業、空運業、保険業などが下落率上位。一方、海運業、鉄鋼、精密機器などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の53%、対して値上がり銘柄は41%となっている。  本日の日経平均はNYダウ下落を受けて朝方に一時180円超下落。その後下げ渋るも、プラス圏を維持するまでには至らなかった。日足チャートを見ると、27600円台に位置する25日移動平均線の下値サポートを期待する向きも少なくないとみられ、先週から27000円台後半でのもみ合いが続いている。業種別では前日同様に海運業、鉄鋼の上昇が目立つが、供給の混乱や製品値上げが伝わっているこれらセクターは買い安心感があるのだろう。一方、このところ「アフターコロナ」を意識して買われていた陸運業、空運業の下げが目立つ。直近高値近辺まで上昇していた銘柄が多いが、さすがに一段の上値を追う状況にないと受け止められたのかもしれない。ここまでの東証1部売買代金は1兆円あまりとやや低調だ。  新興市場ではマザーズ指数が+0.99%と続伸。1130pt近辺に位置する75日移動平均線水準まで値を戻してきた。後述するが、米経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」後の市場反応はIT関連などのハイテク株にとって追い風となっている。明日9月1日にデジタル庁が発足することを手掛かり材料とする向きもあるようだ。  さて、注目されたジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演内容については既に多く解説がなされているので詳細は割愛するが、それが金融市場に何をもたらしたのかを改めて考察したい。  講演のあった27日の米市場では、期待インフレ率の指標である10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)が上昇する一方、10年物国債利回りは低下(債券価格は上昇)。株式・商品は上昇し、ナスダック総合指数については最高値を更新した。週明けにBEI上昇に後押しされる形で10年物国債利回りが反発する可能性もあるかと考え注視していたが、結果的にそうはならなかった(30日はBEIやや反落、10年物国債利回り続落)。これらが示唆している市場の目線は「インフレ懸念含みの景気減速」のように思われる。  日米の株式市況が堅調さを維持しており、こうした見方は適当でないとの批判もあるだろうが、結局パウエル氏がもたらしたものとは「あまりに市場に配慮したがゆえのラリー機会の提供」なのだ。やや俗気のある表現かもしれないが、米市場参加者から「パウエルありがとう」などといった声が多く出ているのはそれを如実に物語っているだろう。ラリーの中心となっているのは長期金利低下の恩恵を受けるハイテク株である。また、27日の米市場や30日の東京市場では明らかにインフレ目線の市況関連株や不動産株の買いも見られた。  もっとも、景気の先行き不安が背景にあるなら景気敏感株の買いは続かない。実際、30日の米市場では景気敏感株が軟調だった。7月の米中古住宅販売成約指数や8月の米ダラス連銀製造業活動指数のように、各国経済指標は予想を下回るものが多くなっている。一方で、インフレ観測が再び強まれば5月のようにハイテク株も一転逆風となる可能性がある。パウエル氏がもたらしたラリー継続は危ういバランスのもと成り立っている印象が拭えない。  ジャクソンホール会議では、経済学者らが先進国に財政刺激策からの転換を求めたという。また、独アリアンツのチーフ・エコノミック・アドバイザーであるモハメド・エラリアン氏は、パウエル氏が「市場の応援団」となっており、政策を誤るリスクなどがあるといったコラムを米メディアに寄せている。債券投資の権威の警告は重く感じられる。  今週は9月3日の米8月雇用統計を中心に各国の重要経済指標の発表が相次ぐが、これらや金融当局者の発言を受けて金融市場が不安定化する可能性も決して低くないだろう。外部環境に十分に注意を払ったうえで相場に取り組みたい。(小林大純) 《AK》
関連銘柄 17件
2,609
4/19 12:32
-34(%)
時価総額 86,454百万円
缶コーヒーが主力の飲料大手。自販機網に強み。ドリンク剤やパウチ商品の生産受託も。24.1期3Q累計はアサヒ飲料の自販機直販事業が上乗せ。値上げ効果も出て大幅増収増益に。ポーランドの同業を2月末に買収予定。 記:2024/02/08
3659 東証プライム
2,359
4/19 12:34
-75.5(%)
時価総額 2,042,594百万円
PCオンラインゲームやモバイルゲームを世界展開。NXC保有IPを活用したPCゲームの開発に強み。中国や韓国で人気タイトルを複数保有。運営型アクションゲーム投入で欧米開拓。韓国好調で、3Q累計は営業増益。 記:2024/02/09
5401 東証プライム
3,397
4/19 12:34
-66(%)
時価総額 3,228,240百万円
国内最大、世界有数の製鉄会社。自動車用鋼板、電磁鋼板、高級シームレス鋼管で実績。日鉄エンジニアリングなどを傘下に収める。製鉄部門は増収。システムソリューション部門は堅調。24.3期3Qは2桁増収。 記:2024/02/25
5411 東証プライム
2,335.5
4/19 12:34
-57(%)
時価総額 1,435,020百万円
国内2位の鉄鋼メーカー。鋼板を中心に多数の高付加価値製品を抱え、自動車用高級鋼板に強み。鉄鋼事業は販売価格の改善やコスト削減等で増益確保。エンジニアリング事業は黒字転換。24.3期3Q累計は増益。 記:2024/02/25
6430 東証プライム
3,435
4/19 12:33
-155(%)
時価総額 50,783百万円
遊技機のシステム会社。パチンコ遊技機メーカー向け制御システムとパチンコホール向け製品、サービスが柱。情報システム事業は好調。カードユニット「VEGASIA」などの販売台数が増加。24.3期2Qは業績伸長。 記:2023/12/26
6920 東証プライム
34,280
4/19 12:34
-3,230(%)
時価総額 3,232,124百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。24.6期上期は半導体市況軟化の影響で受注足踏み。だが受注残の消化を進めて大幅増収増益に。最高業績を見込む通期計画を上方修正。増配予定。 記:2024/02/08
7014 東証スタンダード
1,797
4/19 12:34
-88(%)
時価総額 124,448百万円
造船準大手。中大型船の建造に強み。傘下に佐世保重工業、函館どつく。LNG主燃料の大型撒積運搬船に注力。新造船事業では新造船建造工事が順調に進捗。24.3期2Qは修繕船事業が堅調。通期業績予想を上方修正。 記:2024/01/09
7203 東証プライム
3,489
4/19 12:34
-113(%)
時価総額 56,922,990百万円
自動車メーカー最大手。自動車生産台数で世界トップ。コンパクトカーやセダン、SUV、ワゴン、商用車、トラックを製造、販売する。ダイハツや日野を傘下に持つ。今期3Q累計はHEVを中心に販売台数が増加した。 記:2024/02/29
7974 東証プライム
7,401
4/19 12:34
-188(%)
時価総額 9,611,605百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。当期ミリオンセラータイトル数は自社17、他社7の計24本。新作タイトル好調や円安で3Q累計は増収増益。 記:2024/02/27
1,799
4/19 12:33
-53(%)
時価総額 225,237百万円
阪急阪神東宝グループの大手百貨店。傘下に阪急阪神百貨店や関西フードマーケットなど。阪急・阪神電鉄沿線で強固な顧客基盤を構築。百貨店中心に全セグメント好調で、24.3期3Q累計営業利益は過去最高を更新。 記:2024/02/04
9020 東証プライム
2,836
4/19 12:34
-76.5(%)
時価総額 3,217,192百万円
国内首位、世界でも最大級の鉄道会社。関東や東北地方を中心に、新潟県、山梨県、長野県、静岡県までが事業エリア。不動産や駅ナカでの物品販売、ホテルなども展開。全セグメント好調で、24.3期3Q累計は利益急伸。 記:2024/02/04
9101 東証プライム
4,199
4/19 12:33
+107(%)
時価総額 2,142,183百万円
海運最大手。コンテナ船等の定期船に加え、ドライバルクやエネルギー等の不定期専用船を展開。海洋資源開発等も。物流事業は足踏み。ターミナル関連部門は国内で取扱量が増加。24.3期3Qは不動産業が増益確保。 記:2024/02/23
9104 東証プライム
4,660
4/19 12:34
+122(%)
時価総額 1,686,971百万円
海運国内2位。船隊数世界2位。コンテナ船・各種専用船・油送船・フェリー内航船を手掛け、タンカーやLNG船、自動車船、ドライバルク船に強み。コンテナ船の短期運賃・期間契約運賃下落で、3Q累計は利益足踏み。 記:2024/02/28
9202 東証プライム
2,978
4/19 12:34
-58(%)
時価総額 1,442,228百万円
大手航空会社。国内線と国際線トップの全日空が中核。国内線や国際線、貨物運送を展開する。傘下にLCCのピーチやエアージャパン。今期3Q累計は国際線、国内線が好調だった。営業益は過去最高を大幅に更新した。 記:2024/03/03
9919 東証スタンダード
1,857
4/19 12:31
+7(%)
時価総額 118,586百万円
京阪神地区で「関西スーパー」や「イズミヤ」、「阪急オアシス」を運営。H2Oリテイリング傘下。総菜・PB商品などを強化。イズミヤ・阪急オアシスは既存店客数、客単価が堅調。24.3期3Q累計は収益伸長。 記:2024/02/10
9983 東証プライム
40,580
4/19 12:34
-370(%)
時価総額 12,913,408百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。24.8期1Qは2桁増収増益。海外ユニクロ事業は堅調。マーケティング強化等が奏功し、中国大陸は販売好調。 記:2024/01/27
9984 東証プライム
7,591
4/19 12:34
-285(%)
時価総額 13,078,944百万円
大手投資会社。傘下にビジョンファンドや通信会社、LINEヤフー等を持ち、AIやインターネット等の分野の企業に投資。今期3Q累計は増収、利益は改善傾向となった。デリバティブ関連や公開投資先の株価上昇が寄与。 記:2024/02/10