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日経平均は反落、中小型株に需給調整広がるが…

2020/10/22 12:22 FISCO
*12:22JST 日経平均は反落、中小型株に需給調整広がるが…  日経平均は反落。184.61円安の23454.85.円(出来高概算4億1000万株)で前場の取引を終えている。  21日の米株式市場でNYダウは反落し、97ドル安となった。追加経済対策を巡るムニューシン財務長官と民主党のペロシ下院議長の交渉を睨んだ展開で、クドロー国家経済会議(NEC)委員長やペロシ氏が合意に向け楽観的な見方を示すと大きく上昇する場面もあった。しかし、メドウズ大統領首席補佐官がまだ多くの相違が見られると慎重な見解を示し、引けにかけて下落した。ブラジルで新型コロナウイルスワクチンの臨床試験に参加していた患者が死亡したと伝わったことも投資家心理を冷やした。本日の日経平均はこうした流れを引き継いで113円安からスタートすると軟調もみ合いとなり、この日の安値圏で前場を折り返した。  個別では、任天堂<7974>、ソニー<6758>、キーエンス<6861>、トヨタ自<7203>などがさえない。売買代金トップのソフトバンクG<9984>も小幅安となっている。来春の首都圏での終電繰り上げを発表したJR東<9020>が3%近く下落し、前日に島忠<8184>買収合戦への参加観測が報じられたニトリHD<9843>も5%近い下落。また、中小型株の一角で手仕舞い売りがかさみ、MDV<3902>などが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、ファーストリテ<9983>やファナック<6954>は小じっかり。前述の島忠は続伸している。10月既存店売上が好調だった西松屋チェ<7545>は3%の上昇。また、業績上方修正を発表したレッグス<4286>やNOK<7240>が東証1部上昇率上位に顔を出している。  セクターでは、空運業、医薬品、小売業などが下落率上位で、その他も全般軟調。非鉄金属とゴム製品の2業種のみ上昇した。東証1部の値下がり銘柄は全体の80%、対して値上がり銘柄は16%となっている。  本日の日経平均は3ケタの下落で前場を折り返した。節目の23500円も下回っているが、23400円台前半に位置する25日移動平均線は割り込んでおらず、基調に変化はないとみていいだろう。米国株は相変わらず追加経済対策を巡る協議に一喜一憂する展開。11月の大統領選と議会選を野党・民主党が占める「トリプルブルー」により、大規模な財政支出が実現するとの期待も根強くあるが、激戦州を中心に現職のトランプ大統領が巻き返しつつあるようだ。また、米当局がイランとロシアの関与に警告を発したと伝わっており、大統領選の行方は改めて混沌としてきた。以前当欄で指摘したとおり、「シナリオさえ定まれば投資資金は動く」だろうが、当面は手掛けづらさが意識されそうだ。  東京市場は現物株・株価指数先物とも薄商いが続くなか、海外勢の短期的な先物売買により相場全体が上下する格好だ。ここ数日の先物手口を見ると、日経平均先物ではJPモルガン証券、東証株価指数(TOPIX)先物ではクレディ・スイス証券が日々売り越しと買い越しを繰り返すといった流れになっている。全体としては持ち高を一方向に傾けようとする動きは乏しい。また、日銀による上場投資信託(ETF)買い入れは引き続き相場の下支え役として機能している。本日もTOPIXが1.19%の下落で前場を折り返しているため、後場はETF買いが実施される公算が大きい。  ただ、中小型株の手仕舞い売りがかさんでいるのは短期的な懸念材料だ。前場のマザーズ指数は4%近い下落となり、1200pt台後半に位置する25日移動平均線水準まで調整が進んだ。マザーズ銘柄の信用買いは記録的な水準に膨らんでいたし、直近で商いを伴い急騰する銘柄も多かっただけに、需給調整を強いられるとの懸念はあった。まずはマザーズ指数が25日線水準で踏みとどまるか見極めたいところだが、同線を割り込んでくるようなら株式相場全体にも影響が波及する可能性がある。  ネットショップ作成支援のBASE<4477>を中心に、新興ハイテク株の4-6月期の業績モメンタム(勢い)は総じて強く、コロナ禍での「ニューノーマル(新常態)」進展や菅新政権のデジタル化推進という追い風も加わって、マザーズ指数は3月13日安値527.30pt(取引時間中)から10月14日高値1368.19pt(同)までおよそ2.6倍に上昇。一時2018年高値をも上回った。株価指標面で見れば、マザーズ指数の上昇をけん引してきたBASEなどは将来の成長期待をかなり織り込んでいるとの見方を筆者も否定しない。  ただ、一足先に発表を終えた6-8月期決算では、ITコンサルに強みを持つ東証1部のベイカレント<6532>が好調ぶりを見せたほか、マザーズ上場企業でも名刺管理サービスのSansan<4443>などが高評価を得た。7-9月期決算発表を前に、既に企業向けクラウドサービスのラクス<3923>などは業績上方修正を発表している。IT技術の活用ニーズが堅調であることが窺える。7-9月期決算は新興ハイテク企業の業績モメンタムの強さを再確認する場となるかもしれない。もちろん、菅政権が引き続きデジタル化に邁進することで、政策の追い風期待も根強く残るだろう。  決算を前にした中小型株の需給調整が、新興ハイテク株の押し目買い好機となる可能性があることも念頭に置いておきたい。(小林大純) 《NH》
関連銘柄 18件
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医療情報統合システムの製作・販売、医療データの分析・調査・コンサル等を行う。病院経営改善アプリケーション「MDV Act」などを手掛ける。SBIHDが筆頭株主。クラウド型健診システムの拡販を図る。 記:2024/08/29
3923 東証プライム
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時価総額 370,224百万円
経費精算システム「楽楽精算」が主力。電子請求書発行システム「楽楽明細」やクラウド型販売管理システム「楽楽販売」などのほか、IT人材事業も展開。楽楽精算は累計導入社数が1.7万社超。成長投資を継続。 記:2024/08/23
4286 東証スタンダード
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プロモーションサービス等を手掛けるレッグス、マーケティング・コミュニケーションサービス等を手掛けるCDGなどを傘下に収める持株会社。エンタメ顧客向けOEMは順調。エクス・テインメント事業領域等に注力。 記:2024/07/01
4443 東証プライム
2,016
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時価総額 254,238百万円
営業DXサービス「Sansan」、インボイス管理サービス「Bill One」等を手掛ける。Sansanは契約件数が9400件超。Bill Oneの有料契約件数は2600件超。Bill Oneは高成長続く。 記:2024/06/07
4477 東証グロース
308
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+1(%)
時価総額 35,672百万円
ネットショップ作成サービス「BASE」や購入者向けショッピングサービス「Pay ID」を提供するBASE事業が主力。オンライン決済サービス、資金調達サービス等も。PAY.JP事業ではプロダクトの強化図る。 記:2024/07/08
6532 東証プライム
5,469
11/22 15:30
+81(%)
時価総額 849,943百万円
大手経営コンサルティング会社。全体戦略や事業戦略の立案など経営課題を解決するサービスを提供。24年9月に持株会社に移行、M&A推進。採用活動を積極化。コンサルタントの増加により人件費増も案件拡大で堅調。 記:2024/10/31
6758 東証プライム
2,948
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-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6861 東証プライム
65,660
11/22 15:30
-20(%)
時価総額 15,969,037百万円
センサや測定器、画像処理システム、制御・計測機器等を手掛けるFAの総合メーカー。製造は国内外の協力会社に委託。取引先は全世界に35万社超。グローバル直販体制が強み。販売力の強化などで海外事業の拡大図る。 記:2024/10/12
6954 東証プライム
4,114
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時価総額 4,095,154百万円
CNCシステムなどのFA事業、ロボット事業、ロボマシン事業を展開。富士通のNC部門が分離・独立して1972年に誕生。CNCで世界シェアトップクラス。海外売上高比率は8割超。配当性向は60%が基本方針。 記:2024/09/02
7203 東証プライム
2,664.5
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時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7240 東証プライム
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時価総額 388,178百万円
国内初のオイルシールメーカー。1941年創業。国内全自動車メーカーが同社製品を採用。オイルシールは国内トップシェア。シール製品「Oリング」などが主要製品。シール事業では中国系自動車メーカーへの拡販図る。 記:2024/08/20
7545 東証プライム
2,262
11/22 15:30
+136(%)
時価総額 157,410百万円
ベビー用品や子供衣料、マタニティグッズ、育児用品等の専門店を全国展開。出店はロードサイド中心。低価格PB商品の開発に注力。1120店舗展開。オンラインストアは売上堅調。海外向け卸売も拡大。IT化で効率化。 記:2024/10/04
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8184 東証1部
5,480
3/23 15:00
±0(%)
時価総額 233,497百万円
ホームセンターを運営。家具インテリアとホームセンターの融合が特長。首都圏中心に60店舗展開。ニトリがTOB実施。既存店売上高は堅調。粗利率上昇。20.8期通期は増収増益。21.8期は1店舗の新規出店計画。 記:2020/12/20
9020 東証プライム
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時価総額 3,153,665百万円
国内最大、世界でも最大級の鉄道会社。関東、甲信越、東北までの1都16県が営業エリア。流通・サービス事業、不動産・ホテル事業等も。ホテル、ショッピングセンターは売上順調。28.3期営業利益4100億円目標。 記:2024/06/04
9843 東証プライム
18,025
11/22 15:30
+710(%)
時価総額 2,062,835百万円
家具・インテリア国内最大手。企画、原材料調達、製造、物流、販売の一貫体制を構築。アイテム数は約1万点。8割超が自社開発商品。島忠を傘下に収める。Nポルダなどは売上順調。26.3期買上客数2億人以上目標。 記:2024/06/13
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17