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日経平均は反発、ETF換金売り一巡で需給悪化懸念が後退

2020/7/13 12:19 FISCO
*12:19JST 日経平均は反発、ETF換金売り一巡で需給悪化懸念が後退  日経平均は反発。386.44円高の22677.25円(出来高概算6億2463万株)で前場の取引を終えている。  先週末10日の米国株式相場は上昇。ダウ平均は369.21ドル高の26075.30ドル、ナスダックは69.69ポイント高の10617.44ポイントで取引を終了した。全米でウイルス感染が引き続き拡大する中、ウイルス治療薬に期待が広がったほか原油高で投資家心理が改善し寄り付きから買いが先行。トランプ大統領が「中国との信頼関係が毀損しており、現時点で、米中第2段階貿易協定は考えられない」と発言すると米中関係悪化懸念がひろがり一時上げ幅を縮める局面もあったが、引けにかけては再び上げ幅を拡大した。  米国株高を受けた今日の東京株式市場は、買いが先行した。新型コロナウイルス感染拡大に対する警戒感は引き続き強いものの、先週末10日に日経平均が250円近く下落したことで押し目買いが入りやすかった。また、先週、株式市場の上値抑制要因となったETFの分配金換金に伴う売りが一巡したとみられ、需給悪化懸念が後退し、積極的な買いを手控えていた投資家の買いも誘ったようだ。  個別では、21年2月期第1四半期(20年3-5月)営業利益が前年同期比3.9倍となったブロッコリー<2706>、21年2月期第1四半期(20年3-5月)連結営業利益が前年同期比2.3倍となったキリン堂HD<3194>、第1四半期決算からは更なるなる業績上振れも期待されたリテールP<8167>が10%を超す幅高となり、ZOZO<3092>とオンラインのオーダーメイドで提携すると発表したオンワードHD<8016>、31日を基準日として1対1.2の株式分割を発表した大和コンピューター<3816>、車載電池の世界大手の中国社と資本提携したと発表したホンダ<7267>、20年8月期連結営業利益を従来予想から15%ほど引き上げ前期比26.0%増に上方修正したUSENNEX<9418>が高くなった。  一方、21年5月期連結営業利益が前期比51.6%減予想と発表したIGポート<3791>が大幅安となり、公募・売出実施による希薄化などが嫌気されたオープンハウス<3288>も下落した。また、想定以上の決算も先行き見通しがやや重しになった安川電機<6506>、米子会社の破産法申請と未定としていた20年8月期(6ヵ月決算)連結営業利益が20億円の赤字予想と発表した良品計画<7453>も小幅に下げた。  セクターでは、全業種が上昇。鉄鋼、鉱業、空運業、海運業、非鉄金属などが上昇率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の89%、対して値下がり銘柄は9%となっている。  先週末の米国株式市場では、ウイルス治療薬に期待が広がり、株価を押し上げた。主要国の株式市場は、金融財政政策による景気回復期待が相場を下支えし、新型コロナ感染症拡大への警戒感が上値抑制要因となる構図が続いているが、先週末の米国株式市場は上値を抑える蓋が少し軽くなったようだ。こうした、下値支持要因と上値抑制要因に挟まれた株式市場の構図は、当面続くとみられる。  このような構図に加え、今週から米国で4-6月期決算の発表が本格化する。また、今月末からは日本企業も21年3月期第1四半期(20年4-6月)決算の発表が相次ぐ。もみ合いが続く株式市場だが、これらの結果次第では株価変動要因となりそうだ。特に今週は米国で金融大手の決算発表が相次ぎ、ポジティブであれネガティブであれ、株価への影響が大きくなる可能性があり、注意が必要だ。  さらに、中国経済への目配りも怠れない。今週、中国では、14日に6月の貿易統計、16日に4-6月期の国内総生産、6月の工業生産高、小売売上高、固定資産投資など、重要統計の発表が集中する。中国株は7月に入り大きく上昇しており、統計内容によっては株価が大きく変動し、東京株式市場にも影響する可能性がある。アンテナを高くしておきたい。  さて、後場の東京市場で、日経平均は底堅く推移しそうだ。先週まで、特に後場の株価の重しとなっていたETFの分配金捻出のための売りが一巡したとみられ、積極的な買いを手控えていた投資資金の買いも期待できる。また、14-15日に開かれる日銀金融政策決定会合では、現状の金融緩和政策の維持が決まるとみられており、金融財政政策が相場を支えるという構図が継続しそうだ。テクニカル面では、下値支持線として意識される25日移動平均線が22400円台にある。先週末に割り込んだものの今日前場で回復しており、上昇トレンドは続いていると指摘する向きもある。 《AK》
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