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unerry Research Memo(7):リテールDX事業を核に5年で売上高100億円を目指す(1)

2023/10/3 15:57 FISCO
*15:57JST unerry Research Memo(7):リテールDX事業を核に5年で売上高100億円を目指す(1) ■中期成長戦略とその進捗状況 1.中期成長戦略 (1) 概要 unerry<5034>は、2024年6月期の計画を公表するとともに、2028年6月期に売上高100億円を目指す中期成長戦略を掲げた。unerry,everywhere戦略として、リテールDX事業を核に4つの事業を加速度的に展開し、世界中どの店でもどの街でも同社データが自然と使われているインフラ実現を目指す。第1ステップでは、現在の主要顧客である小売・外食業界において、リテールDX事業によりシェアを獲得する。第2ステップでは、小売の店頭購買を最大化できる行動変容サービスの提供を、小売だけでなく川上の消費財メーカーにも拡大し、顧客との最終接点となる小売店頭をメディア化するリテールメディア事業を展開する。第3ステップにおいては、不動産事業者・自治体・官公庁などが構想するスマートシティに向けて、メディア化のノウハウを転用してスマートシティ事業を展開し、全国都市の人流可視化・行動変容サービスのデファクトスタンダードを作り上げていく。第4ステップでは、日本で構築したリテールDX事業とスマートシティ事業のプロダクトとノウハウを北米・アジアなどグローバル市場に展開していく。日本のリテールDX市場で獲得可能なTAM(最大市場規模)は1兆円超だが、グローバル展開によりTAMを拡張しながら成長していくことを目指している(グローバルのスマートシティIoT市場は171兆円と桁違いの規模)。2028年6月期の売上高100億円の内訳として、リテールDX事業34%、リテールメディア事業21%、スマートシティ事業30%、グローバル事業15%を計画している。 (2) リテールメディア事業 リテールメディア事業は、店頭に近い場所で効果的な広告、販売を行いたい消費財メーカーから広告費用を獲得し小売事業者が蓄積した店頭の人流・購買データを活用して、消費財メーカーが店頭のサイネージ、来店客のスマホなどに最適なタイミングで広告・情報配信を行うサービスである。そのために必要な分析・配信・効果測定の仕組みを一元的に同社が提供するビジネスモデルである。消費財メーカーから入る収益は、小売事業者とレベニューシェアする仕組みだ。このモデルを動かすためには、多くの小売事業者とメーカーを結び付けていくことが不可欠であり、2022年7月より3,000社の小売事業者、6,500社のメーカーとの取引ネットワークを有する三菱食品と業務提携を行い、1年かけて同事業の共同推進を検討してきた。そしてこの取り組みをさらに加速させるために、三菱食品と2023年8月、に資本業務提携契約を締結し、同社への第三者割当増資により420百万円の資金を調達した。本資金は、2026年6月までに人件費、インフラ費用に充てる計画である。 (3) スマートシティ事業 スマートシティ事業では、国・自治体のスマートシティプロジェクトの公募受託や、街の人流分析から可視化・行動変容による混雑回避や集客誘導などを目的とする自治体・不動産事業者・観光事業者・小売事業者向けのBtoBサービスの開発・提供、さらに各所で展開される都市OS ※との連携サービスの開発・提供などを手掛ける。デジタルツインIDと連携したあらゆるデータを街づくりに活用するためのプロダクト型ビジネスだ。実績は既に自治体、観光事業者、街づくりを手掛ける不動産事業者などに拡がっている。2022年12月に豊洲スマートシティ推進協議会の実証実験において、豊洲来街者の人流ビッグデータと「Beacon Bank(R)」により行動変容サービスを提供している。2023年7月には、東京都が実施する「東京都スマートサービス実装促進プロジェクト『Be Smart Tokyo』」におけるスマートサービス実装促進事業者に採択された。同社の人流データとスマートシティ基盤提供者(基盤を整備・運用するエリアマネジメント団体及びその構成・協力企業、行政など)の保有するデータを掛け合わせた分析により、エリア特性を踏まえたサービスなどの実現を支援する計画だ。また、同年8月には、東京都が実施する「『メタ観光マップ』を活用したにぎわい・回遊性の創出プロジェクト」に(株)みずほ銀行、(一社)メタ観光推進機構と共同で応募し、採択された。オープンデータ、金融データ、人流データを掛け合わせ、地域の新たな魅力を発掘した「メタ観光マップ」を作成・活用し、効果的なターゲティング広告・ガイドツアーなどにより情報発信することで「にぎわい創出」や「人流の回遊性」向上を図る計画である。 ※都市の基本ソフトウェアで、行政、物流、交通などの応用ソフトウェアを動かすための基盤。 (4) グローバル事業 グローバル事業については、海外展開の初号となるインドネシアのショッピングモールにおいて、人流分析によるコロナ禍前後における来訪者や商圏の変化、競合比較・併用率の状況を可視化し、現地企業支援などを実施した。ここで、国内で確立したノウハウが東南アジアの都市においても十分に生かせると判断し、2023年5月よりタイで「Beacon Bank(R)」事業を開始している。また、同時期に、米国・カナダにおいてリテール・外食・スポーツビジネス等の企業に人流ビッグデータの分析やダッシュボードサービスを提供するGroundLevel Insights Inc.(本社:カナダ、Founder & CEO:Asif R. Khan、以下GLI)に300千米ドル(約40.3百万円)を投資し、資本参加した。同年8月には、「Beacon Bank(R)」関連サービスを北米で共同展開する業務提携契約を締結している。GLIは、24ヶ国以上で位置情報マーケティングを推進する位置情報業界団体であるNPO 法人「The LBMA ― Location Based Marketing Association」の代表 Asif R. Khan 氏が、2019年に設立したスタートアップ企業である。GLIが取得している北米の約2.4億IDの人流ビッグデータ及び1,500万ヶ所以上のPOIデータ※について、同社がAI解析によりデータ基盤を構築しており、この基盤をベースにGLI北米版の 「Beacon Bank(R)」サービスを展開する計画だ。また、北米エリアのビーコン設置者やスマホアプリ事業者に対し、「Beacon Bank(R)」プラットフォームを提供していく。そして、日本国内で確立した分析可視化・行動変容サービスを展開することで、米国小売市場で新たな成長を目指すとともに、グローバル展開を強化する国内リテール企業に対しても、北米マーケットにおけるマーケティング支援を強化する計画だ。 ※緯度経度、施設名、施設カテゴリなどの特定の場所や施設に紐づく情報。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎) 《AS》
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リアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」の運営等を行う。リテールDX、リテールメディア、スマートシティサービス等も。リアル行動ビッグデータの収集体制拡充、解析精度の向上等に取り組む。 記:2024/06/28