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システムサポート Research Memo(1):クラウドインテグレーション事業の高成長により2ケタ増収増益続く

2023/3/14 15:41 FISCO
*15:41JST システムサポート Research Memo(1):クラウドインテグレーション事業の高成長により2ケタ増収増益続く ■要約 システムサポート<4396>は、業界トップクラスの技術力を強みに各種クラウド基盤やERP、データベース等の導入・利用支援を中心に成長を続ける独立系IT企業である。本社は石川県だが事業活動の中心は東名阪で、米国シリコンバレーにも子会社を置いている。データセンターサービスやクラウド(SaaS型)サービスでの提供が主となるプロダクト事業などストック型ビジネスにも注力している。 1. 2023年6月期第2四半期累計業績の概要 2023年6月期第2四半期累計(2022年7月~12月)の連結業績は、売上高で前年同期比18.2%増の9,211百万円、営業利益で同26.4%増の743百万円といずれも会社計画(売上高8,765百万円、営業利益722百万円)を上回り、過去最高を更新した。売上高はクラウドインテグレーション事業を中心にすべての事業セグメントで増収となり、利益面でも人材投資費用の増加を増収効果で吸収した。好採算のクラウドインテグレーション事業の拡大等によって営業利益率も8.1%と上昇基調が続くなど好調な決算となった。クラウドインテグレーション事業では引き続き「ServiceNow※」関連の売上高が同27.5%増の922百万円と高成長が続いたほか、Google Cloud関連についても同201.5%増の261百万円と急拡大した。Google Cloudが得意とするデータ分析分野のエンジニア育成に注力したことが奏功した。 ※「ServiceNow」とは米国ServiceNowが提供する、業務プロセスの標準化・自動化を行い、従業員・組織の生産性向上を支援するクラウドプラットフォームで、DX化ソリューションとして欧米だけでなく日本でもここ数年で急速に普及し始めている。同社は日本企業として2015年にいち早くパートナー契約を締結し、国内ではトップクラスの導入実績を持つ。 2. 2023年6月期業績見通し 2023年6月期の連結業績は売上高で前期比11.7%増の18,093百万円、営業利益で同21.7%増の1,456百万円と期初計画を据え置いた。景気の先行き不透明感が強まっているものの、足元の受注状況は引き続き好調のようで、人的リソースの採用・強化により対応しているが、供給能力に対して需要が上回る状況が続いているようで下期もフル稼働の状況が続くと見られる。また、ストック型ビジネスであるデータセンターサービスを中心としたアウトソーシング事業やプロダクト事業についても基調に変わりなく、下期も顧客の積み上げにより着実に成長する見通しとなっており、通期業績計画を達成する可能性は高い。なお、従業員の定着率向上策として2023年1月より「通勤圏外リモートワーク制度」を新たに導入し、人員体制の強化に取り組んでいる。 3. 中期経営計画 同社は、2023年6月期から3ヶ年の中期経営計画をスタートしている。『成長と更なるイノベーションの創出』をテーマに掲げ、「顧客・社会のDX推進の基盤となるサービスの拡充」「多様な人材の成長と活躍」「ESG経営の強化」に取り組むことで、2025年6月期に売上高218.9億円以上、営業利益21.8億円以上、営業利益率10%以上の達成を目指す。3年間の年平均成長率では、売上高で10.6%、営業利益で22.3%を上回る成長率となる。けん引役はクラウドインテグレーション事業となる。国内クラウド市場が今後も年率2ケタ成長で拡大するなか、同社は既存のクラウドインテグレーションに加えて、今後成長が見込まれる有望なソリューションを手掛けていくことで、同事業を年率25%と業界平均を上回るペースで拡大していく。注目されるソリューションとして、2022年から取り扱いを開始した業務実行管理プラットフォーム「Celonis Execution Management System(以下、Celonis EMS)」※が挙げられる。同プラットフォームは同社が豊富な導入実績を持つ「ServiceNow」とも連携しているため、比較的スムーズに売上を拡大できる可能性があり、既に導入実績も出始めている。同社では従来と同様、エンジニアを積極的に育成することで受注を拡大する戦略である。そのほかシステムインテグレーション事業やアウトソーシング事業、プロダクト事業等も着実に収益を拡大する計画だ。成長の源泉となる人材への投資も継続する方針で、従業員数は年率9%弱のペースで増員する予定である。また、M&Aについてもシナジーが見込める案件であれば前向きに検討する方針である。なお、株主還元策としては配当性向で30~35%の水準で配当を実施する方針であり、2023年6月期の1株当たり配当金は前期比5.0円増の30.0円(配当性向31.6%)を予定している。 ※プロセスマイニングのグローバルリーダーであるCelonis SE(ドイツ)が開発・提供するクラウドプラットフォーム。「Celonis EMS」はあらゆるシステムのイベントログデータを、プロセスマイニングエンジンを用いて可視化・分析することで、業務プロセスにおける非効率な業務を特定し、改善ポイントを導き出すことによって生産性向上を支援するツール。2022年6月に日本法人であるCelonis(株)と販売パートナー契約を締結した。 ■Key Points ・2023年6月期第2四半期累計業績は会社計画を上回る2ケタ増収増益を達成 ・足元の受注に翳りは見られず、業績は2ケタ増収増益が続く見通し ・中期計画の初年度は順調な滑り出し、クラウドインテグレーション事業をけん引役に年率22%以上の利益成長を目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《NS》
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独立系システムインテグレーター。石川県金沢市に本社。クラウドサービスの移行・利用に係る技術支援、ERPパッケージの導入・利用に係る技術支援等を行う。クラウドインテグレーション事業では対応領域の拡大図る。 記:2024/08/05