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BS11 Research Memo(4):2022年8月期は増収減益。各利益は計画を上回って着地(1)

2022/12/27 16:44 FISCO
*16:44JST BS11 Research Memo(4):2022年8月期は増収減益。各利益は計画を上回って着地(1) ■業績の動向 1. 2022年8月期の業績概要 日本BS放送<9414>の2022年8月期連結業績は売上高が12,250百万円(前期比2.0%増)、営業利益2,394百万円(同10.3%減)、経常利益2,395百万円(同12.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,599百万円(同14.3%減)となった。計画値(売上高12,200百万円、営業利益1,810百万円、経常利益1,810百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,250百万円)に対して売上高はおおむね計画どおりとなり、各利益は上回って着地した。 純広告と通販の堅調な推移によってスポット収入が前期比8.4%増の2,991百万円と増加したことと、アニメ製作委員会への出資に伴う配当収入によって、その他が同12.8%増の564百万円と順調に伸びたことが増収につながった。また、タイム収入については前期比0.2%減の7,990百万円と微減での着地ではあったものの、コロナ禍においても、特別番組のセールスと通販を含む枠販売の強化による取り組みの成果が見られた。 2. 売上区分別の状況 売上高の約7割を占めているタイム収入の売上高は、コロナ禍の影響を受けて当初の計画は下回ったものの、レギュラー番組、特別番組のセールスと通販を含む枠販売の強化により、前期比0.2%減と前期並みの売上を確保した。 売上高の2割強を占めているスポット収入の売上高は、新規クライアントの獲得に注力した効果のほか、巣ごもり需要を背景とした通販市況の好調が持続し、2021年8月期の第4四半期からの好調を維持した。純広告や通販の堅調な推移によって、期初計画値2,825百万円を5.5%上回る、前期比8.4%増の2,991百万円で着地した。 売上高の5%ほどを占めているその他においては、「転生したらスライムだった件」「五等分の花嫁」など、同社が出資するアニメがヒットしたことで、アニメ製作委員会への出資に伴う配当収入の増加によって期初計画値512百万円を9.2%上回る、前期比12.8%増の564百万円と伸長した。 3. 2022年8月期における主要トピックス 2022年8月期の特筆すべきトピックスは、重点施策である「配信ビジネス、新規事業開発と収益化」において、自社制作番組及び関連コンテンツのネット配信の強化、オンラインイベントや関連グッズのネット販売を開始したことである。同社は中長期的な成長を実現するため、「コンテンツの強化と配信ビジネスの拡大」をテーマとして自社制作コンテンツの強化、良質なコンテンツへの出資、配信ビジネス等の新規事業開発に取り組んでいる。 そうしたなかで視聴ニーズに応えるため、従来は見逃し配信をメインで行ってきた「BS11オンデマンド」を、2022年7月に「BS11+」へリニューアルした。これにより人気番組のアーカイブをはじめ、オリジナルコンテンツやライブ配信等を視聴できるほか、一部コンテンツの有料配信もできるようになった。また、「BS11」公式YouTubeチャンネルでの広告付き見逃し配信や、Paravi、FOD、U-NEXTでの定額見放題配信も開始し、コンテンツの拡充及び配信プラットフォームの拡大に努めた。配信オリジナルコンテンツでは、グループ会社である国土社の児童書を映像化した「わくわく自由研究」「歌で聴く絵本「ようかいむら」シリーズ」、文化放送のインターネットラジオ「超! A&G+」とのコラボレーション企画「転生したらスライムだった件~転スラジオ~」「ラジオでもはたらく魔王さま!!」を「BS11+」及び「BS11」公式YouTubeチャンネルで配信した。さらに「転生したらスライムだった件~転スラジオ~」は、特別番組「テレビ 転スラジオ BS11出張特番」を放送し、アーカイブの配信も行なった。 そのほか、番組関連グッズ等が購入できる「BS11」公式通販サイト「BS11SHOP」を開設した。具体的には「太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選」より「太田和彦監修酒器」の販売や、「Animelo Summer Live 2022 -Sparkle-」より「アニサマ×アニソンデイズ コラボグッズ」等を販売した。「太田和彦監修酒器」は初回入荷分が即完売となった。自社制作番組関連のオンラインイベントとして、「全国の酒蔵応援!居酒屋探訪家 太田和彦さんとおうちで乾杯!」や「報道ライブ インサイド OUT Presents ジャーナリスト養成オンライン講座」を新たな取り組みとして開催した。 こうしたファンのニーズを幅広く捉えたコンテンツのマルチユースや新たな事業は、今後の収益化につながる取り組みとして期待される。 (執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一) 《NS》
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ビックカメラ傘下の無料BS放送局。子会社で児童書の出版も。タイム収入は通販枠の強化・拡充により堅調。スポット広告収入が足踏み。アニメ強化に向けた費用増は重し。配当性向4割目安。コンテンツ価値の最大化を図る。 記:2024/07/31