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エーバランス Research Memo(7):2022年6月期第2四半期累計業績は主力2事業の伸長により大幅増収を達成

2022/3/29 16:07 FISCO
*16:07JST エーバランス Research Memo(7):2022年6月期第2四半期累計業績は主力2事業の伸長により大幅増収を達成 ■業績動向 1. 2022年6月期第2四半期累計業績の概要 Abalance<3856>の2022年6月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比130.3%増の26,655百万円、営業利益で同37.0%減の532百万円、経常利益で同61.4%減の340百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同130.6%増の803百万円となった。売上高は太陽光パネル製造事業、グリーンエネルギー事業がともに伸長し、過去最高を大幅更新したが、営業利益、経常利益に関してはコロナ禍での部材、海上運賃費高騰の影響で太陽光パネル製造事業の収益が一時的に悪化したことが減益要因となった。なお、過年度の太陽光発電所工事請負契約に係る収受金1,020百万円を特別利益として計上している。 (1) 太陽光パネル製造事業 欧米での太陽光発電の旺盛な需要を背景に、太陽光パネル製造事業の売上高は前年同期比159.4%増の22,723百万円と大きく伸長したが、セグメント利益は同59.0%減の223百万円となった。コロナ禍によりベトナム工場の稼働や製品出荷に一部影響が出たほか、原油価格の上昇に伴う部材価格の値上がりや海上運賃の高騰等が減益要因となった。ただし、第2四半期には工場の稼働や製品出荷体制が正常化し、部材価格や海上運賃の値上がりもピークアウトしたこと、販売価格の値上げ交渉、オペレーションの合理化等を順次進めたことから売上高、利益ともに上向きに転じている。 また、2021年7月には新設した第3工場(設備投資額約13億円)の稼働を開始し、年間製造能力を従来の1.5GWから2.6GWに拡大した。第3工場では主に欧米向けで需要が見込める最先端パネル(1枚のパネルで発電能力500W以上、または600W以上の製品)を製造している。2022年6月期第2四半期に、VSUNの事業性や品質管理体制等が評価され、国内金融機関(香港支店)から短期運転資金として5百万米ドルの資金を調達した。 (2) グリーンエネルギー事業 グリーンエネルギー事業の売上高は前年同期比44.6%増の3,618百万円、セグメント利益は同23.4%増の619百万円となった。売上高の内訳を見ると、太陽光発電所の販売及び部材に係る物販収入が2,511百万円、売電及びO&M収入が1,036百万円、その他70百万円といずれも順調に拡大した。とりわけ、3年前にはまだ少なかった売電収入が、自社保有発電所の相次ぐ稼働やM&Aによる物件取得によって大きく伸長し、増収要因になったと見られる。 近年に稼働を開始した案件としては、角田市太陽光発電所(2021年3月)、福島市大波太陽光発電所(同年6月)、河口湖太陽光発電所(同年7月)、長嶺ソーラーファーム(同年11月)などがあり、これらで5億円前後の増収要因になったと見られる。加えて、2021年3月に(株)BLESS、同年10月に(株)カンパニオソーラー、(株)ジャパン・ソーラー・パワー及びその子会社となるジャパン・ソーラー・エナジー(株)を相次いで子会社化するなど、M&Aも積極的に行いストック型収入の積み上げに取り組んだ。また、現在建設中の太陽光発電所として大和町・大衡村太陽光発電所(2022年12月以降連系予定、初年度売電収入:530百万円見込み)、神戸市太陽光発電所(買収案件)、蔵波太陽光発電所、那珂市太陽光発電所等がある。 そのほか、M&A案件として2021年11月に日本ライフサポート(株)から、産業用太陽光発電事業等に係る連系済低圧発電所、仕掛品、営業等の人員リソースを169百万円で取得している(初年度通期売上:約1,700百万円見込み)。仕入ネットワークを持つ営業人員の獲得によって、物件販売や売電収入のさらなる拡大につながると同社では見ている。 O&M収入については安定収益源として定着しており、WWBでの実績に加えて(株)バローズエンジニアリングにて、落雷対策に効果のあるアース線配線、施設内カメラの設置によるセキュリティ確保、RPAを活用した異常点探知システム等の提供による契約件数の積み上げに取り組んだ。 海外事業では、ベトナム、カンボジア、インドネシア、スリランカ、台湾等の東南アジアにおける旺盛な電力需要に対して、再生可能エネルギーを供給するため、現地企業との合弁等により事業参画している。また、環境省が実施した2019年度「二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)資金支援事業のうち設備補助事業」の公募案件の採択を受け、カンボジア国内における太陽光発電(1MW)とバイオマス発電(0.5MW)を併設したハイブリッド発電設備の整備プロジェクトを推進していく予定になっている。コロナ禍の影響により海外渡航制限などが続いたことから、海外事業について近年は目立った進捗がなかったものの、海外渡航制限の緩和とともにこれらの海外プロジェクトも再開し、海外事業を拡大していく方針となっている。 (3) IT事業 IT事業の売上高は前年同期比29.1%増の14百万円、セグメント利益は0百万円(前年同期は7百万円の損失)となった。ナレッジ(情報・知識・経験)の共有や業務プロセスの再構築を通じた労働生産性の向上を目的とした自社製品「KnowledgeMarket(R)」やMicrosoft 365を活用したDX支援サービス、RPA製品を活用した効率化・省力化サービス等を提供したほか、IoTを駆使したデータ計測から最適解を導出する支援サービス等に取り組んだ。また、グリーンエネルギーの供給やRE100推進等に関連したSDGsを志向する企業や自治体等のニーズについては、グリーンエネルギー事業、ヘルスケア関連事業との連携を図りつつ事業を推進している。さらに、事業規模の拡大を図るため、M&Aについても戦略の1つとして検討を進めているようだ。 (4) 光触媒事業 光触媒事業の売上高は前年同期比2.4%増の55百万円、セグメント利益は9百万円(前年同期は1百万円の損失)となった。売上高は新型コロナウイルス感染症対策としてニーズが増している抗菌・抗ウィルス製品「blocKIN」や、銀イオンを配合したハイラインの「blocKIN HYPER」等の拡販に取り組んだほか、「光触媒LIFE」事業を推進し、コーティング施工事業者のFC加盟・代理店数の拡大を図ったことが増収増益要因となった。 (5) その他 その他には建機販売事業が含まれており、売上高は前年同期比0.8%減の242百万円、セグメント損失は14百万円(前年同期は13百万円の損失)となった。港湾で使用されるフォークリフトの需要が増加したものの、全体的にはコロナ禍の影響もあり伸び悩む格好となった。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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太陽光パネル製造事業が主力。太陽光発電所の自社保有等を行うグリーンエネルギー事業、IT事業、光触媒事業も手掛ける。太陽光セル等の内製化図る。太陽光パネル製造事業ではグローバルサプライチェーンを強化。 記:2024/07/08