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システム ディ Research Memo(5):公教育ソリューション事業など3事業が売上をけん引(2)

2022/2/14 16:05 FISCO
*16:05JST システム ディ Research Memo(5):公教育ソリューション事業など3事業が売上をけん引(2) ■システムディ<3804>の業績動向 (4) 公会計ソリューション事業 公会計ソリューション事業では、地方自治体向けの公会計用ソフト「PPP(トリプルピー)」※や各種ソリューションを提供している。「PPP」は2000年に初期バージョンを開発し、2008年にリリースした「Ver.3」で複式簿記を簡単に実施できる機能を搭載し、以降、熟成を重ねながら導入自治体数を拡大してきた。現在は「Ver.5」を提供している。 ※「PPP」:自治体会計(現金主義・単式簿記会計)を発生主義・複式簿記にもとづいて公会計財務諸表と固定資産台帳を作成する機能を持ち、会計制度の新統一基準に完全対応したソフトウェア製品として業界に先駆けて開発したことで、トップシェアを握るまでに成長した。 2021年10月末の累計導入自治体・関連団体数は、前期末比83増加の1,160(うち、自治体は899)となっており、自治体における導入シェアは50%に達している。2022年度末のサービス停止を発表している国策の競合製品(市場シェア約25%)からのリプレイス需要を順調に取り込めたことが導入件数の増加につながっている。2021年10月期の売上高も前期比24.0%増の595百万円と2期連続の増収となった。 導入対象となる自治体数は1,788自治体、公共団体数は1,544団体で、このうち自治体向けの導入目標として1,000程度を掲げている。国策製品のサービスが終了する2022年度が導入件数を伸ばす最大の好機となり、すでに大規模自治体など複数の自治体で受注を獲得しているもようだ。ただ、2023年度以降は国策製品からのリプレイス需要がなくなり、その他競合製品との受注競争のみとなるため、導入件数の伸びも一段落する可能性が高い点には留意しておく必要がある。競合先としては、未上場のジャパンシステム(株)や(株)ぎょうせい、TKC<9746>のほか、各地域に開発ベンダーがある。 中長期的な視点での成長を見据えて、同社は新製品として「Common財務会計システム」を2021年3月にリリースした。地方公共団体が行う「歳入歳出決算」「地方財政状況調査(決算統計)」「統一的な基準による財務書類」の三つの決算を一元管理することで早期の決算確定を可能とするほか、予算編成の際にPDCAサイクルを実現する各種分析ツールも標準装備するなど、決算処理や予算編成の業務省力化・効率化を実現するシステムとなっていることが特徴で、既存製品にはない先進的な考え方を取り入れた製品となっている。自治体の財務会計システムについては導入実績がないため採用までに時間がかかると見られるが、まずは「PPP」の導入ユーザーに提案し、他社からの切り替えを進めていく戦略で、早ければ2023年10月期からの売上貢献を目指している。「PPP」の自治体導入シェアが50%と高いこと、今後公会計で必要となりそうな先進的な機能を盛り込んで作られていることなどから、将来的に導入件数が広がり収益貢献する可能性は十分あると弊社では見ている。 (5) ソフトエンジニアリング事業 ソフトエンジニアリング事業では幅広い業種の民間企業や金融機関、公益法人、学校法人等に、文書・契約書等の管理システム等を提供している。具体的商品としては「規程管理システム」や「契約書作成・管理システム」などがある。民間企業や学校法人、公益法人問わず、コンプライアンスやガバナンス強化のための支援ソフトウェアとして高機能かつコストパフォーマンスに優れた製品として高く評価されており、ここ数年着実に売上を伸ばしている。2021年10月末の累計顧客数は前期末比63件増加の547件となった。 2021年10月期の売上高は前期比7.4%増の262百万円となった。前期に「規程管理システム」の大口案件があった反動で伸び率は鈍化しているものの、同要因を除けば2ケタ増ペースが続く状況となっている。コンプライアンスやガバナンス強化に取り組む企業が増えるなか、大企業を中心にコストパフォーマンスの高い同社製品の導入が進んでいる。コロナ禍で訪問営業が制限・自粛されるなかで、オンライン営業で成約まで至るケースも増えており、交通費の減少により利益率も上昇したと見られる。 (6) 薬局ソリューション事業・その他 薬局ソリューション事業は連結子会社のシンクが手掛けている事業で、小規模の独立系調剤薬局に対してレセプトコンピュータ(レセコン)の「GOHL2」/「OKISS」を中心に各種業務システムを提供している。2021年10月末の累計顧客数は前期末比1店舗増加の1,229店舗となり、売上高は保守サポート収入を中心に堅調に推移した。また、同社製品によるソリューションビジネスを北海道で展開するシステムディ北海道(株)についても、既存大規模顧客への対応を行いシステムの安定稼働を図るとともに、道内での積極的な営業活動を進めたことで売上高は前期並みの水準を維持した。 テナント収入も含めた2021年10月期売上高は前期比2.1%増の77百万円となっている。なお、システムディ北海道については設立当初の目的をおおむね達成したことから、2022年1月をもって同社と合併のうえ、同年2月からは札幌支社として活動していくことになっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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