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神戸物産 Research Memo(4):業務スーパー事業は47都道府県すべてに出店を達成、2ケタ増収増益が続く

2022/1/26 15:14 FISCO
*15:14JST 神戸物産 Research Memo(4):業務スーパー事業は47都道府県すべてに出店を達成、2ケタ増収増益が続く ■神戸物産<3038>の業績動向 2. 事業セグメント別の動向 (1) 業務スーパー事業 業務スーパー事業の売上高は前期比11.0%増の355,466百万円、営業利益は同17.3%増の31,035百万円と2ケタ増収増益となり、営業利益率も前期の8.3%から8.7%に上昇し過去最高を更新した。新規出店効果に加えて、既存店向け商品出荷額伸び率が前期比2.4%増と堅調に推移したことが増収要因となった。また、利益率の上昇要因としては、採算の良いPB商品の売上構成比が前期の31.65%から33.12%に上昇したことが主因となっている。原材料価格の上昇があったものの、6月に国内グループ工場の商品の一部値上げを実施したほか、9月にも国内外のPB商品の値上げを実施するなどして対応した。 2021年10月期における「業務スーパー」の出店状況については、新規出店で77店舗、リロケーションなどによる退店で6店舗となり、前期末比71店舗増の950店舗となった。期初計画では45店舗の純増を見込んでいたが、大幅に上回ったことになる。増加の内訳を見ると、関東直轄エリアで15店舗増、関西直轄エリアで10店舗増、九州直轄エリアで22店舗増、北海道エリアで2店舗増、その他地方エリアで22店舗増となっており、特に、九州直轄エリアの出店ペース加速が目立った。同地域ではまだ店舗数が少なく、出店余地が大きいことからFCオーナーの出店意欲も旺盛となっている。なお、宮崎県に1店舗出店したことにより、全都道府県に進出したことになる。 「業務スーパー」の既存店ベースの商品出荷額伸び率の推移を見ると、2021年3月~5月は前年の巣ごもり消費の反動減によりマイナスとなったものの、6月以降は再びプラス基調が続いており、年間を通して販売は好調に推移したと言える。食品スーパー業界全体との比較で見ても、6月以降は業界全体の既存店売上高が前年同期並みの水準にとどまるなかで、「業務スーパー」は8月を除いて3%を超える水準で推移するなど、引き続き強さが目立った一年となった。テレビ番組やSNSなどで人気PB商品が取り上げられたことや、9月、10月は大感謝セールを行うなど効果的な販促施策を打ったことも既存店の伸びにつながった。商品別では全般的に好調だったが、夏場の天候不順による青果物の高騰を受けて価格の安定している冷凍野菜が大きく伸長したほか、利便性の高いチルド惣菜シリーズ(やわらか煮豚等)や冷凍麺、スイーツ類(冷凍チョコ大福、冷凍みたらし団子等)も好調だった。 自社グループ会社の収益については全体でほぼ横ばい水準だったと見られる。生産能力の増強に伴う減価償却費の増加や、原材料コストの上昇などで収益が落ち込んだ会社も一部出ている。2021年10月期の主な設備投資内容について見ると、宮城製粉(株)で中古物件の工場を購入し、石巻工場からレトルトのチルド惣菜シリーズの製造ラインを移管して2021年1月より稼働を開始している。石巻工場では鮭フレークとチルド惣菜シリーズを製造していたが、チルド惣菜シリーズの販売が拡大し生産能力が不足してきたことを受け別工場に移管し能力増強を図った。また、養鶏及び鶏肉加工を行う(株)グリーンポートリーでも、販売好調でチキンカツの生産能力が限界となったため、同年4月に専用工場を新たに稼働させている。 なお、2020年より新たに開始した牛・豚加工製品の製造販売については、着実に出荷額が伸びている。神奈川県の工場で製造しており、現在は首都圏の「業務スーパー」の一部店舗に出荷している。ガスパック包装により、消費期限を5日程度とし、通常よりも長期保存できることが特徴だ。現状はまだ1店舗当たりの出荷額を増やしていくことが課題となっており、SVによるFC店舗への商品説明や売り場面積構築等の提案を行っている。既存エリアで物流量が一定水準を超えた段階で、販売対象エリアを順次拡げていく予定となっている。首都圏をすべてカバーした段階で、関西エリアにも展開していく計画にしている。 (2) 外食・中食事業 外食・中食事業の売上高は前期比55.0%増の3,889百万円、営業損失で455百万円(前期は68百万円の損失)となった。売上高は「馳走菜」や直営展開している「プレミアムカルビ」の店舗数拡大により増収となったものの、「プレミアムカルビ」がまだ立ち上げ期にあり、本部経費の負担が重いほか出店費用が増加したこと、また、コロナ禍で客数の低迷が続いた「神戸クック・ワールドビュッフェ」の売上減少が響いて、営業損失は拡大した。 「神戸クック・ワールドビュッフェ」の出店状況について見ると、新規出店が1店舗、退店が3店舗となり、前期末比2店舗減の15店舗(臨時休業中の伊勢崎店(群馬県伊勢崎市)含む)となった。2021年1月上旬より、緊急事態宣言を受けて営業時間の短縮や臨時休業を実施しており、一部テイクアウトサービス等で売上の確保に努めたものの減収傾向が続いた。 一方、焼肉オーダーバイキングの「プレミアムカルビ」については7店舗を新規出店し、期末店舗数は前期末比7店舗増の10店舗となった。営業時間の短縮の影響があったものの、テレビやSNSなどメディアで取り上げられたこともあり、売上は好調に推移した。焼肉オーダーバイキングと合わせて、店内手作りのスイーツ&ジェラートの充実したメニューが女性客を中心に人気となっている。 中食業態である「馳走菜」については24店舗を新規出店し、前期末比で24店舗増の49店舗となった。中食需要の拡大や「業務スーパー」の来店客数増加、新型コロナウイルス感染症対策を強化したことなどが奏功し、店舗当たり販売も好調に推移している。このため、面積に余裕のある店舗では「業務スーパー」出店時に「馳走菜」を併設するケースが増えてきている。 (3) エコ再生エネルギー事業 エコ再生エネルギー事業の売上高は前期比11.1%増の2,668百万円、営業利益は同57.9%増の480百万円となった。新規発電所は、2021年5月に大阪府で太陽光発電所を1ヶ所(約9.9MW)稼働し、太陽光発電所が17ヶ所で約32.1MW、木質バイオマス発電所が1ヶ所で約6.2MW、合計で約38.3MWの発電能力となっている。売上高は発電量の増加による増収となり、営業利益は新規発電所の稼働に伴う減価償却費の増加79百万円があったものの、増収効果に加えてバイオマス発電事業でコスト低減が進んだことにより増益となった。バイオマス発電事業では、原料となる木材の調達先を変更したほか、メンテナンス作業の効率化に取り組んだことによりコスト低減を図った。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《ST》
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時価総額 979,488百万円
冷凍・加工食品など食品中心の「業務スーパー」を展開。デザート、菓子類に大ヒット商品多数。独自の輸入ルートに強み。業務スーパーの総店舗数は1070店舗超。中計では26.10期売上高5430億円目標。 記:2024/10/24