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ナガイレーベ Research Memo(5):2021年8月期は過去最高の売上高を更新、前期比5.6%営業増益

2021/10/22 15:05 FISCO
*15:05JST ナガイレーベ Research Memo(5):2021年8月期は過去最高の売上高を更新、前期比5.6%営業増益 ■業績動向 1. 2021年8月期の連結業績概要 ナガイレーベン<7447>の2021年8月期の連結業績は、売上高が前期比2.9%増の17,563百万円、営業利益が同5.6%増の5,212百万円、経常利益が同5.5%増の5,306百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.0%増の3,647百万円となった。また、計画に対しても上振れて着地しており、売上高は1.5%増、営業利益は2.8%増であった。 市場環境としては、医療現場の状況は完全に回復したとは言えないものの、一時期の混乱状態からは脱却し落ち着きを取り戻している。また、政府の対応としては、コロナ禍対策として医療機関等への政府支援(総額3兆円)が実施され、2021年4月からは介護報酬改定+0.70%(うち新型コロナウイルス感染症対応分+0.05%)が行われた。また、薬価基準は、同年4月から医療費ベースで約4,300億円※に相当する引き下げとなった。これらの改定は、病院経営には多少の影響を及ぼす可能性があるものの、同社製品への発注には大きな影響はないと見られる。 ※薬価については、今後はパーセント表示ではなく、金額表示で毎年行われる予定。 売上高は、計画値も上回り過去最高を達成した。コア市場であるヘルスケアウェア、ドクターウェアは、前期からの期ズレ物件が着実に更新されたことに加え、大型物権の新規獲得により増収となった。また周辺市場である患者ウェアにおいてもシェアアップが進行し大幅な増収となり、厚生労働省向け(感染対策商品)の減少(2020年8月期の945百万円から2021年8月期は315百万円に減少)をカバーして全体では増収となった。なお、厚生労働省向けの特需が2020年8月期及び2021年8月期に発生したが、これを除いた実質ベースでも同6.9%の増収となった。 利益面では、売上総利益率は前期比0.1ポイント改善し45.9%となり、売上総利益は同3.2%増の8,058百万円となった。売上総利益の増減要因としては、販売による要因(売上増)が227百万円増、生産による要因が21百万円増であった。さらに生産要因の増減分析を行うと、原価為替レート(2020年8月期106.0円/米ドルに対し2021年8月期104.3円/米ドル)による影響として34百万円増、海外生産が一時的に急増したことで一部の素材等の輸送に航空便を利用したことによる海外物流費(売上原価)の上昇による影響で58百万円減、海外生産比率の上昇(2020年8月期49.5%に対し2021年8月期50.7%)で60百万円増などによる。 一方で販管費は、引き続き経費削減に努めたことなどから前期比0.9%減の2,846百万円、計画比でも3.2%減であった。主に広告宣伝費21百万円減、旅費交通費18百万円減などによる。その結果、営業利益は同5.6%増の5,212百万円となった。設備投資額は237百万円(建物関連164百万円、IT設備18百万円、物流設備35百万円、生産設備18百万円)、減価償却費は316百万円となった。 コロナ禍の影響については、同社が管轄している生産・販売・物流はすべて通常通り稼働し、国内外の生産環境への影響は軽微であった。そのほか、東京証券取引所・新市場区分「プライム市場」の上場維持区分に適合したとの通知を受領した。これに基づいて「プライム市場」を選択することを決定し、東京証券取引所へ申請済みである。 (1) アイテム別売上高 アイテム別売上高は、ヘルスケアウェアが前期比8.2%増の9,673百万円、ドクターウェアが同6.1%増の2,626百万円、ユーティリティウェアが同3.9%減の378百万円、患者ウェアが同22.1%増の2,523百万円、手術ウェアが同3.5%減の1,659百万円、シューズ・他が同2.6%減の338百万円、感染対策商品が同67.6%減の362百万円となった。 ヘルスケアウェア及びドクターウェアにおいては、前期からの期ズレ物件を着実に更新したことに加え、大型物件の新規獲得により順調に増収を確保した。以前から注力していた患者ウェアも、市場の旺盛な需要を背景に、前期に予定していた新規取り組みが実現するなどシェアアップが進行し、大幅増収となった。手術ウェアでは、感染対策での需要は上期で一段落し、下期は通常ペースとなったが、2020年8月期下期が大幅増収であったことから、通期では減収となった。感染対策商品については、2020年8月期下期の厚生労働省向け大口納入やリユーザブルマスクの一過性需要が一巡し、大幅減収となった。 (2) 商品別売上高 商品別の売上高は、ハイエンド商品が前期比13.6%増の1,218百万円、高付加価値商品が同7.0%増の9,302百万円、付加価値商品が同6.5%増の5,963百万円、量販品が同1.1%増の764百万円、厚生労働省向けが同66.7%減の315百万円となった。 ハイエンド商品では、新商品(ヘルスケアウェア、ドクターコート)のラインナップを強化して市場の活性化に注力した。高付加価値商品では、更新物件の確実な受注に向けて機能アップとデザイン性を高めて付加価値向上を目指した。付加価値商品では、前期からの新商品投入により他社物件を獲得したことに加え、量販品からの引き上げ移行を実施した。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《YM》
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時価総額 78,726百万円
看護師や医師、患者向け等の医療白衣専業メーカー。1915年創業。医療白衣のコア市場で国内シェア6割超。年間600万着を供給。看護師向け製品の売上比率が高い。27.8期売上188億円目標。海外市場開拓図る。 記:2024/10/20