三和HD Research Memo(2):シャッターで創業後、国内では多品種展開を推進し、海外展開も早期から注力
2021/6/18 15:12
FISCO
*15:12JST 三和HD Research Memo(2):シャッターで創業後、国内では多品種展開を推進し、海外展開も早期から注力
■会社概要
1. 沿革
三和ホールディングス<5929>は、現代表取締役社長の高山靖司(たかやまやすし)氏の祖父、高山萬司(たかやままんじ)氏により、1956年に兵庫県尼崎市に設立された。1963年に株式会社三和シヤッター製作所(1956年設立)、三和シヤッター株式会社(1959年設立)、三和商事株式会社(1961年設立)の3社を吸収合併した。合併後は、三和シヤッター製作所の営業活動を全面的に承継し、社名を三和シヤッター工業株式会社に変更するとともに、本社を東京都新宿区に移転した。
同社は1974年に米国のOverhead Door Corporation(1996年に買収。以下、ODC)と技術提携してオーバースライダー(R)(ガレージに使用するシャッター)として国内販売をするなど、シャッターを中心に順調に業容を拡大した。1981年には現取締役会長の高山俊隆(たかやまとしたか)氏が代表取締役社長に就任し、事業を発展させて今日に至る経営体制の基礎を築いた。
同社はシャッター事業の拡大を図る傍ら、ドア製品、エクステリア製品、ストアフロント、自動ドアエンジン、ステンレス製品などへと商品ラインナップの多様化にも取り組んだ。その結果、現在では“動く建材”(ドア、シャッター関連の総称)の領域において、国内シェア第1位を占めるに至っている。この過程では、自社による進出に加えて、M&Aの手法も積極的に活用した。
同社はまた、国内市場の成熟を見据えて、早くから海外展開にも積極的に取り組んだ。1986年に香港に三和シヤッター(香港)有限公司を設立したのを皮切りに、欧米及びアジアで事業を拡大してきた。特に欧米では、2000年代以降、M&Aを重ねて急速に業容拡大を図った。米国では1996年に持株会社Sanwa USA Inc.を設立してODCを買収した。以後はODCが主体となってM&Aを進め、北米(米国及びカナダ)における事業を展開している。欧州では2003年にSanwa Shutter Europe Ltd.(現Novoferm Europe Ltd.(ノボフェルム)。以下、NF)を設立し、その後はNFグループとして欧州事業を展開し、米国同様、M&Aを重ねて、順調に業容拡大している。さらに、アジアは中国、韓国、台湾、ベトナム、香港、タイ、インドネシアを中心に展開し、日・米・欧・亜の4極体制を整えてきた。現状では、収益の柱である日本を中心に、北米、欧州も収益貢献しているが、2019年度より新たに連結されたアジア事業の早期黒字化が課題である。2019年には、(株)LIXIL鈴木シャッター(現(株)鈴木シャッター)を傘下に収め、国内の基盤を盤石なものにすると同時に、アジア事業の強化を目指している。また、2021年には、ODCが米国横引きスライド式ドアメーカー最大手のWon-Door社の全株式を取得し、事業領域の拡大を図っている。
証券市場には1963年9月に東京証券取引所市場第2部に上場したのち、1970年7月に市場第1部に指定替えとなり、現在に至る。2017年より、高山靖司氏が代表取締役社長に就任し、世界中の顧客に安全・安心・快適な商品とサービスを提供することを目標に、グループの更なる発展を目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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