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アンジェス Research Memo(1):コラテジェンの事業価値最大化と開発パイプラインの拡充に注力する

2020/3/19 16:46 FISCO
*16:46JST アンジェス Research Memo(1):コラテジェンの事業価値最大化と開発パイプラインの拡充に注力する ■要約 アンジェス<4563>は、1999年に設立された大阪大学発の創薬ベンチャー。遺伝子医薬に特化した開発を進めており、将来的に「遺伝子医薬のグローバルリーダー」になることを目標にしている。新薬候補品を開発し、販売パートナーとの販売権許諾契約によって得られる契約一時金や、開発の進捗状況等によって得られるマイルストーン収益、上市後の製品売上高にかかるロイヤリティ収入を獲得するビジネスモデルとなる。 1. HGF遺伝子治療用製品の動向 主力パイプラインであるHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」は、2019年3月に「標準的な薬物治療の効果が不十分で血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善」を効能として、厚生労働省から条件及び期限付製造販売承認を取得し、同年9月より提携先である田辺三菱製薬(株)を通じて販売を開始した。今後5年内に120例の評価を行い、同結果を見て本承認の取得を目指す。また、国内で慢性動脈閉塞症の「安静時疼痛」の改善を確認する第3相臨床試験を同年10月より開始し(予定症例数40例)、製品価値を高めていく戦略となっている。米国でも2020年2月に下肢切断リスクの低い閉塞性動脈動脈硬化患者を対象に、「潰瘍の改善」を主要評価項目とする第2b相臨床試験が開始されている(予定症例数約60例)。 2. その他パイプラインの動向 その他のパイプラインの進捗状況を見ると、米国で椎間板性腰痛疾を適応症としたNF-κBデコイオリゴの第1b相臨床試験、オーストラリアで高血圧DNAワクチンの第1/2a相臨床試験がそれぞれ進行し、間もなく被験者登録が完了する見込みとなっている。いずれも2020年内にトップラインデータを発表し、良好な結果が得られればライセンス交渉を開始したい考えだ。また、開発パイプライン拡充のため、複数の資本提携や共同開発の発表を行っている。なかでも、2019年3月に出資したEmendo Biotherapeutics(米)(以下、Emendo)は、ゲノム編集の最先端技術を用いた創薬ベンチャーで、今後、遺伝子疾患治療用製品の開発を共同で進めていく方針となっている。同社は2020年1月と6月に合計50百万円ドルを追加出資し、持分法適用関連会社(出資比率は約32%)とする予定だ。また、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の共同開発を行うVasomune Therapeutics(カナダ)(以下、Vasomune)では、2020年内に米国で臨床第1相試験を開始する予定のほか、資本出資したBarcode Diagnostics(イスラエル)の抗がん剤選択のための診断技術に関して、2020年2月に公益財団法人がん研究会と共同研究契約を締結したことを発表している。 3. 業績動向 2019年12月期の事業収益は前期比46.4%減の326百万円、営業損失は3,270百万円(前期は3,065百万円の損失)となった。ムコ多糖症6型治療薬「ナグラザイム®」の販売を第2四半期で終了し、商品売上高が前期比55.6%減の170百万円となった一方で、「コラテジェン®」の国内での条件及び期限付製造販売承認によるマイルストーン収入150百万円、及び「コラテジェン®」の製品売上高4百万円を計上した。費用面では、研究開発費が前期比324百万円減少したものの、「コラテジェン®」の販売開始に伴うマーケティング費用を中心に販管費が同347百万円増加した。2020年12月期は、「コラテジェン®」の海外導出に取り組むほか、新規シーズの導入なども検討していく。研究開発費は増加する見込みだが、現段階で合理的な数値の算出が困難なことから業績予想を開示していない。 4. 中期経営計画 中期経営計画として、同社は「コラテジェン®」の導出や適応拡大による事業価値最大化に取り組んでいくことに加えて、現在、開発中のパイプラインについての導出による成長基盤の確保、「次の10年」を見据えた新規事業領域への展開に取り組んでいく方針を明らかにしている。新規事業領域としては、遺伝子診断による新生児の難病・希少疾患の早期診断や最適な抗がん剤の選択を可能とする診断事業、Emendoのゲノム編集技術を用いた難病遺伝子治療薬の開発、マイクロバイオーム事業※などが挙げられ、今後の動向が注目される。 ※体内の微生物の生態系であるマイクロバイオーム(微生物叢)の働きを活用して、医薬品や健康食品、サプリメント等の製品開発を行う。2018年7月に同領域のパイオニアであるMyBiotics Pharma Ltd.(イスラエル)と資本提携を結び、事業化の可能性を検討している。 ■Key Points ・HGF遺伝子治療用製品は国内で2019年9月より販売を開始、米国でも臨床試験を2020年より開始 ・椎間板性腰痛症を対象としたNF-κBデコイオリゴは2020年内のトップラインデータ発表を目指す ・高血圧DNAワクチンは、第1/2a相臨床試験の結果次第で早期導出の可能性も (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《SF》
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大阪大学発の研究開発型バイオベンチャー。遺伝子医薬、DNAワクチンの研究開発などを行う。開発パイプラインにHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン」など。早老症治療薬「ゾキンヴィ」を24年5月に発売。 記:2024/08/06