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ダイナック Research Memo(4):事業モデルの違う直営ビジネスと受託ビジネス、独自の事業ポートフォリオに強み

2020/3/12 15:14 FISCO
*15:14JST ダイナック Research Memo(4):事業モデルの違う直営ビジネスと受託ビジネス、独自の事業ポートフォリオに強み ■会社概要 3. 企業特徴 (1) 成長モデル ダイナックホールディングス<2675>は、他の外食企業と同様、基本的には店舗数の拡大が売上高の伸びをけん引する成長モデルである。ただ、同社の場合、店舗の運営形態や業態などによって規模にばらつきがあり、業績に与えるインパクトが異なるところに注意が必要である。特に、ゴルフクラブレストランや高速道路SA/PAなどの受託ビジネスは規模が期待できる上、投資効率も高い。また、収益性についてもノウハウの蓄積やオペレーションの習熟度に応じて改善の余地が大きく、ほかに転用(横展開)が可能なところにも利点がある。したがって、市場が縮小傾向にあり、かつ競合も厳しい都心型の直営ビジネスが低迷するなかで、受託ビジネスの拡大が今後の成長ドライバーとなる可能性は十分に高いと考えられる。 (2) 独自の事業ポートフォリオ 同社は多くの強みを有するが、筆頭に挙げられるべきは優良な事業ポートフォリオを確立していることである。すなわち、2つのビジネスがともに、市場環境やターゲット、エリア、運営形態の違うそれぞれの領域において高い競争力と存在感を発揮しつつ、相互に補完的な関係にあるため、グループ全体の収益基盤の安定化を始め、経営の柔軟性(選択肢の幅)やビジネス機会の広がりも期待できるところに強みがある。 (3) 高いブランド力と人財パワー また、優良な事業ポートフォリオや高付加価値型の店づくりを支えるものとして、創業60周年の実績やサントリーグループに裏打ちされた信用力、ブランド力に加え、独自の人財教育体制の存在がある。特に、人財教育については、伝統的に引き継いできた人を育てる風土や仕組みをさらに強化し、感動サービス研修(ホスピタリティマネージャーによる接客マナー講座等)の充実化や、各部門・エリアの統括マネージャー(サービス担当や調理担当など)を現場に配置して育成・指導に当たらせるなどの徹底を図っている。また、「パートナー」と呼んでいるアルバイト社員に対しても、パートナー育成評価システム「ファイブスター制度」などを通じて積極的な人財投資を行っており、最近では多国籍パートナーへの対応を含め、教育・研修のWeb化(英語、中国語、ベトナム語)も進めている。 (4) 倶楽部ダイナック(会員基盤) 同社は、顧客の囲い込みを目的に「倶楽部ダイナック(顧客会員カード)」による会員の組織化を促進している。多業態・都心ドミナント展開を特徴とする同社にとって相性が良い戦略と言える。会員は、入会金・年会費無料で入会すると飲食100円ごとに10ポイント(Web登録後)が付与され、2,000ポイントで2,000円分の食事券がプレゼントされるなどの特典がある。会員数は順調に拡大しており、2020年末の目標として38万人を掲げている。ロイヤリティの高い会員基盤は、業績の下支えに貢献することが期待される一方、その有効活用はポテンシャルであると同時に今後の課題として捉えることもできる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《ST》
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時価総額 9,122百万円
首都圏・関西圏を中心にレストランやバーを直営展開。ゴルフ場食堂などの運営受託も。コロナ禍が直撃し、昨年末時点で債務超過に。21.12期も苦戦の見込み。親会社サントリーHDが完全子会社化に向けてTOB実施。 記:2021/04/07