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学研HD Research Memo(5):2ヶ年中期経営計画『Gakken2020』で、“経営基盤の強化”に取り組む

2019/7/8 15:05 FISCO
*15:05JST 学研HD Research Memo(5):2ヶ年中期経営計画『Gakken2020』で、“経営基盤の強化”に取り組む ■中期経営計画の進捗状況 1. 『Gakken2020』の概要 学研ホールディングス<9470>は2019年9月期−2020年9月期の2ヶ年中期経営計画『Gakken2020』に取り組んでいる。同社は、教育分野と医療福祉分野の2つの成長エンジンによって次代を切り拓き、持続的成長による企業価値を向上させることを長期的な目標として掲げており、今中期経営計画ではその実現に向けて“経営基盤の強化”に取り組むことを重要取組事項としている。 “経営基盤の強化”について同社は、7つの経営施策を通じてそれを実現するとしている。具体的には1)事業戦略モニタリング、2)組織人事改革、3)収益構造改革、4)ポートフォリオ変革、5)財務戦略、6)投資評価、7)マーケティング強化、の7つだ。一見してわかるように、ホールディングカンパニーである同社本体の役割強化がその内容となっている。 同社は持株会社制を採用しており、個々の事業は子会社がイニシアチブをとっている。持株会社制には意思決定のスピードアップや経営人材育成など様々なメリットがある一方、デメリットもある。上記の7項目は、持株会社である同社本体がイニシアチブを取ってグループ力をしっかりと結集させ(換言すれば、求心力を確保し)、グループの収益成長につなげるための施策と言える。 各事業分野における成長に向けた取り組み 2. 進捗状況 今中期経営計画の最初の半年間は「事業戦略モニタリング」に基づく現状把握と課題抽出を中心に進んでいる。これにより取り組むべき方向性を明示している。 教育分野では「EdTech活用による世界で戦える教育事業」をテーマに、学研教室のビジネスモデル改革やEdTechへの投資を検討している。また昨年立ち上げた、教育アライアンスネットワーク(NEA)の普及拡大を進めている。また、2020年度から始まる大規模学習指導要領改訂や大学入試制度改革に合わせて学習参考書・児童書の改革、英語ビジネスの充実などを掲げている。 医療福祉分野では、2018年9月に子会社化したMCSのグループホーム事業と、同社が従来から手掛けるサ高住事業のシナジー創出をテーマに、MCSの人事制度改革や人材育成、認知症予防・早期発見の取り組みなどを進めている。また、医学看護出版事業では、介護士研修用eラーニングや保育士養成コースの充実に取り組んでいる。 以上のように、各事業会社ベースでは収益成長のための施策が順調に進んでいる。一方、前述した“経営基盤の強化”のための7つの経営施策については、今第2四半期決算に際しては特段の開示はされていない。前述の7つの経営施策は持株会社である同社本体がグループ力の結集を図ることに主眼が置かれており、これらの実施や評価には年単位の時間軸が必要なものも多いことも今回開示がなかった理由の1つと考えられる。そうした事情は十分理解した上でなお、今中期経営計画の肝とも言える“グループ力の結集”がどのような形で進行し、どういった効果や実績が期待できるのかについて、今後の情報開示に期待したい。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之) 《MH》
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