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トラストテック Research Memo(7):地域密着型の採用・営業を徹底し、業界最高水準の収益性を確保
2019/3/28 15:07
FISCO
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*15:07JST トラストテック Research Memo(7):地域密着型の採用・営業を徹底し、業界最高水準の収益性を確保 ■中長期の成長戦略と進捗状況 3. 製造系領域の中期成長戦略と進捗状況 トラスト・テック<
2154
>における製造系領域の位置づけは“安定成長”事業というものだ。日本社会における労働力不足が構造問題となっているなか、いたずらに規模拡大やシェア拡大を追うのではなく、同社がすでに実現している製造業派遣業界で最も高い収益性の維持・改善を優先しながら成長を目指すというのが基本方針となっている。 数値目標としては、製造業派遣事業における“高収益”を象徴する指標として営業利益率の5%の確保をまず挙げている。この数値を維持しながら、成長性の指標として売上高目標成長率10%の実現を狙っている。 2019年6月期第2四半期においては、前述のようにセグメント売上高営業利益率が5.1%と、目標ラインの5%を確保した。収益性の確保においては、技術系領域同様、派遣単価の上昇が大きく貢献した。同一顧客との間での派遣単価の見直しは容易ではなく、また頻度も多くはないため、同社は新規契約に際して高単価案件の獲得に注力し、収益性の維持に努めた。 製造系領域については従来から、派遣単価の上昇よりも派遣人員の増加とそのオペレーションの効率性の改善を収益拡大のドライバーとしてきた。そしてそれを実践する重要な施策が地域密着型の採用・営業活動の徹底という構図だった。 地域密着型の採用・営業は同社の事業モデルの根幹であり、その点は今現在も変化はないが、第2四半期は特に大都市圏周辺の地域において製造業人材へのタイト感が強まり、高単価案件の獲得へとつながった。 人材獲得は製造系化領域でも成長戦略の重要な要素であるが、技術系領域に比べると景気変動の影響を受けやすいため、ある意味では、より繊細なコントロールが求められる部分でもある。同社は2019年6月期の期初に、期中の中途採用と2019年4月入社の新規採用(200名を計画)によって人員拡大を図り、2019年6月末の製造系領域の技能社員数を2,900人とする計画で臨んだ。しかし実際には、2018年9月末が2,378人、同12月末が2,351人と、2018年6月末の2,466人から減少してきている。2019年4月の新卒者数は計画通り200人となる見通しだが、2019年6月末の技能社員数は期初計画の2,900人には届かない可能性がある。 以上のように、製造系領域では、収益性の維持を優先に安定した成長を目指すという成長戦略に対して、最優先課題の収益性の維持は達成できているものの、事業規模の成長(売上高で10%成長)という第2の目標は達成が難しくなりつつある。この点について、ネガティブにとらえるのではなく、収益性重視という成長戦略の大原則をしっかりと厳守していることや、事業環境の変化に対する同社の適応力の高さを示す好例としてポジティブにとらえるべきと弊社では考えている。 利益重視の経営方針のもと、英国3社はそれぞれ順調に進捗。アジアでは中国に続いてベトナムでも人材派遣事業に進出 4. 海外領域の中期成長戦略と進捗状況 海外領域では、2016年8月の英MTrecの買収を皮切りに、立て続けに英国の人材派遣企業を買収したことで急速に拡大した。そうしたプロセスを経て、海外領域については利益を重視した経営の徹底を取り組みの第1の課題としている。英国における過去のM&Aはいずれも、期待通りの水準で推移しているとみられるが、国内の製造系領域に比較して、収益性の点で改善の余地があるのもまた事実で、こうした点が利益重視の経営という問題認識につながったとみられる。 一方、未成熟市場であるアジアについてはゼロからの立ち上げ(子会社、合弁会社の設立)で取り組んできたが、今中期経営計画では「種まきから萌芽へとステージが移行」したとして、先進国同様、収益を強く意識した展開を目指している。アジアでは人材紹介事業と人材派遣事業を展開しているが、事業としてのポテンシャルが大きいのは言うまでも人材派遣事業だ。これまではアジア市場については低リスクの人材紹介事業を通じて様子をうかがってきたが、人材派遣事業による本格的事業展開に踏み出すことを意図していると考えらえる。 MTrecでは2019年6月期、事業構造改革に取り組んでいる。英国北東部に拠点を置くMTrecは自動車関連産業の顧客が多く、顧客の企業規模も大口顧客が多かった。これを現在では、食品や家電、物流など幅広い業種へと分散を図っているほか、企業規模も中・小口案件へのシフトを進めている。顧客の業種拡大と企業数の増加によって収益の安定化及びリスク分散を図る狙いとみられる。2019年3月期が業績の底で、2020年6月期以降は増収増益基調に回帰してくると期待されている。 GAPは順調に増収増益基調を歩んでおり、同社の社内計画に対してもそれ上回るペースで進捗しているとみられる。GAPは2018年8月にQuattro Groupを子会社したが、この2社はいずれも食品産業などを主たる顧客としながら、GAPが英西部、Quattro Groupが英東部を本拠地として補完関係が構築できる関係となっている。Quattro Groupの業績もまた、GAP同様、堅調に推移している模様だ。 英国の3社の中では、営業利益率が最も高いのはMTrecとみられる。製造業の中で最も単価の高い自動車産業の顧客を多く抱えているためだ。しかしそのMTrecも営業利益率は4%程度と、国内の製造系領域の5%台の営業利益率には及ばない。今後はこの点の改善を進める方針だ。 アジアにおいては、2つの合弁企業を通じて中国で日本式派遣事業を展開している。現地では日本式派遣事業が徐々に浸透しつつあり、それを反映して業績的にも着実に進捗しているもようだ。先行した山東省の合弁企業は、黒字が定着しているほか、広東省の合弁企業も2018年後半から事業が立ち上がりつつある状況だ。 直近の新たな進捗としては、ベトナムの大手人材派遣会社Le&Associates(以下、L&A)を傘下に持つL&A INVESTMENT CORPORATION(LAI)の株式を44.42%取得したことが挙げられる。L&Aは年商40億円超を誇り同国で最大手クラスの人材派遣会社だ。一方同社自身も日本国内でベトナム人エンジニアを積極的に採用している。ベトナムが日本企業のアジア進出先として存在感を高めていることは広く知られており、同社はL&Aと在ベトナム日系企業の取引拡大をはじめ、同社本体とL&Aとの間での人材交流など、様々な形でのシナジー追求を狙っているとみられる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之) 《HN》
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2154 東証プライム
オープンアップグループ
1,834
11/22 15:30
-11(-0.6%)
時価総額 168,328百万円
ビーネックスグループ、夢真ホールディングスの経営統合で2021年に誕生。エンジニア在籍数は2万2600名超。取引社数は約3400社。機電・IT領域が主力。在籍人数の増加や契約単価の改善等で建設領域は順調。 記:2024/06/25
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