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ヨシムラフード Research Memo(2):M&Aと長期支援による中小企業支援ビジネス

2018/12/19 15:28 FISCO
*15:28JST ヨシムラフード Research Memo(2):M&Aと長期支援による中小企業支援ビジネス ■会社概要 1.会社概要 ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>は、食品業界の中小企業を対象に長期的視点で支援・活性化していく事業を行っている。少子高齢化、人口減少という厳しい環境のなかで、商品や技術、販路など特定な分野で優れたノウハウを持ちながら、後継者難や事業再生、人材・資金・営業力不足といった様々な問題により、経営状態が芳しくない中小企業が世に数多くある。同社はそうした企業を次々と子会社化し、子会社各社の持つリソースをグループ全体で活用する仕組みを構築した。各子会社は営業、製造、仕入物流、商品開発、経営管理といった機能を、各社の枠を超えて横断的に利用、強みを生かし弱みを補完し合うことでともに発展していくことを目指している。 食品業界は、事業所数や雇用者数などの面で日本最大の業種であり、その大半が中小企業であると言われている。業界は少子高齢化などによって縮小を続けており、中小の食品企業が単独で生き残るには難しい時代となってきた。一方、戦後のベビーブーマーが経営者の平均引退年齢と言われる70歳を超え始め、今後10年で半数の経営者が引退年齢に達するという予測もある。そのような状況なのに、国内企業の3分の2が後継者不在と言われ、今後、事業継続をあきらめ廃業を選択肢に入れざるを得ない企業が急増すると推測される。 このような環境ながら、中小食品企業の事業継続の受け皿となる会社や組織があまりにも少ないのが現状である。M&Aというと思い浮かぶような大企業にとっては、中小食品企業は規模が小さ過ぎて効率が悪く、短期的な利益を求めがちな投資ファンドにとっては、成熟産業のため投資対象になりにくい。中小企業に寄り添ってきた中小企業診断士や税理士、公認会計士は専門家であるがゆえに、事業を承継・継続するためのトータルソリューションを容易に持ち得ない。このように、事業承継の担い手が圧倒的に不足しているという現実問題がある。そのような中で、同社は長期的視点での支援という点で他に類を見ない極めてユニークな企業であり、競合企業はほとんどないと言ってよい状況なのである。 2.ターニングポイント 同社は、2008年に現代表取締役CEOである吉村元久氏によって設立された。設立以来、事業承継問題を抱える企業や単独での経営に行き詰まった企業を子会社化し、再生・活性化してきた。同時に、同社も業容を急速に拡大し、2016年に東証マザーズに上場、2017年には早くも東証1部に市場変更した。東証1部への市場変更が完了したこともあり、2018年にはM&Aを積極的に推進し始めたところである。2018年10月現在、17社の食品関連企業を擁し、海外にも進出している。 同社の成長は決して順調だったわけではない。2008年の設立時、支援先は食品業界の中小企業にターゲットを絞り、M&Aと子会社間シナジーの両輪で成長するという方向感はすでに出されていた。しかし、その後長らく子会社の活性化という点で試行錯誤が続いた。2013年1月の(株)オーブン子会社化を前に、ようやく蓄積してきたノウハウが形になってきたのである。事業統括担当をホールディングスに置いて各社の事業を統括的に担当し、M&Aのデューデリジェンスから子会社の活性化までを同一人物が責任を持って見る——という現在の形がほぼ出来上がった。これをターニングポイントにM&A~支援という流れに対し組織的対応が可能となり、M&Aも子会社の成長も加速することになる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《RF》
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時価総額 34,481百万円
食品の総合商社「ヨシムラ・フード」、中華総菜の製造・販売を行う楽陽食品、海産物の加工・販売を行うワイエスフーズなどを傘下に収める持株会社。海外でも事業展開。国分グループ本社など提携先との協業推進。 記:2024/08/27