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ヨシムラフード Research Memo(1):増強投資で苦境を乗り切り、拓ける中期成長

2018/12/19 15:27 FISCO
*15:27JST ヨシムラフード Research Memo(1):増強投資で苦境を乗り切り、拓ける中期成長 ■要約 ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>は、食品業界の中小企業を対象に長期的視点で支援し活性化する事業を行っている。優れたノウハウを持ちながら、後継者難や事業再生などで経営状態が芳しくない中小企業が世に数多くある。同社はそうした企業をM&Aで子会社化し、子会社の持つ機能を横断的に利用することで、各社の強みを生かし弱みを補完して業績を改善させていくのである。つまり同社のビジネスモデルは、M&Aと子会社の成長の両輪で構成されているといえる。他に類を見ない極めてユニークなものと言える。 M&Aで重要なのがデューデリジェンスである。財務や法務のデューデリジェンスが重要なのは言うまでもないが、同社を特徴付けているのが「事業のデューデリジェンス」である。同社の事業統括担当がシャープな「目利き」として事業を厳しく査定している。また、M&A後に支援し活性化を進めるのも当の事業統括担当であり、彼らが各子会社と直接向き合うことでより強い信頼が得られる。この際、同社の「長期的に支援・活性化を図る」という考え方自体が信頼構築の基礎にもなる。M&A後、同社は多数のM&Aを通じて構築してきた横串機能を提供、営業や製造、仕入物流など子会社が欠落している機能を補う。こうした横串機能を同社は「中小企業支援プラットフォーム」と呼んでいる。実績が上がるにつれ、同社のビジネスモデルへの認知も広がりを見せてきた。一方、企業経営者の事業承継への関心も高まりつつあり、同社の事業環境はますます追い風が強まっている。 2019年2月期第2四半期の業績は、売上高11,438百万円(前年同期比15.1%増)、営業利益158百万円(同55.0%減)となった。期初の同社計画に対して、売上高で247百万円、営業利益で100百万円の未達である。売上高は、販売好調に加え2018年2月期下期以降に子会社化した3社の実績が加わった。しかし利益面では、原材料価格の高騰や工場での生産性低下、物流費の増加、子会社増によるコスト増加などにより非常に厳しい環境となった。特に主力の楽陽食品で(株)チルド餃子が売れ過ぎた影響で、各所の生産性が低下したことが未達の主因となった。 2019年2月期の通期業績見通しについて、同社は売上高23,954百万円(前期比19.6%増)、営業利益329百万円(同33.3%減)を見込んでいる。同社の期初の業績見通しに対し、売上高で675百万円上方修正したものの、営業利益で225百万円の下方修正となった。売上高の上方修正は新たなM&Aによる子会社増が要因で、営業利益の下方修正は新工場設立の費用発生と原材料費高騰の影響継続を見込んだものである。なかでも新工場は、チルド餃子が売れ過ぎたことに対応した楽陽食品の増強投資で、チルド餃子の生産力強化ばかりでなく、チルドシウマイの生産性改善も大きな目的となっている。特に2020年2月期以降の増益寄与は大きくなるものと期待する。 事業引継ぎ支援センターの累計成約実績が2017年度までの5年で1,478件となり、特に2017年度は前年同期比で2倍近いペースに加速した。このような好環境下にあるため、同社はM&Aをさらに積極化させる意向である。また、グループ企業の増加に伴ってシナジーを拡大するため、「中小企業支援プラットフォーム」の更なる強化も考えている。中期的には、販路の共有化などを進め、売上拡大や仕入れのスケールメリット、製造拠点や管理業務の集約による収益性向上を目指す。また、海外販路が拓けるなかメードインジャパンの高付加価値商品の開発も必須だろう。現在、業績改善から中期成長へとはばたく準備が着々と進んでいるところである。そのためにもプラットフォームの強化と支える人材の確保は必要だろう。 ■Key Points ・M&Aと子会社の成長が両輪というユニークな中小企業支援ビジネス ・2019年2月期第2四半期の業績苦戦は楽陽食品の生産性低下が原因 ・楽陽食品の抜本改善と順調なM&Aを背景に膨らむ中期成長イメージ (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《RF》
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時価総額 34,481百万円
食品の総合商社「ヨシムラ・フード」、中華総菜の製造・販売を行う楽陽食品、海産物の加工・販売を行うワイエスフーズなどを傘下に収める持株会社。海外でも事業展開。国分グループ本社など提携先との協業推進。 記:2024/08/27