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USENNEX Research Memo(5):環境変化のなか安定成長を目指す

2018/11/16 15:05 FISCO
*15:05JST USENNEX Research Memo(5):環境変化のなか安定成長を目指す ■USEN-NEXT HOLDINGS<9418>の事業概要 2. 通信事業 通信事業では、法人向けICTソリューション「USEN GATE 02」、法人向けブロードバンドインターネット回線「USEN光」、個人向けMVNOサービス「U-mobile」、個人向けブロードバンドインターネット回線「U-NEXT光01」を提供している。ICT事業としては、「USEN GATE 02」ブランドのインターネット回線や専用線など法人向けのネットワークサービス、Googleやサイボウズ<4776>などのクラウドサービス、データ通信やMDMといったモバイルサービス、データセンターサービスなど、ICT商材の販売事業を行っている。光ファイバーによるインターネット接続サービスを世界で初めて開始したのが同社で、常に変化し発展し続けるICT業界で、これまで4万社を超える企業にサービスを提供してきた。同事業の強みはサービスラインナップの幅広さにあり、ネットワーク環境に関するあらゆるニーズに対応しているが、一方で取引窓口が一本化できるなど高い利便性を誇る。ICTの進化・普及によって、あらゆるモノがインターネットにつながり、商品の購買目的が所有から利用へと変化し、シェアリングエコノミーやコト消費が勃興している。働き方改革によりライフスタイルが変化するなか、労働生産性を維持・向上させる必要も生じている。クラウドやAI、VR、5Gといった新技術が登場しては社会に組み入れられ、色々な場面でテクノロジーの利用がますます必要不可欠になっている。だからこそ中小業務店も取り入れなければ致命的な遅れとなってしまう。 インターネット回線の販売代理では、NTT東日本(東日本電信電話(株))及びNTT西日本(西日本電信電話(株))の提供するフレッツ光回線の販売を中心に、回線の販売数に応じた販売手数料を両社より受け取り、それを原資に全国に代理店網を広げるという取り組みを積極展開してきた。MVNOサービス「U-mobile」では、NTTドコモ<9437>とソフトバンク(ソフトバンクグループ<9984>)の通信回線を利用し、個人顧客向けに格安スマートフォンや格安SIMなどを販売している。従来の大手携帯電話会社によるサービスに比べ月額利用料金を低く設定し、家電量販店やWebを中心に販売している。ところが、こうした事業は、かつては比較的「美味しい商売」であったのは事実だが、制度変更や大手キャリアの攻勢、競合事業者の増加によって、現在では厳しいビジネスとなっている。しかし一方で、顧客基盤拡大やクロスセル強化を狙う同社にとって、代理店網は大切な経営資源でもある。同社は、こうした代理店を回線販売だけでなく、店舗ソリューションなど成長する他の事業の営業戦力として利用し始めた。同社にとっては営業戦力の強化、代理店にとっては事業の多角化と利害が一致し、両者の関係はWin-Winの関係へと深化していると言えそうだ。 社内的にも業界的にもユニークな存在のアルメックス 3. 業務用システム事業 業務用システム事業は子会社の(株)アルメックスが行っており、ビジネスホテルやシティホテル、レジャーホテル向けに自動精算機や宿泊施設管理システム、総合病院など医療機関向けに自動精算機や再来受付機、ゴルフ場向けに自動精算機やチェックイン機などを提供している。飲食店向けにオーダー端末やオペレーティングシステムの販売も行っている。ファブレスメーカーとして機器やシステムの開発から販売、メンテナンスまでを独自で行っている。メーカー色が強く、グループ内では異色な存在と言えるが、ITなど最新技術を駆使した製品やサービスによって、機器導入施設の利用者にホスピタリティを提供するコンセプトは、他の事業と大きく変わらないと考える。 自動精算機と言うと大手電機メーカー製をイメージしやすいが、同社の国内シェアはレジャーホテル85%、ビジネスホテル65%、大規模医療機関65%、ゴルフ場70%と非常に高率である。理由は、バブル経済だった30年前、レジャーホテル業界では既に人手不足の状態にあり、また、顧客の対面精算をしたくないという思いもあって、自動精算機に対するニーズが非常に強まった。そのような環境下、レピュテーションを気にしてニーズを取り損なった大手企業の不戦敗という側面もあるが、専業として積極的に営業をかける一方、カラオケの導入など独自のアイデアや技術を組み合わせ、レジャーホテル各社の事情に仕組みをカスタマイズするなど、きめ細かいサービスを提供したことがアルメックスの勝因である。したがって、様々なマーケットにおける自動精算機や周辺の受付業務全般にわたるノウハウの蓄積が、大きな差別化要因となっている。 ファブレスメーカーであること、改装などに伴い一定期間ごとに機器のリプレース需要が発生すること、売上げの50%弱がメンテナンスなどのランニング収入であることなどから、ボラティリティが小さく収益性の高いビジネスモデルになっている。また、労働人口の減少を背景に、全国・全産業で省人化ニーズ高まっている。特にホテル業界においては、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた建設ラッシュや、レジャーホテルのインバウンド向け改装の加速などから、同社製品へのニーズが拡大していくことが予測されている。また、インバウンド/アウトバウンドによる成長機会を直接捉えるため、既存製品/サービスのマルチリンガル化や訪日外国人向けレジャーホテルサイトの運営を開始した。2014年には、マレーシアに設立した現地法人を通じて、東南アジアでの市場開拓も進めている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《HN》
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