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カルナバイオ Research Memo(3):キナーゼ阻害薬は経口薬で副作用の少ない治療薬の開発が可能

2018/3/9 15:33 FISCO
*15:33JST カルナバイオ Research Memo(3):キナーゼ阻害薬は経口薬で副作用の少ない治療薬の開発が可能 ■会社概要 2. キナーゼ阻害薬の特徴 従来の抗がん剤は治療効果がある反面、重篤な副作用を引き起こすなど、患者にとって肉体的・精神的負担が大きいというマイナス面があった。これに対してキナーゼ阻害薬に代表される分子標的治療薬※は、体内において異常を来している特定の分子の働きを選択的に阻害することから、従来の治療薬と比較して治療効果が高く、副作用が少ないといった長所を持っている。キナーゼ阻害薬が初めて製造販売承認されたのは、慢性骨髄性白血病を適応疾患としたイマチニブ(商品名:グリベック、製造販売元:ノバルティス<NVS>)で、2001年に米FDAに承認された。その後も、30種類以上のキナーゼ阻害薬が各種がん治療薬として承認されているが、2012年には関節リウマチ治療薬としてトファシチニブ(商品名:ゼルヤンツ、製造販売元:ファイザー<PFE>)が承認されるなど、適応疾患も広がりを見せており、現在は代表的な分子標的治療薬の1つとして、世界の大手製薬企業や研究機関などで研究開発が活発に進められている。 ※ 分子標的治療薬とは、病気の原因となる特定の分子に対して、その分子の機能を抑制することで治療効果を得る薬剤を指す。 なかでも、BTK阻害薬として2013年に初めて承認されたイブルチニブ(商品名:イムブルビカ、製造販売元:ヤンセンファーマ(株))は血液がんでの治療効果が高く、売上規模がピーク時で8,000億円が見込まれるなど大きな成功を収めていることから、BTK阻害薬はライセンス市場においても非常に魅力的なターゲットとなっている。カルナバイオサイエンス<4572>はこのBTK阻害薬で、現在、2品目の前臨床試験を進めている。 分子標的治療薬としては、キナーゼ阻害薬(低分子化合物)のほかに抗体医薬品(高分子化合物)も研究開発が盛んに行われている。抗体医薬品との違いについて見ると、抗体医薬品はバイオ医薬品であり、その作製には大掛かりな細胞培養設備が必要となるため薬価が極めて高く、また注射剤であることから通院による治療が必要で、患者の負担が比較的大きい。これに対して、キナーゼ阻害薬は低分子化合物であるため、化学合成による大量生産が可能で薬価を低く抑えることができるほか、経口薬であることから在宅で服用することが可能であり、患者の肉体的負担も軽いといった特長がある。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《MH》
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キナーゼ阻害薬等の研究開発を行うバイオベンチャー。がん、免疫炎症疾患が重点領域。キナーゼタンパク質の販売、受託サービス等を手掛ける創薬支援事業も。次世代非共有結合型BTK阻害剤AS-1763に注力。 記:2024/08/06