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オプティム Research Memo(3):既存で稼ぎ、新規を育てる

2017/12/28 14:40 FISCO
*14:40JST オプティム Research Memo(3):既存で稼ぎ、新規を育てる ■事業概要 1. IoTプラットフォームサービス事業 2012年に1人1台だったインターネットにつながる端末は、2020年には1人150台になると予測されている。企業のIT資産を管理する部門の立場からすれば、端末の数が増えると作業が増えるとともにリスクも増える。オプティム<3694>の主力サービスである「Optimal Biz」は企業向けのスマートフォン・タブレット・パソコン・IT機器などのセキュリティ対策や一括設定の分野で必要不可欠なサービスとなっている。 IDC Japanの2016年国内エンタープライズモビリティ管理ソリューション市場調査によれば、同社の「Optimal Biz」は売上額シェアNo.1を獲得し、“市場におけるリーダーのポジションを確実なものとしている”と高い評価。他3調査会社(テクノ・システム・リサーチ、富士キメラ総研、ミック経済研究所)の調査レポートでも同社はNo.1のマーケットシェアを獲得しており、市場リーダーの地位を確立している。 個人向けスマートフォンの出荷台数の増加率は鈍化傾向だが、法人向けスマートフォンの市場においては従業員配布率が2016年の7.9%から2019年には15.9%に増加することが見込まれており、法人向けのビジネスであるMDMの市場も2015年~2020年の年平均成長率19%が予想されており、2019年には市場規模で200億円を超える勢いだ。また、文教分野においてAppleの教育ICT向けサービス「Apple School Manager」に対応するなど、Appleとの連携を深めている。その他、導入事例としては、長谷工コーポレーション<1808>がiPadを使用したペーパレス会議や顧客情報登録の短縮化を行った例や、ANAホールディングス<9202>が空港内スタッフの連絡デバイス管理に活用した事例がある。 IoT時代を迎え、端末はパソコン・モバイル・オフィスのIT機器だけではなく、ネットワークカメラや各種センサー、ウェアラブル端末やドローンなどに広がっている。また、端末から得られるビッグデータをAI技術などで解析することを一連の流れで行う時代が来ている。 同社では、2016年3月に「OPTiM Cloud IoT OS」を発表し、IoT時代の基盤となるソフトウェアを順次リリースしている。既存のCloudサービス上で動作が可能であり、IoTサービスで必須となる様々な機能は標準装備されており、画像解析やAIの機能が充実している点もポイントである。現在までに6つの標準アプリ(1)デバイス管理、2)データ分析、3)地理的情報マッピング、4)カメラ映像解析、5)IoTサービス専門ストア、6)統合開発環境)が整備されている。AIに関しては、Microsoft Azure、IBM Watson、Google Cloud Platform、Amazon Web Serviceのクラウドサービス、すべてとの連携が可能である。良質なOSを提供することで、様々なIoTのソフトウェア・サービスを“作る”時代から“使う”時代にリードしたい考えだ。 「OPTiM Cloud IoT OS」発表から約1年半が経過し、様々な分野のパートナー企業との連携により、「OPTiM Cloud IoT OS」を活用したサービスが続々登場している。2017年に行われた見本市(CEATEC及び農業Expo)では、合計14の新サービスが発表された。例えば、「AI Physical Security Service」は異常などを検知するAI監視カメラサービスであり、JR九州との実証実験が開始されている。「Smart Field」は建設業界向けのサービスであり、現場の情報を統合的に管理し、見える化を実現する。農業分野からは6サービスが発表され、これまでの実証実験段階から一歩進んだ。 2. リモートマネジメントサービス事業 リモートマネジメントサービスである「Optimal Remote」は日々の生活の中で使われている。スマートフォンやパソコンを使ってauやソフトバンク、フレッツ光などのコールセンターに問い合わせると、最近では画面を共有した上で遠隔サポートを受けることができる。コールセンターのオペレーターには、こちらの画面が見えており「画面下のこのアイコンをタッチしてください」と音声で伝えるとともに赤ペンで描き出すこともできる。この環境を支えるのが同社の技術であり、元々は同社がeラーニングで培った「遠隔画面共有」と「遠隔操作」というコア技術である。リモートマネジメントの技術を提供する企業は世界3社ほどで競合しており、日本では同社がNo.1のポジションである。 現在同社が取り組むのは新規サービスの推進である。遠隔作業支援「Remote Action」「Optimal Second Sight」は、多様な用途(保険事故調査、IT機器メンテナンス、海外生産拠点への指示など)での活用が可能な注目サービスである。TOKAIコミュニケーションズ(TOKAIホールディングス<3167>)では会員向けサポートサービスにおいて、オペレーターが顧客のスマートフォンやタブレットのカメラの映像をリアルタイムで確認しながら、遠隔からIoT機器や各種家電のきめ細かなサポートを実現している。遠隔医療・健康相談の「ポケットドクター(通称ポケドク)」は、医師と患者をつなぐプラットフォームで、スマートフォンを使い映像や音声を介した診療が可能である。既に、参加する医療機関数が増加し、有料サービスが始まっている。 3. その他サービス事業 「タブレット使い放題・スマートフォン使い放題(タブホ)」は個人向けの月額500円で雑誌が読み放題になるサービスである。BtoCビジネスであり、BtoBをメインとする同社のサービスの中では異色だが、端末の制御やコンテンツ配信技術という点では強みを生かした展開だ。事業開始以来、同社では新たな提供雑誌数の拡大と販売パートナーの獲得を推進してきた。提供雑誌数では、800誌に達し、人気の雑誌からニッチなものまでをカバーし、準新刊が全部読めるのが魅力だ。パートナーとしては大手コンビニ、日本航空<9201>、NTT東日本(株)、J:COM、(株)DMM. comなど。2017年JR西日本<9021>の運行する人気の特急列車サンダーバード号のグリーン車特典サービスとしても採用した。現在3大通信キャリアの同様のサービスに次ぐ第4のチャネルに成長している。 上記紹介の3事業(IoTプラットフォームサービス事業、リモートマネジメントサービス事業、その他サービス事業)は、共通して使用料課金が基本であり、リピート性が高く売上げが積み上がる傾向にある。またクラウド型のシステム構成のため、ユーザーが一定数を超えて、開発固定費を回収した後は利益率が急激に高まる特性がある。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫) 《TN》
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