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米中間選挙後の相場【フィスコ・コラム】
2022/11/6 9:00
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*09:00JST 米中間選挙後の相場【フィスコ・コラム】 今週8日の米中間選挙は民主党が惨敗を避けられるかが焦点のようです。バイデン政権の不人気も響き、現時点では上院で共和党が過半数を獲得する公算が大きく、下院は接戦とされています。金融政策への影響も必至とみられ、年末に向けては思惑に振らされる展開が予想されます。 バイデン大統領の直近の支持率は42%と、不支持率の54%を下回りました。支持率は就任当初からほぼ一貫して下げ続け、不人気は顕著です。中間選挙は上院(100議席)の約3分の1、下院(435議席)の全議席の争いで、現在は民主党が上院で副大統領決裁票の1議席、下院で9議席、それぞれ共和党をリード。上院で現状の勢力を維持できる可能性は残るものの、両院とも厳しい情勢です。 リーダーが不人気の場合、ほとんどは経済の悪化がその要因です。10月27日に発表された米7-9月期国内総生産(GDP)は3期ぶりにプラスへ浮上し、不透明感を深めるユーロ圏や中国とは対照的に米国経済の回復を印象付けました。それでも共和党優勢の流れを変える材料になっていないのだとすれば、バイデン民主党の支持率低迷はインフレ高進と金融引き締め政策が背景にあると思われます。 11月1-2日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75ptの大幅利上げが継続されたものの、次回12月は0.50ptに利上げ幅を縮小するとの見通しが示されました。パウエルFRB議長はターミナルレート(利上げの最終到達点)が高まる可能性を指摘しており、利上げの幅を縮小して長期化させる構えです。中央銀行の独立性から、政府が金融政策に直接関与することはできないとはいえ、国民の生活が圧迫されるわけですから、現在のバイデン政権の人気が高まるはずはありません。 一方、民主党が上下両院で敗北する最悪のシナリオの場合、金融政策への影響も想定されます。実際、パウエル議長が景気回復とインフレ抑止の両立は困難とするなか、民主党内ではFRBの利上げ一辺倒のスタンスに批判が出始めています。民主党惨敗の場合、2年後の大統領選に向けそうした意見は政治圧力になりかねません。また、バイデン氏の求心力も低下し、政治情勢の不透明感も嫌気されるでしょう。 共和党勝利の方が「市場はむしろ好感するかもしれない」(短期筋)との声も聞かれ、選挙結果を受けNY株式市場は短期的に下げた後は回復に向かう値動きが予想されます。バイデン政権は議席を失ってもインフレ抑止に向けて引き締め姿勢を堅持するとみられるものの、民主党離れが加速すればそれを放置するわけにもいかないでしょう。この中間選挙が金融政策の迷走のきっかけにならないか、注視されます。 (吉池 威) ※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。 《YN》
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